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第二十八話 道雪敗北

四か月ぶりの更新になります。

待っていた方、大変お待たせしました。

更新再開いたします。

里桜が桜花になっていたので修正しました。

 俺は結界の再構築によって失った霊力。

 その不足により、動きが鈍くなった体に鞭打って、御所へ走って向かう。

 立っている事がやっとだが、それでも急がないといけならない。

 荒野が何をするか分からないからだ。

 さっきから何もない所で躓いて、転んでイライラしている。

 お蔭で着物は泥だらけ、破けた所も数カ所ある。

 サユリに繕ってもらおう。

 やっと御所が見えてきた。炎は完全に消えている。

 消火はすんでいるようだ。

 リュウセイに任せた事がこれは大きいな。

 さあ、あともう一息だ。

 御所に近ずくに連れて、むせ返るように生臭い血の匂いが漂い初める。

 道端や家屋の壁、外壁いたる所に血の跡が残っている。

 壮絶な殺し合いがあった事がこれだけで想像できた。

「いったいどれだけの陰陽師――どれ程の人が食われたんだろうな」

 先程から鬼や低級妖怪の類いの骸は目にするが、人の死体を目にしていない。

 間違いなく、俺の想像以上の人が鬼の腹の中にいる事だろう。

 俺はさらに歩を進め、ようやく御所に辿り着く。

 そして、御所の変わり果てた姿に言葉を失っていた。

 あれほど優雅で優美で雅な佇まいであった御所は、無残にも炎に蹂躙され焼け落ちていた。

 焼け落ちた門を乗り越え、御所の中へ足を踏み入れた俺を待っていたのは、鬼との戦闘で負傷し重傷を負った道雪と傷つき倒れている俺の式神達だった。

 

 

「火の勢いがすごいけど大丈夫。私は里桜の傍にいるから」


 私――道野道雪は、帝様を安全な所に逃がす手はずを私が使役している式に任せ、この炎の中に取り残されてしまった里桜を助けに来ていた。

 この業火の中であっても里桜は規則正しい寝息を立てている。

 その事にホッとしながらも、気を引き締め直す。

「里桜、私が絶対に助けるから。絶対に――」

 私は炎に焼かれ始めた部屋の中に結界を展開させる。

 これで火と煙の勢いを遅らせる事が出来るけど。

 遅らせるだけで炎自体が消える訳ではないから、時間稼ぎにしかならないんだよ。 

 私は自分と里桜の口元を手拭いで覆い上体を起こし、自分と里桜を帯びでキツク縛り上げた。

 後は私が自分の身長より高い里桜ををおんぶして外まで連れて脱出するだけだ。

 私は意を決し、里桜の部屋を後にした。

 

 赤い炎が揺らぎ、黒い煙がもくもくと立ち込める廊下。そこで私はへばっていた。

 なんでって、そりゃあ……私、自慢じゃないけど筆より重い物を持った事がないんだよ。

 だからさ、その……さっきから里桜の足が床に着いてて、その正確に言うとちょっと……いや、もうがっつり引ずっちゃってます。

 だって、おもいだもん。重いって女人ししたら失礼ってわかっているけど。重いものは重いんだもん。

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