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第二十三話 鬼との遭遇

 俺は稲穂と共に御所へ走って向かう。

 リュウセイの背に乗せて貰えればまだ楽に御所へ行く事が出来たのに……

「ゴアァァァアーーーー!!」

 ひた走る俺と稲穂の耳にけたたましい雄たけびと共に、空から頭に二本の角が生えた男が降って来た。

 男の肌は赤黒く、手には大刀が握られている。

「くは! なんだ。

 こんな所にも陰陽師がいたのかよ。

 もう他の奴らが食い散らかした後かと思ったぜ!」

 鬼は首を鳴らしながら、気怠そうに立ち上がり俺を見下ろす。

 デカい。

 得物もデカいがアイツの体のデカさはなんだ? 

 俺の頭三つ分以上あるねぇか!

 一体なに食ったらあんなにデカくなるんだよ!

 それにコイツの妖気のデカさはなんだ。

 なんでこれ程の力を持った鬼がこの涼へ入る事が出来た?

「どうしたんだ?

 声も出ないほど恐怖したのか?

 くはははは!!」

 腹を抱えて笑う鬼。

 なにがおかしいのかは分からないが、コイツが強力な鬼だと言う事は分かる。

「一ついいか鬼――

 お前達はどこから結界を破ってこの涼に入って来た!」

 これ程の妖力を持った鬼が涼へ入ろうものなら陰陽師が気付く筈……

 対処できなければ応援を呼ぶ筈だ。

「は! 破る必要なんてなかったぜ。

 東門自体を破壊したんだからな……ん?

 くは! 別に教えてやる義理なんざなかったな。

 陰陽師――お前も直ぐに食ってやるよ。くははは!」

「――っ。東門を破壊しただと!」

 これはいよいよグズグズしてられない。

 当初の予定であれば、御所に向かって道雪と合流して御所の事態を収拾して終わりだったのに!

 御所にも行かなくてはならないのに、東門にも行かなくてはならなくなってしまった。

 東門の管轄が赤子のやつなら見殺しにしてもいいが、東門の管轄は中江家・安綱がいる。

 アイツに死なれると後味が悪い。

 何より俺の友人でもある。

 ここは二手に分かれたほうが良いな。

「稲穂。俺はコイツが破壊した東門に向かう。

 お前は当初の予定通り、御所に向かってくれ」

「いやよ。行平は弱いんだもの」

「頼む。道雪の加勢に行ってくれ。

 本命が御所なら東門で取り逃がした奴らは全て御所へ向かうからな。

 集まってきたところを一網打尽にしろ」

「うーん。でもいいの?

 行平、あんた丸腰じゃない。

 流石にそれは許可できないかな?」

 不満そうな顔の稲穂。しょうがないだろ!

「おいおいおいおい!!

 オレっちを忘れてくれるなよ!!!!」

 真っ直ぐ俺に向かって得物を構えて突っ込んでくる!

 俺は人型の式札を懐から取り出し数枚を宙に投げる。

 ヒラヒラと舞い落ちる式札。

 それの全てに術をかける。

 ボン!

 っと言う破裂音と共に姿を現したのは五体の白い鎧武者。

 背中には無数の得物を抱えている。

 鬼は五体の鎧武者に阻まれ、俺に攻撃をする事が出来ない。

「行け稲穂。俺はコイツラで十分だ」

 暫し俺と稲穂は睨み合う。

 俺も言い出したら聞かないが、コイツも相当である。

 しかし、この時ばかりは目を瞑ると盛大にため息をついた。

「まったく。じゃあ私は道雪ちゃんの所に行くけど……」

 珍しく根負けして稲穂は俺に背を向け、空へ飛翔した。

 はっ。死なないで――

 ――か。分かっている。

 こんなところで死ねるわけねぇだろう? 

「さて、鬼。思い残すことはないよな?

 あっても聞いてやることは出来ないけどさ」

「くは! なんだ、コイツら。

 切っても、切っても直ぐに元に戻りやがるじゃねぇかぁ!」

 先程から俺の式神達の鎧武者達は腕が飛ばされようと、

 頭が飛ばされようと胴と脚部が泣き別れ地面に落ちようと、

 たちまち舞い上がる紙吹雪によって再生していく――!!

 そして、再生を終えた鎧武者達は再び襲い掛かって行く。

「っちぃ!

 オレっちを疲弊させる気かい。

 だがそうは――いくかよぉ!!」

 鬼は大量に空気を吸い込み。

 そして、口から燃え盛る火炎を吐いた!

 おい、マジかよ!

 一瞬にして燃えカスになってしまった式神を俺はただ唖然と見ていた。

 やばいな。

 なにか他の事を考えないと。

 これは非常にヤバい。

「なかなか小癪な事をやってくれるじゃねぇか。陰陽師」

 鬼の額に青筋が浮かび、目は夜闇にギラギラと輝いていた。

 これは一歩間違えば殺される!


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