いたみ
どんな人だって平等に いたみ を持って産まれてくる
泣きながら産まれてくるのは よろこびか かなしみか
生きる を受け容れてしまった いたみ なのか
無痛の日々などあるはずがないのに
人びとは痛みに慣れきってしまう
無心に時を流してしまえば 痛みを忘れられるって
人びとは痛みを誤魔化してしまう
無心に夢に溺れれば 逃げられるって
人びとは痛みを葬ってしまった
遠くて近いところ 消えてしまえって
どんな人だって平等に いたみ を置いて死んでゆく
泣きながら見送る人びとが拾うのは
生きる を全うしてしまった いたみ なのか
生きる を全うできなかった いたみ なのか