<覚醒>
もともとは月一で投稿しようと思っていたのですが、パソコンの調子がおかしい時もあり、データが消えたらという恐怖から出来次第投稿していこうと考えを改めました。また、書き溜めていても類似の作品が先に出た場合、まだ投稿していない自分が対応せざる負えずそうなる前に出しておこうという考えもあります。
そういった事情もあり、誤字や文章の確認がおろそかになっているとは思いますがご了承ください。
目が覚めると、そこは薄暗い不気味な空間だった。なぜか俺は立っていて、正面にはロボットが二体、右隣にも一体突っ立ている。
俺はなぜか嫌な予感がした。恐る恐る自分の姿を見る。
周りのロボットと同じ手、柔らかさのない自分の肌、足の先から自分の姿が見えるすべてが周りのロボットと同じ姿をしている。
(・・・俺、ロボットになってる!?)
あまりのことに無い口から無い心臓を出しそうになるほどの気持ち悪さを感じながら、俺は自分の体をさらに確かめる。もしかしたら機械か何かに脳の移植でもされたのかと色々考えるが答えは出ない。
そして、落ち着いた俺は辺りを見回す。この薄暗さは天井に着いている小さな何かが光っていてここを照らしているようだ。また、右を見れば真っ暗な空間がどこまでも続いていて、それ以外の三方向は床と同じように小さな石を積み上げた壁がある。
だが不思議なことがある。この部屋の真ん中から左に寄った場所、つまり俺の正面に小さな台が置かれているのだ。
・・・・・
カツンコツン カツンコツン
あの台は一体何なのかと考えていると、部屋の中に小さいが歩くような音が響き始めた。音の方向へ目をやると部屋の左にある壁の下、ネズミの穴のようなところから聞こえてくるようだ。この音に気が付いた時、隣遠くだがどこかに人がいるのかと思ったがすぐに音の主が現れた。
「みんなおはよう」
それは小人というぐらい小さな白衣を着た女の子だった。誰に言ったのか、あいさつは誰もいない部屋に響いただけですぐに静寂が訪れる。
何が何だが全く分からない。俺が以上に大きいのか、それとも彼女が以上に小さいのかロボットとなった俺にはわからないのだ。しかし彼女の身長を普通の身長だと仮定したとしても、いくら技術大国の日本でもこんなに大きなロボットを作ることなんてできないだろう。
だが、次の瞬間。そんな考えが吹き飛ぶほどのことを彼女はやってのけた。
一瞬で部屋に明かりがつく
それをやったのは間違いなく彼女だ。彼女を中心に何かが発せられて明かりがついたのだ。しかし、わかった理由がわからない。まるで電波のように目に見えないはずのもの見ることができたというべきなのだろうか。彼女の発した何かが天井に届いた瞬間に天井に着いている石のようなものがさらに強く光りだしたのだ。少なくともこの姿になったことによって何らかの能力が俺に身についたのは間違いないのだろう。
その後、俺は彼女を一日中観察し続けた。彼女は丸一日部屋のど真ん中にあるテーブルで設計図のようなものを見ながら頭を抱えて悩み続けているのだ。ロボットになったためか視線をカメラのようにズームしてみることもでき、テーブルの上を盗み見るが書いてある文字は初めて見るものだ。しかし、不思議なことに書かれている内容は理解できる。それに目を通すだけでどんなことが書いてあるのかわかるのだ。
もはやなぜわかるのかなんて考える必要はない。わかるのであればそれを十分活用しながら自分の置かれている状況を理解するのが先決だ。そう考えた俺は今日だけでなく明日も明後日も彼女の観察をすることにした。