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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
序章 神援者たちの章

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第6話 歓迎の効果音

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

 係長に言われあたりを見渡してみれば、僕が今いるのは巨大な図書館だった。世界でこれまでに発行されたすべての本が置いてありそうなほど大きい。大きすぎて、向こう側の壁は霞んでしまって、見ることが出来ない。


「ここは天上図書館。地上世界で発行された本だけじゃなくて、公的文書や漫画に雑誌、さらにはノートやメモまで文字が主体のものは全て納められてるの。天上世界は特殊な空間だから、この円形の図書館が永遠に広がり続けてもスペースに困ることはないわ」


 アルタさんがそう説明すると、係長がトントンと机の端を2回指先で叩いた。すると、次の瞬間には見覚えのあるノートを手にしていた。表紙には『十三番目の勇者』と書かれている。僕がこっそり書き溜めていた小説だ。非常に恥ずかしい。


「本はこんな感じに念じれば来てくれるから、わざわざ書架の前まで行く必要がないんだよ。……大丈夫、読まないから。その顔を見るに、黒歴史っぽそうだし?」


 決して駄作というわけではないが、セイに演劇で救われる前の病んでいた時期に書いたものだから、当時の自分が垣間見えて恥ずかしいのだ。


「そうしてくださると助かります」


「はぁ、あまり新人をイジメないの。次そういう素振り見せたら拳骨よ」


 そんなこんなで辿り着いた異世界転生観測係のオフィス。扉には「異世界転生観測係 図書館支部」と書かれている。別の支部でもあるのだろう。


 ちなみに僕の黒歴史本は係長が念じるなり、彼の手を離れて自身の収蔵場所へと帰って行った。どうにかして破棄処分する方法でもないのだろうか。


「アズマ君、君が扉を開けるんだよ」


 係長がそう言って僕の肩に手を置いた。


「別に緊張しててもいいのよ。扉の向こうにいるみんなだって緊張してるんだから。こうやって落ち着いて新人を招くのが初めてな人たちばかりなの」


 アルタさんはそう言って僕を励ましてくれた。


 緊張には慣れている。だから僕は勇気を出してドアノブを握った。ゆっくりと捻り、扉を内側に向けて開けた。


 パンッ


 何かがはじける音が聴こえ、咄嗟に目を瞑るも、頭の上に何かが降ってくる感覚でそれがクラッカーの音であることに気づいた。


 そっと目を開けば、係長とアルタさんを除いた8人のメンバーが待っていた。うち4人がクラッカーを構えていた。どうりでかなりの糸くずを僕が被ることになったわけだ。


「は、はじめまして……?」


 挨拶はこれで合っているだろうか?自信がない。挨拶をすれば、急かされるように背中を押され、ふかふかのソファに座らされた。他のメンバーはそれぞれ余ったところに席に着いたり、立ったままだったり。


「じゃあ改めて自己紹介をしていこうか。アズマ君からどうぞ」


 自己紹介タイムか。僕は自分よりも前のフォーマットに従うタイプだから1番は辛いな。


「僕はアズマです。演劇と読書が好きです。よ、よろしくお願いします」


 めちゃくちゃ無難になってしまった。でもきっと後々転校初日の転校生みたいに質問攻めされるだろうし、これで大丈夫なはず。この無難な自己紹介が失敗であれば、それもないかもしれないけれど。


「あっはは、やっぱりこんな大勢に囲まれると緊張するよね。じゃあ次は俺。異世界転生観測係の係長兼図書館支部長、ミスト。さっきまでみたいに『係長』って呼んでくれればいいよ。あとは大体さっき話したかな。よろしくね」


 係長のフォローに安心していれば、アルタさんも自己紹介をする。


「ミストの『相棒』、アルタよ。教育係をやってるからか皆から『アルタ姉さん』なんて呼ばれてるけど、好きに呼んでくれていいわ。『相棒』に関しては人間形態は仮の姿で、私は本来グリフォンなの。さっきのミミズクは動物形態ってやつね」


 確かに「姉さん」って呼び方が似合うかもしれない。僕もそう呼ぼうかな。

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


全知全脳システムはあなたの閲覧を歓迎し、今後もあなたのために情報の提供を続けます。

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