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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
アナザーシナリオ第一巻 『求冠者たちの物語』

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第1話 テスト返し

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

 キーンコーンカーンコーン


 チャイムが鳴る。いつも通り、「人間」の真似事。私達、神の造物「相棒」の命は神に握られているのだから、逆らうはずなんてないのに。大馬鹿者でなければだけど。


「あ……アルタさん、先生がテストを返すって。呼ばれてるよ」


 隣の席に座っていた少女に軽く肩を叩かれた。彼女に軽くお礼を言ってから、教卓へテストを受け取りに行けば、今回も教師は頭を抱えていた。


「アルタさん、間違ってはいないのだけれど、これは記憶して答えるテストなのよ。自分の意見を書くものではないわ。残念だけど大幅に減点してあります。意図を読み取れるようになりましょうね」


 教師はそれだけ言うと、すぐに次の生徒の名前を呼ぶ。私からの文句は受け付けていないらしい。本当に嫌になる。


 席に戻り回答用紙を見れば、間違っているのは教師から指摘された筆記問題1問だけ。大幅に減点したと言っていたが、1点たりとも点数は加算されていない。部分点のある△ではなく、根本から否定する✕。


「はぁ……」


 思わず漏れた溜息に、誰かが舌打ちで返答する。くだらない。


「ケット・シー、フェーレスさん」


 教師がその名を呼んだ瞬間、私の眉間には皴が寄り、教卓には視線が集まった。


「よく頑張りましたね。今回()満点ですよ」


 教室に広がるどよめき。その中には、納得するような声ばかり、誰も彼のことを恨めしいと言わない。そう思うのはきっと私だけだろう。


 フェーレスは祝う声にピースをしたり、手を振ったりしながら自分の席へと戻っていった。確か「人間」にあんな職業があったような気がする。正直興味はないけれど。


 正直言って彼が嫌いだ。いとも簡単に満点を取っていそうなところとか、私と違って割り切った考えが出来るところとか。ないものねだりということは分かっている。でも、私だって満点を取りたいし、1位になりたい。


 そうやって悶々としていたら、いつの間にかテスト返しが終わったらしい。授業が始まった。


「本日は、地上世界の人々が信仰している偽の神について。貴方達の誕生には本来の神が携わっているから知っているとは思いますが……」


 どうせ「相棒」はこの学校を出て、神に仕える人間「神援者(しえんしゃ)」と契約を結べば「全知全脳システム」を脳とリンクする資格を得られるから、こんなこと覚える必要なんてないのに。


 ただただ、教育について天上世界でも研究したいからと、その実験体として私達は使われているわけである。私達が「人間」じゃないから。それだけで、人間と同じように意思を持っていても扱いが異なるなんて馬鹿げている。正直「人間」も嫌いだ。傲慢な神も嫌いだ。死んでしまえるのなら、喜んで死ぬ。でもそれができないのが私達、「相棒」という生物としての失敗作。


 私は板書を紙に写し始めた。

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


全知全脳システムはあなたの閲覧を歓迎し、今後もあなたのために情報の提供を続けます。

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