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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
第一章 語り手の章

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第22話 勇者は偶像

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

 街が近くなると、アルタ姉さんが地上へと降りる。そこそこの衝撃に思わず落ちそうになるが、ヴェルスが腕を掴んでくれたおかげでなんとか耐えることができた。


「あ、ありがとう」


「別に。怪我されたら走れなくなるだろ」


 ヴェルスはぶっきらぼうに答えた。アルタ姉さんとは別のタイプのツンデレなのだろうか。それはともかく、早くユーのところにいかないと。


「とにかく走るわよ」


 アルタ姉さんが人間の姿に戻り僕達に呼びかけた。門はすぐそこだ。衛兵の人に勇者選考がどのくらい進んでいるのか聞ければいいかもしれない。


「おや、皆さんそんなに急いでどうされたんですか?」


 門番は丁度昨日僕らを見送ってくれたあの衛兵だった。


「ごめんね、急で申し訳ないけど勇者選考がどこまで進んだか聞いても?勇者に渡したいものがあってね」


 係長が今すぐにでも聞きたくてうずうずしていた僕に代わって聞いてくれた。助かる。あと10秒でも遅かったら自分で聞いていたかもしれない。もちろん、教授の助手として出しゃばってはいけないのは分かっているけれど。


「あ、あぁ、勇者に会われたいのですね?実は昨日貴方達が出ていかれた後に決まりまして、今は広場近くにある宿に泊まって明日開催される壮行パレードを待っていますよ」


 衛兵はそう言うと、軽く僕達を手招きした。すると、小さな声で僕達に重大な情報を囁いた。


「実はここだけの話、もうこの街の人は誰も勇者に期待していないんです。あ、この話は外部に漏らさないでくださいね。うちの国の印象がもっと悪くなると困るので。それでですね、勇者が引っ張りだこみたいなことはありませんから簡単に会えると思いますよ」


 そういうことか。それに、広場の近くにある宿ということは僕達が使っている宿と同じかもしれない。帰ったら老紳士に確認して欲しいと係長に伝えておくか。


「それはともかく、壮行パレードはそれなりに盛り上がりますから楽しんでいってくださいね」


 衛兵はそう言って軽く手を振って見送った。


「随分と口の軽い衛兵君だったね~」


 宿屋へと帰る道中でそう切り出したのは係長だった。


「でも、いい情報を手に入れたわね。広場の近くには宿屋が多い訳じゃないからまずは私達が泊っている宿から聞いてみましょ」


 アルタ姉さんはそう言って、僕達を路地裏へと導いた。そして、「相棒」達は形態チェンジを行う。結構面倒くさいし、今後はお金がかかってでも大部屋に泊まらせてもらおうかな。


 そして、係長と僕が宿屋に入ると老紳士が驚いた顔をして僕達を見た。


「おぉ、帰ってきましたか。昨日帰ってこなかったもんだから、てっきり泊まり逃げしたのかと思いましたよ」


 その言葉に係長は笑って返した。


「あはは、ちょっと研究が捗ってしまいまして。現地に泊まってしまったんです。ご心配おかけして申し訳ない。謝罪の直後で申し訳ないけれど、昨日決定されたという勇者がどこに泊まっているかご存知で?」


 老紳士は待ってましたとばかりにやや興奮しながら答えた。


「そうでした、そうでした。話さなければと思っていましたよ。実はこの宿に泊まっていますよ、折角なので貴方達の隣に部屋へ泊まらせております。特に来訪者もおりませんし、今も部屋で休んでいますから訪ねてみては?」


 おぉ、ナイス老紳士。


「ありがとうございます。では、失礼」


 僕達は早速階段を昇ってユー達がいる部屋へと向かった。

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


全知全脳システムはあなたの閲覧を歓迎し、今後もあなたのために情報の提供を続けます。

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