プロローグ
とりあえず上げました。
投稿は不定期ですが、頑張りたいと思います
男は単純に女を愛していた。
その愛は第三者から見ても異常なほど深く。そして、美しかった。
人生を女に捧げ、今まで蓄えてきたすべてを女に貢いだ男を友人や家族は口汚く罵った。家族には絶縁と言い渡せれ、友人は音信不通になった。それでも、女を愛していた。
男は女に言った。
「君をもっと愛したい。どうすれば愛せるのか。」
男の疑問に女は首を傾げた。
両手に収まらないほどの『愛』を貰い、返しきれないほどの『愛』を貰った。
これ以上の『愛』を私は貰えるのか。女は思った。
女は考えた。長い時間。それこそ何十年、何百年と経つ時間の間。
やっと女が口を開いたとき、男は死んでいた。女は悲しんだ。そして、自分の身体も崩れていることに気づいた。
崩れゆく体を起こしながら、女は一つの手紙を書いた。
宛先も名前もなく、文面こそめちゃくちゃだ。
やがて女は死んだ。
死ぬ間際、女は呪った。この世界を、この運命を、この短い命を。
女は長い時間眠った。そりゃ、死んだのだから眠るのは当然だ。
女は寝ている間も自分を愛してくれた男を想っていた。
自分のどこを愛していて、どこを好きになったのか、なんであんなにも尽くしてくれたのか。
それでも女は分からなかった。そして女は分からない理由を考えた。
女が生きていた世界では既に数千年ぐらいは立っただろうか。
とうとう女は考えるのを諦めた。意外と女は短期だった。
全てを諦め、死を受け入れようとすると女は目が覚めた。
突然の事で何事かと驚いていると、目の前に一人の人物がいた。それは、長い間自分を愛してくれた男だった。
女は喜んだ。しかし、男は女を突き放した。
「自分は貴方の言う男ではない。」
その一言に女は絶句した。
男が去った後も女は放心していた。そして、気が付いた。
自分には特殊な能力があることを。
男が恋しかった女は能力を使って男を創った。しかし、創った男には命というものがなかった。
男の形は作れたが命までは作れなかった。そこで女は命の代わりを見つけた。それは女が持っている能力だ。
女は能力を代償に男たちに命を与えた。しかし、たくさんの男を創ってもどれほどの命を与えても、女の愛した男にはならなかった。そして、また途方もない時間が流れた。
一度地上が男で溢れ返ったが女は気にせず理想の男を創り続けた。
それは今でも続いているという。
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