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第二十一話 御所に火の手

遅れてしまい申し訳ありません。

 その後、藤姫は荒野と行動を共にした。

 貴族や豪商、時には武士の家でさえ襲い、金品や女を奪ったと言う。

 追って来た男は嬲り殺し、女はことごとく鬼酒の材料となった。

「藤姫よ。

 この世界には、謀反むへん

 謀大逆ぼうたいぎゃく

 謀叛むほん、悪逆、

 不道、大不敬、不孝ふきょう

 不義と呼ばれる八虐――

 よく言う悪逆と言うのだが」

 荒野は、笑みを浮かべながら藤姫に話しかけたという。

 そして、荒野は思い描いた計画を藤姫に語る。

「私も君も謀反と謀大逆――

 この二つはまだおこなっていなかった。

 これは盲点だったよ。

 そこでだが、今度は帝が居る涼へ向かおうと思うのだ」

 この一言により藤姫の運命は大きく変わる事になる。

 荒野と藤姫は涼を目指した。

 途中にある村や都を襲いながら。

 しかし、涼まで残り僅かという所で明野明石に討伐され封印された。

 この戦闘により深手をおった荒野は藤姫を見捨て西に逃げたと言う。

 


「まさか、今になって涼に来たのは、その謀反と謀大逆を行うためなのか?」

「恐らくはそうでしょうね。

 荒野は――

 アイツは何でも集めたがったから、あと二つで八虐全てがそろう。

 それだけの為に人を喰らい殺す事も厭わないわ……」

 謀大逆とは、帝の住む御所への攻撃、破壊行為。

 謀反とは、この国の帝を殺す行為の事。

 ただ悪逆非道を極めたい。

 ただそれだけで荒野と呼ばれる鬼は人を殺めるというのか……

 つくづく馬鹿げた話だ。

「そうなる前に退治しないといけないな。

 俺達が」

「――当り前よ。

 明日で終わらせるわよ。行平」

「当たり前だろ」

 俺は肩越しに藤乃の顔を見ながら頷きあった。

 絶対に、

 絶対に退治してみせる。

「――ん?」

 俺の目の前を赤い火の粉が飛んでいく。

 見上げると日が暮れた夜空を無数の火の粉が風に流され飛んでいた。

 ドコかで焚火でもしているのだろうか?

 だが、これほど風の強い日に焚火などする者がいる筈がない。

 家が密集している場所で火を使うなど大火災に成りかねないからな。

「行平! 大変よ!!」

 そんな事を思っていると、前から稲穂が血相を変えて走ってくるのが見えた。

 いつも冷静に物事を判断する稲穂からは想像できない事だ。

「どうしたんだ。

 稲穂、そんなに慌てて」

「御所が、道雪ちゃんが務めている御所が燃えているの」

「な――」

「なんですって!」

「今、ヒサゴちゃんとサユリちゃん、カエデちゃんに御所ヘ向かってもらっているわ。

 道雪ちゃんと合流して火を消すように言っているけど、人でも足らない上どこから入ったのか鬼が紛れ込んでいるそうよ」

「鬼ですって!

 行平下ろて。

 私はもう大丈夫だからアンタに出来る事を全力でやりなさい」

「いや、でもお前足が」

「大丈夫よ。アンタと接触していたからもう足は治っているわ」

「本当だな?」

「疑り深いわね。

 私を信用しなさいよ。

 アンタの式神でしょ」

 まあそりゃそうだ。

 そこまで言われたならしょうがない。

 俺は素直に藤乃を下ろすことにした。

「下駄はどうしようか。

 店は閉まっているし、術で作くるか?」

 買ってやりたいのは山々だが、店が閉まっている。

 これでは買ってやりたくても買ってやることができない。

 もどかしいな。

「私は裸足で大丈夫よ。

 私はこのまま御所に行ってヒサゴ達と合流するわ。

 行平、アンタは御所を焼く炎を消しなさい。

 アンタなら出来るわよね?」

 そんな期待の込めた目で俺を見ないでくれ。

 俺だってただの人なんだぞ。

 ……まあ、出来ない事もないか。

「ふん。

 お前は俺を誰だと思っているんだ?

 お前の主だぞ。

 そのくらいやってのけないでどうする」

 藤乃は柔らかく微笑むと、空高く飛翔して屋根に飛び乗った。

「あてにしているわよ。行平」

 そう藤乃は言い残して、屋根から屋根へと飛び乗って御所へと向う。 


話に詰まってしまい四苦八苦してました。

黒鉄も同じような事で詰まっていて、更新が遅れました。

黒鉄も少し掛かりますがもう少しお待ちください。

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