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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
第一章 語り手の章

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第18話 その選択で決定しますか?

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

「もともとこれは侵入者向けに書いたものだし、渡さなくてもいいんじゃないか」


 初めに口を開いたのはヴェルスである。


「魔王を倒した者が勇者になるって情報は研究資料からも得られる情報だし、教会による洗脳だってそうだ。勇者にはこの2つの情報さえあれば十分だと思う」


 確かに。手紙の本質を見失っていた。


「確かに、ユーのような勇者は魔王と戦う前に魔王と対話するのがデフォルトみたいなところがあるからそこは心配しなくても良さそう」


 ああいう勇者って魔王を問いただしがちだと思う。どうして人間に危害を加えているのかとか、道中で失った仲間の仇を討ってやるとか。ただ、ヴェスティはほとんど何もしていないのが、対話における難点だ。


 確かにヴェスティは何人もの勇者を打ち負かしてきた。しかし、その行為は決して殺人ではない。何度挑んでも歯が立たないことによる諦めで「勇者」という立場にいられなくさせていたのだ。ただ、それに対してヴェスティは申し訳なく感じていたみたいだけど。魔王を倒せない勇者がどう世間に評価されるかなんて想像しやすいだろう。


 ユーは何と言ってヴェスティを問いただすのだろう。手紙を渡さないとすれば、ヴェスティが現魔王であることを伝えることはできない。魔王を倒せなかった勇者たちのメンツの話をするのだろうか。それとも、魔王という存在のせいで国交が盛んではないことを責めるのだろうか。それとも、理性があるのにどうして対話をこれまで行わなかったのか聞くのだろうか。


 ヴェスティの手紙から推察するに、勇者であるとはいえ、ユーは洗脳されていないから罠を発動せずに通してくれるのかもしれない。となると、二人の対話がどうなるか分からないとはいえ、「最終話」は罠というコミカルシーンを省いて彼らの対話で締めくくるのだろう。確かに、このエンディングはアウクト氏らしいかもしれない。


「確かに、『勇者あるある』ね。王道中の王道であるユーは必ずそうするでしょう」


「まぁ、彼を含むこの何百年もの世代はヴェスティによる被害なんてものはほとんどないから何を対話するのかは気になるところだけどね」


 係長も気づいていたみたいだ。勇者が魔王を問いただす王道展開になったとしても、魔王側が王道ではない以上ここから先は読むことができない。


「ここは、アウクト氏を信じましょう。アウクト氏が描き続けたヴェスティさんと、本来のエンディングで活躍する予定だったユーさんを」


 確かに、リアスの言う通りだ。僕達はあくまで本来のエンディングを導くための道しるべであり、ヒントをくれる「お助けNPC」のような存在だ。この手紙は僕達の心の中にとどめておこう。ヴェスティとユーがアウクト氏の望む結末を迎えてほしいという願いとともに。


「確かに。じゃあ、手紙の件は『渡さない』に決定で。各自ユーに渡すための史料づくりに精を出しましょう!」


 思わず、リーダーぶってしまった僕は慌てて係長のほうを見るが、彼は気にしないでとでも言うように笑顔を向けてきた。嫌がっている圧力を込めた笑顔ではないはずだ。たぶん。

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


全知全脳システムはあなたの閲覧を歓迎し、今後もあなたのために情報の提供を続けます。

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