第二話:世界の影
お待たせしました><;
二話目の投稿です(´ω`*)
《AM8:10》
朝食を終えて影吏達は喋りながらいつも通り登校していた。
「そうだ!学校帰りどっかよらねー?」
「もう、春君そういうのは登校時に出す話しじゃないよ〜」
春菜は筏春にそう言いながらもさっそく何処にしょうか考えている様子だった。
「俺は何処でもいいけど?行きたい所ある?」
影吏は二人の顔を交互に見て言った。
筏春も何処でもいいと言い、結果的に春菜の行きたい所で決定とゆうことになったのだった。
ちなみにその春菜だが…未だに悩んでいたりする。
チャチャチャラララ〜♪
春菜が悩んでいる間に何処からか陽気な音が鳴り響いた。
「っと、悪いバイトから電話だ」
その陽気な音は筏春のケータイからだった。
「二人共、先に行っててくれ」
そういって筏春は何処か足早に歩いていった。
影吏は筏春を見届けながら「じゃあ先行ってようか」と春菜に言て歩き出した。
「………」
「春菜?」
春菜から返事が無く、影吏は後ろを振り向き春菜の顔を覗いた。
すると気づいたのか、春菜は慌てて返事をした。
「えっ、あっ、そだね先行こ。春君も困ったもんだよね」
春菜はアハハと苦笑しながら早歩きで学校へ向かった。
あの沈黙の間、春菜が険しい顔をしていた事に影吏は気づく余地もなかった。
《AM8:20‐筏春‐》
筏春は人気の無い所でケータイを取り出した。
ディスプレイには非通知と表示されている。
それを見て不機嫌な顔で通話ボタンを押した。
「用件はなんだ?」
普通、非通知からかかってきたら大抵の人が出ないか、もしくは相手を確認するだろう。
けれど、筏春のケータイに非通知でかけてくる者は一人しかいないのだ。
「開口一番にそれか?もっと対応とゆうものを学んだらどうだ?」
電話の相手は慣れてるのか余り気にしていないようだ。
「お前に使う時間なんてない。切るぞ」
筏春の顔はかなり苛立ちが見えている。
「何寝ぼけた事言っている。あるだろ?私に報告する事が」
「…」
「なんなら他の者に任せるが?」
筏春は苦い顔をして諦めた様に答えた。
「今の所は特に変わった事は無い。影吏は一般人だ、灰界をしらない!」
「だが灰界が発生し、何故かスグに消滅する現象が起こる所に多くそいつの目撃者がいる。なによりあの《逆神》だぞ?お前だって知っているだろぅ」
「あぁ、知ってるよ。闇の歴史にその名ありってほどだからな。けれど影吏がそうだとゆう訳じゃねぇ」
「だからこそ監視してるんだよ。彼があの《逆神》かどうかをね」
「ちっ、もう報告は終わったから切るぞ」
筏春は電話を切ろうとした。
「あぁまて、最後に言っておくが………もしもの場合はわかってるな?」
「…」
筏春は何も言わずに電話切った。その顔は暗く沈んでいた。
《AM8:45‐学校屋上‐》
影吏は授業を受けずに屋上にいた。
ただ、鋭い目で何も無い空間を睨んでいた。
いつもの影吏とはどこか雰囲気が違っていた。
影吏はポケットからカッターナイフを取り出し、その何もない空間を切りつけた。
すると、切りつけた空間から急速に全てのモノが色褪せていき、切りつけた所を中心に球状の色褪せた空間ができた。
否、それは≪灰界≫と言う世界から隔離された空間だった。
全てが色褪せた世界の中、影吏だけが色褪せていなかった。
ただ、眼だけが爛々と蒼く輝いていた。
影吏が見つめる先に、今まで居なかった黒き霧を放つ異形の怪物が多数いた。
≪AM8:45‐教室‐≫
春菜は少し怒っていた。
理由は筏春と影吏にある。そう、二人とも教室にいないのだ。
筏春は登校中、影吏は学校に着いてすぐにいなくなってしまったのだ。
電話でもしてやろうか?と思ったが不意に頭上から感じなれた嫌な気配が覆った。
そう、灰界が現れた感覚だった。
春菜は急いで筏春に連絡を取るため教室を出て行った。
≪AM8:50‐学校屋上‐≫
複数の寄生虫のような怪物が影吏に襲いかかった。
影吏は静かに見据え跳躍。そして、着地と同時に一匹をカッターナイフで切りつけた。
切られた怪物は断末魔を叫びあげる。
それに呼応するかのように、全ての怪物が四方八方から影吏に襲いかかる。
影吏は前方に迎え撃ち、横薙ぎに一閃。同時に左右の怪物も切りはらった。
怪物はそれだけで動かなくなった。
ただのカッターナイフでやられるようなモノではないのだが、影吏が切った怪物は朽ち果てるかの様にボロボロと崩れ去っていった。
5匹目を切り倒した時、ドアから二人の人影が入って来た。
―――その二人の顔は険しく、どこか悲しそうな表情をしていた―――