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第七話「生き方」

 もともと、まとまったお金が貯まったら、男は旅にでるつもりだった。

 まだ若かった頃、男は外国を放浪していた。しかし、それは自分で稼いだ金というよりは、両親が稼いだ金だった。

 だから彼は、将来、自分で稼げるようになったら、外国を転々としたいと思っていた。

 写真を取り始めたのも、外国に行った時の事を考えて、習得するべき能力の一つにカメラがあっただけだ。 しかし、いざ日本で地に足を着けて労働し、暮らし始めると簡単には辞めれない事が解る。

 周辺の人間との繋がりや、職場との関係を断つのは容易い事ではなかった。


 男の計画は遂行されないままに、日本で日常化し、男の今の生活を作っている。残ったものは趣味としてのカメラだけだった。

 男は今日も熱心に働き、同等の対価を得た。


 女は最初、男の浮気の事実に放心状態になった。恋愛結婚だった。すべてが順調という訳ではなかったが、表面上は上手くいっていると思っていた。

 将来の安定した家庭というものが容易く壊れてしまった事で途方に暮れていたのだ。

 多すぎる荷物の整理。引っ越し。さらに働き口を見つけなければならない。

 女は何から手を着けようかと考える。だが、女は全く違う行動をとる。

 女は大学時代の同期生に電話する。いつでも、電話番号はそこにあった。異性の、それも自分に好意を寄せている人間に電話をかける事に対して、全く躊躇いはなかった。 彼女は生きるために何でも利用した。けれど、彼女には生きていてもやりたいことがなかった。

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