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前置き&「鳥人間コンテストって何?」

鳥人間コンテストについてざっくり(本当にざっくり)解説していくエッセイ(?)です。

鳥人間経験者ではありますが、にわかもにわかなので多少の差異はこっそり教えて許していただければ……

 みなさんは鳥人間コンテストという番組を視聴したことはあるだろうか。


 そう、夏の終わりに日◯レ系列で放映されるアレである。琵琶湖の畔でドボンドボンと機体が落ちゆく映像を見たことある人は少なくないと思う。

 普通の人は湖によくわからない飛行機の形をした塊をプラットホームの上から突き落とす番組という認識だ思うが、実はそうではない。

 この「競技」には夢と希望と汗と涙が詰まっている。それを少しでも多くの人に知って欲しくて本文を書いている。

 興味があれば目を通してもらえれば幸いだ。


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「鳥人間コンテストってなに?」


 鳥人間コンテストとは毎年7月末に琵琶湖沿岸で開催されるytv主催のテレビ番組である。

 えっ? 鳥人間コンテストって8月末とかじゃないの? と思ったあなた、よく鳥人間コンテストを見ていますね。実際に放映されるのは確かに8月末ですが、当然のことながらテレビ番組としての編集の時間が必要なので本当はもっと前に大会自体は開催されているのだ。

 ……7月から8月に期末試験が行われる大学生にとっては厳しい日程である。

 鳥人間コンテスト、と一口にいっても実は大きく2種類に分けられる。滑空機部門と人力プロペラ機部門だ。


 まずは滑空機部門から解説していこう。

 滑空機とは文字通り空を滑空していく機体のことである。もっとわかりやすく言えば基本的に動力を用いずに高いところから落ちていくだけの飛行機ということだ。

 滑空機、人力プロペラ機問わず、鳥人間コンテストでは高さ十メートルのプラットホームの上から機体を発進させる。滑空機にとってはその十メートルを如何にして飛距離に変えられるかということが記録に関わってくる。

 この部門を語る上で外せない一つのチームがある。


 チームみたかもばら、パイロット大木祥資である。


 このチーム、1999年から昨年に至るまで優勝を逃したのがたった3回しかない。1977年から数えて全39回あった大会のうち14回優勝しているといえば驚異的であることがわかるだろう。

 ちなみに最高記録は501.38メートル。学生チームがいまだに400メートルの壁を越えられていないことを考えれば高すぎる壁である。

 学生チームの強豪は優勝経験のある九州大学や昨年に学生記録を叩き出した首都大学東京などが挙げられる。もし受験を考えているのならば一考の余地ありだ。


 次は人力プロペラ機部門を説明しよう。

 昨年までこの部門はタイムトライアル部門(以降TT)とディスタンス部門(以降dst)が存在していたが、今年の大会ではTTが廃止されることになった。その過程でてんやわんやがあったわけだが……それはまた別の機会にしよう。


 TTは500メートルの直線を往復し、その飛行時間を競う競技である。部門の発足当初は1キロの直線を往復するコースだったためほとんどのチームが往復すら達成できずに着水してしまっていたが、近年では多くのチームが完走までこぎつけている。

 優勝経験のあるチームとしては名古屋大学、大阪府立大学、各大学のOBが集まって結成されたTeamFなどが存在する。TeamFは現在は鳥人間コンテスト出場ではなく、人力飛行機の最高機速の世界記録を目指して活動している。

 他にも筑波大学や早稲田大学の鳥人間チームもここに属していた。

 筆者個人の意見としては現場で見る競技としては全部門の中で最も爽快感ある部門であり、廃止されるのが誠に惜しまれる。

 この部門ならではの機構(エルロン、ピトー管など)技術が採用されたりもして、その技術の衰退も非常にもったいなく残念である。


 最後はディスタンス部門である。Dstは文字通り時間問わず飛行距離を競う部門である。

「足がああああああああああ!!!」や「桂ァ!今何キロォ!?」などの絶叫が見られるのはほぼこの部門だと言っていい。

 現在の規定では往復40キロメートルまでが飛行距離として認められているが、実は直進して35キロメートルを目指すことも認められている。

 しっかり飛行できた場合、滑空機やTTよりも圧倒的に飛行時間が長いため、コックピット内のパイロットの表情や言葉などがよく放映され、面白いと2ちゃんねるやTwitterなどでよくネタにされる。

 第10回大会から行われている部門だが意外なことに優勝経験のあるチームはたった5チームしか存在しない。

 日本大学、東北大学、東京工業大学、TTが行われる前まではDstに出場していた大阪府立大学、そして現在は飛行距離世界記録を目指しているヤマハ発動機のチームエアロセプシーである。

 その他にも京都大学や二人乗り人力飛行機で今年公開予定の映画「トリガール」の元ネタとなった芝浦工業大学、昨年彗星のように現れて3位入賞した森精機の一人の社員が主となって活動しているBIRDMAN HOUSE伊賀などがある。

 全部門の中でも最も熱い部門であり、最も過酷な部門でもある。40キロメートル飛行するならば1時間半以上は飛行する必要があり、それは真夏の炎天下、発泡スチロールという熱の逃げにくい素材で作られたコックピットの内部で休むことなくペダルを漕ぎ続けることを意味する。水分もその重量から機体には多くは積むことをできず、ある種マラソンよりも過酷なスポーツである。


 とりあえず今回はこのくらいで終わりにしておこう。もし知りたいことや気になることがあれば感想をくれれば答えるつもりですのでよろしくお願いします(鳥人間マニアからの鉞は正直受け切れる自信はありませんので悪しからず)


 鳥人間チームは上記に挙げた以外にも北海道大学、山形大学、東京理科大学、電気通信大学、静岡大学、名古屋工業大学、大阪大学、広島大学などなど多くの大学に存在し、一部の高専や社会人チームやOBチーム、新興チームなども多く存在しているので入りたいと思った人は調べてみるといいだろう。多くのチームは人数不足の問題を抱えているから歓迎してくれるだろうし、専門知識が皆無でも何も問題はない。

 今年の第40回鳥人間コンテストは7/29-30に琵琶湖沿岸で開催されるので足を運ぶことを是非お勧めする。テレビと実際の大会は何から何まで違うので一回だけでも行ってみるといい。


 それでは、また次回

よく「離陸してすぐ落ちる方が面白い」と仰る方がいます。もちろん他人事だったら僕もそう思ったりしたかもしれませんが、1年かけて作った機体を長く飛ばしたいと思う人たちの気持ちもわかってください。


あと視聴率低いと鳥人間コンテスト無くなっちゃうで見てね!


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