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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
第一章 語り手の章

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第24話 勇者様への激励

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

「ユーならそう言うと思っていたよ。だからこの資料を用意したんだ、道中の罠をまとめた資料をね」


 ちょっと嘘を吐いた。ユーがここまで積極的だとは予想していなかった。いいや、僕が予想すべきだったのかもしれないな。


「ありがとう、アズマ!それに先生も」


 そう言ってユーは笑顔で資料を受け取った。


「僕達は明日、君達を見送ったらここを発つんだ。本当は君の旅を見届けたかったけどね……」


 僕がそう言えば、ユーは少し寂しげな顔をした。


「そっか……。一緒に旅をしたかったけど、アズマ達はお仕事で来てるんだったね」


 ユーは資料をぎゅっと抱きしめてから付け加えて言った。


「この資料をアズマ達だと思って魔王討伐の舞台に連れて行ってあげるね。いい結果を期待してて!」


 そう言ってユーは親指を立てて見せた。


「そしたら、俺にも勇者様に激励を送る栄誉を頂けるかな」


 係長の発言に驚いた僕が彼の方を見れば、大丈夫だとでも言うように、僕にウインクして見せた。


「えへへ、二人もの素晴らしい人から期待してもらえるなんて、俺は幸せ者だね」


 ユーのそんな発言にこの世界の残酷さを感じさせられる。この世界はある意味、勇者に期待をすることができなくなってしまった世界だもんな……。僕の心はひどく傷んだ。


「君の国では長年、勇者は魔王を倒すことができていない。倒せたとしても、魔王になってしまっていた。つまり、勇者は世界を救えない。そんな場所だった。でもね、俺は期待しているよ、ユー・スティシア君。君ならこの国を救えるって」


 ユーと係長は固く握手を交わした。


「明日は手を振り返すことぐらいしか出来ないと思うけど、他の人に振るよりも3倍くらい強く振るよ!あと、今いない3人にもよろしく伝えておいて。今後も研究頑張って!」


 僕もユーと握手を交わし、それから大男とも軽く会話をしてユー達の部屋を出た。そして、僕達の客室に帰ってきた。部屋に入った途端、どっと力が抜け、その場にへたり込んでしまった。


「だ、大丈夫ですか?」


 部屋に入ってから人間形態に戻ったリアスが心配そうに僕に声を掛けた。


「あはは、今回の作戦の中で一番の肝だったからかな。そりゃ終わったら力も抜けちゃうよ。でも、上手くいったみたいで良かった」


 ここから先は、アウクト氏の、ヴェスティとユーの力で乗り越えなければならない。僕達はこれ以上関わるわけにはいかないから。アウクト氏に会えない以上、これが正解かは分からない。でもきっと、彼なら、ユーが魔王城に行く過程よりも行った後の対話を重視するはずだ。


 その光景を直接見ることは敵わないけれど、期待しかできないけれど。僕は心から彼らを応援しよう。きっとこの「観測」という行為を続ける以上、今後も耐えていかなければならないんだろうな。

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


全知全脳システムはあなたの閲覧を歓迎し、今後もあなたのために情報の提供を続けます。

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