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【困惑】

例に依って例の如く短い上に駄文です。

 その後も俺は魔族を殲滅していった。だが、その途中である事に気が付いた。魔族共は一定の範囲にしか現れていなかったのだ。それは不幸中の幸いとでも言うべき事なのだが、その範囲と言うのが問題だった。魔族共が現れた範囲は目測した所、俺の自宅を中心とした半径数キロメートルの円といった感じであった。それ以上先は何か境界でも引かれているかの様に魔族はおろか、禍さえも出現していない。その為、何者かが故意的に呼び出した様に思えた。


 それに加え範囲外の者からは範囲内で起きている事が認知できていない様だ。……そう。範囲内の場所だけまるで初めから無かったかの様に平然と過ごしていた。


「何が……起きている?」


 理由を、原因を只管に考える。考える。考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える――――――


 ――――出て来た答えは理解不能。


 それだけだった。それ以上でもそれ以下でもない。ただ…ただ、分からなかった。


「クソッ……何なんだよ…何でこんな事に」


 左手の爪をガジガジと囓る。罅が入り、剥がれるが驚異的な自己治癒力の恩恵で即座に元に戻る。だが、何かに取り憑かれた様に囓り続けている為、再び割れ、剥がれ、治る。それを幾度となく繰り返した。


「畜生ッ…情報が足らな過ぎる……」


 何もかも分かっていないこの状況では対策を練る余地などなかった。


 そして、それを探る手段も俺には無かった。確かに俺はチートと呼ばれても仕方のないぐらいの力を持っている。だがその能力も穴だらけなのだ。隠密行動など以ての他だし、探知系の能力も持ち合わせいなかった。俺が特化しているのは破壊と戦闘…それに加えてもう一つ。それだけだった。


 ――――ピシッ…ビキビキビキ…


 そんな音がした。まるで卵が孵った時の様な音が。そしてその表現はあながち間違ってはいなかった。


 ―――――絶望が孵化したのだから。


 大地が裂け、化け物が姿を現した。


 それはまるで……俺を再び「あの地獄」へ連れ戻さんとする冥府からの使者が顕現したかの様に思えた。


 2メートルほどある体躯。影の様に揺らめくボロボロのローブ。深く被ったフードから覗くのは髑髏特有の空虚な眼窩。その眼窩の奥で煌々を燃える蒼白い焔。皮膚のない両の(かいな)に携えた凶悪な死鎌(デスサイズ)。一般的に想像される死神そのものの姿だった。


 ソレは俺に気が付いた途端、命令でもされたかの様に鎌を振り上げた。


「……今俺は機嫌が悪いんだ。だから…容赦はしないぞ?」


 死神が鎌を降り下ろし―――


 ―――瞬間。死神が消滅した。……否、消滅させた。

 

 行った事は単純明快。ただ怒りに任せ殴っただけ。八つ当たりをしただけだ。だが、そこに籠められた力は凄まじいものだった。魔族でもそこそこ高位に分類されるアレを消し飛ばしただけでなく、周囲にあった家さえも吹き飛ばし一帯は更地と化していた。


 なんだ……まぁ、その……やり過ぎたな。うん。反省してる。


 が、その反省も一瞬。何故なら再び地を裂いて死神が現れたからである。しかも今回は一匹ではなく数十匹。


「本当に…キリがないな……」







―――Another Side――― 


「……運命の坩堝に放り出されし貴方は幾ら抗った所でに逃れる術はない……さぁ、その運命に身を任せ再びこの世界に戻りなさい。私の愛しの君……」

 

 遠く次元の彼方から愛するの男の様子を覗き、一人囁く女がいた。柔らかに微笑むその顔は何処までも艶やかで美しく。そして……凍るほど、恐ろしかった。

 



【To Be Continued】

ありがとうございました。

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