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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
第一章 語り手の章

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第30話 猫かぶれの「相棒」

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

「えっと、はじめまして?」


 アルタ姉さんを追い出した元凶であるフェーレスという人物に僕はそうあいさつした。なんだか気まずいけれど。


「変なところを見せちゃったなぁ。ごめんね。はじめまして、ハリネズミくん」


「は、ハリネズミ?」


 さっきアルタ姉さんのことをミミズクちゃんと呼んでいるのは聞いたけれど、それは彼女の動物形態がミミズクだからだとばかり思っていた。彼は「相棒」と人間とを問わず動物の名前で呼ぶタイプなのかもしれない。


「あぁ、フェーレス君は彼と特別な関係を結んでいる人物を除いて基本的に動物の名前で呼ぶんだよね。……理由は分からないけれど」


 アルタ姉さんとフェーレスの喧嘩をにこにこ静観していた係長がそう口を挟んだ。


「さて、本題に入るよ。今回はアズマ君に賢者の石の欠片をあげようと思って君達を呼んだんだ」


 そういえばそんなことも言っていた気がする。


「あの、錬金術って代償があるんですよね?そんなに無理して僕の賢者の石の欠片を作らなくてもいいんですよ」


 僕にとってはそこが一番大切だ。彼らは今後も何百年と生き続けていくはず。特にマールス支部長は今ですらこんな状態なのに、これ以上負担はさせられない。フェーレスだってその代償があり、アルタ姉さんには理解できているようだし。係長については何も分からないけれど。


「そもそも、これはオレの研修の一環でね。オレには賢者の石の欠片を作った経験があまりないからオレを手伝うと思って遠慮しないで、ね?」


 フェーレスは安心しろとでも言うようにウインクしてみせた。係長もよくウインクをするよな。ちなみに僕は両目をつぶってしまうタイプである。


「わ、分かりました」


 ああ言われてしまえば、引くに引けない。


「じゃあ、まずはハリネズミくんの死因と天上世界に来るときに乗っていた舟に敷き詰められた花について聞いてもいいかな」


 僕はあの時のことを思い出した。なんだかんだ、まだあれからそんなに日にちが経っていない気がする。ここ数日が濃すぎて、だいぶ前のことのように感じてしまうけれど。


「死因は、フェンスの破損による屋上からの落下死だと思います」


 あんな簡単に壊れるものだとは思っていなかったんだけどな。今後「観測」で屋上に行ける学校に行ったときにはフェンスに寄りかからないようにしよう。


「それから、舟に敷き詰められていたのは係長によれば紫色のアネモネとのことです」


 それを聞いたフェーレスは満足そうにうなずいた。


「ならもうハリネズミくんに最も合う賢者の石の欠片は決まり。空気の大部分を占める酸素と窒素を操ることができるものが相応しいと思うよ。簡単に言うと『風を操る錬金術』かな。それに、アネモネは風とゆかりのある花だからね」


 成程。空気を構成する2つの元素を操ることが出来れば風を起こせるのか。風は結構便利かも。頑張れば飛べるかもしれないし、追い風を起こせば走るのにも有利。投擲系の錬金術・魔法の補助だって出来そうだ。それに、ファンタジー的に見て風の魔法は珍しいものじゃないし。


「ハリネズミくん、これでもいいかな?もし他に希望があれば聞くけど。それに、今後も観測に合わせた賢者の石の欠片があったらいつでも声かけてくれていいからね」


「はい、これでお願いします」


 僕が了承すれば、フェーレスは片手を上に向けて広げると、眩い光を放ちながら小さな石が生成される。これが賢者の石の欠片か。僕は魔法のある世界ではなく、僕が住んでいた世界を管理する場所にトリップしたので合っているんだよね……?

――ピピッ

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