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第二十九話 道雪(回想)

ぼちぼち更新していく予定です。

黒鉄もそろそろ初めて行きたいですね。

読んでくださる方ありがとうございます。


 でもこの燃える廊下を抜ければ中庭に出る。

 そこまで運べば私の勝ちだ。

 別に誰とも勝負なんてしてないんだけどね。

「里桜――あとちょっとで外だよ。もう少しで……」

 ……ギギギギギィィ――

 なに? 

 何の音……まさか!!

 私はとっさに頭上を見上げる。

 けれどもう、その時には手遅れだった。

 炎に焼かれ、その形状を維持できなくなった天井の木材達は、何の抵抗もせずただ、炎を纏い私たちの上に降り注ぐ。

 その光景は酷くゆっくりで、ただ私はその光景を佇み傍観しているしか出来ない。

 ――里桜、ごめん。約束守れなくて。

 私は目を瞑り、里桜を抱え直す。

 この状態ではとても結界を張る事なんて出来る訳がないからさ。

 でもこれで最後になるなら。最後になるくらいなら、どうせなら――


 ユキちゃんとも居たかったな。

 

 私の命の恩人で、私の目指すべき人で、私の憧れで、私の……焦がれている人だから。

 私は目を開けた。

 

 燃える木材は消えていなかった。

 

 それどころか近づいていた。

 

 先程よりも更に近く。

 

 まあ、しょうがないよね。

 何もしていないんだから。

 運命を受け入れよう。

 再び目蓋を閉じようとした、その時だ。

 

「よう。おじょうちゃん達があんちゃんの友人か?」


 頭上から降ってきた。

 燃える木材では無く。

 声が。

 見上げたその先に居たのは、大きく、威厳のある顔つきの水龍だった。

 その口には燃えていた木材が咥えられている。

「オレの名はリュウセイ。

 あんちゃんの頼みでここまで来てやった。

 そのついでにここの消火を頼まれてな」

 突然の事に声が出ない。

 それにこの水龍が探している人物が私達で合っているのか、それすら分からなかったから……

「あんちゃんって誰の事ですか?」

 私はそう聞いてしまう。すると水龍は

「あんちゃんはあんちゃんさ」

 だからそれじゃ分からないんだって。

「えーと、ほら、あれだ……――まあいいや。

 お前達くらいしか生き残っている者は居ないみたいだしかまわないだろう」

 なんて大雑把な事を言うかな。

 しかも誰に頼まれたかも忘れているなんて大丈夫なの?

「少し息を止めていろ。

 直ぐにここから出してやるからな」

 言うが早いか、水龍は咥えていた木材を吐き捨て、そして何の心の準備もしていない私達をその大きな口に納め空へと飛び上がる。

 私が最後に見たのは大量の水がうねり、まるで自らの意志であるかのように無駄のない動きで炎に包まれていた御所を消化して行く。

 それと同時に私達を飲み込んでいた水龍が徐々に小さくなって行きやがて崩壊してしまうと言う不思議な光景でした。

 8/24日をもちまして誠に勝手ながら、完結させる運びとしました。

 ブックマーク登録していただいた方々には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 これだけ間が空いてしまうと設定やキャラの個性などを活かすことが出来ない可能性がありました。

 なのでいつになるか分かりませんが改正版として復活させたいと思います。

 (需要があるかは分かりませんが)

 読んでくださった方、ありがとうございました。

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