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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
アナザーシナリオ第一巻 『求冠者たちの物語』

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第8話 卒業

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

「そんなことを言われましても、私たち『相棒』には断る権利などないんです。人間に仕える、もしくはそのためにこの学校で学ぶことを条件に、私たちは生かされているのですからね」


 デフォルトが人間形態だから忘れてしまうかもしれないが、私たちは人間ではない。もちろん、人間と同等に接することのできる「相棒」もいると聞いたことはある。しかし、それはまれである。


「おや、聞いていたより頭が固いね」


 彼がそう望むのなら、言い返してやろう。


「じゃあ何ですか。こうやって私が貴方に反論してもいいって言うんですか。地上世界で生きてきた貴方なら知っているはずです。私たちは奴隷と大差ないのですよ」


「じゃあどうしてこれまた『相棒』なんて名前なのかな」


 私の口は、何かを言い返そうと開いたままになっているが、言葉は紡ぎ出されない。


「……そんなの、名前だけに決まっているじゃないですか」


 この言葉は彼に届いていたのだろうか。囁き声に近いかすれ声だけが口から漏れた。


「でも、本当の相棒関係を目指すことが規則違反になるわけではないよね?」


 どうにかしてでも私を「相棒」にしたいらしい。正直に言うと、理解が出来ない。私なんて、ただでさえ生き物の失敗作である「相棒」の中でも、従順ではいられないという失敗作。もっと良い相手がいたんじゃないかと邪推してしまう。


「でも私は……!」


 そう身を乗り出して反論しようとすると、扉の近くに立っていた教師が、私の目の前に手を出して、私の発言を制した。


「すみませんね、ミストさん。少しだけこの子を借りてもいいかしら」


 私は教師に連れられて隣にある別の応接室へと連れていかれた。


「実は、私が彼に貴方を推薦したの。もし不快に感じさせてしまったのならごめんなさい」


 そして、教師は私の両手をきゅっと握った。


「貴女はきっと、フェーレスさんの方が彼の『相棒』に相応しいだとか考えていたのでしょう?でもね、むしろフェーレスさんはとことん相性が悪いわ。彼が求めているのは、型にはまらない、論戦すらできてしまう『相棒』なんだもの」


 私は俯きながら教師の話を聞いていたが、その言葉を聞いて上を見れば、教師の瞳は優しさを帯びていた。


「先生はね、確かに貴方に厳しいことは何度も言ったわ。でもそれは、他の生徒や規律に示しを付けるためであり、別に貴方のことを変えてやろうだとか思っていなかったの。だからね、勝手に貴方を薦めたのは申し訳ないのだけれど、私がそれだけ貴方を信頼していると信じて欲しいの」


 教師からの告白。どうにかして私を彼の「相棒」にしたいわけではないということが、ひしひしと伝わってくる。


「先生、ありがとうございます。これもある種の運命。『相棒』が運命を歩むことは許されないかもしれませんが、この運命から外れないよう、誠心誠意役目を果たしてきます」

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


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