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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
第一章 語り手の章

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第4話 錬金術はフィクションじゃない

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

 僕達は小屋の中に入った。小屋は長年使われていなかったのか、埃まみれでとても座れたものではない。とりあえず、扉と窓を開けて風の通り道を作り出す。


「ここは俺に任せて」


 すると、急に部屋の中で風が立つ。その風は、部屋中の埃を連れて去って行った。さらに、暖炉に火が灯った。まるで係長がフィクション世界の人物じゃないのかと錯覚してしまうような行為に、開いた口が塞がらない。


「うふふ、凄いでしょ?これは魔法もとい錬金術。地上世界でも使うことのできる秘術だよ」


 地上世界でも使うことが出来る?どういうことだろう。僕は見たことがないし、こんなの物理学に反している。


「魔法のことは私よりも詳しいプロが遊園地支部にいるから、そっちに聞いた方がいいわ。マールスとその弟子の猫かぶれならどっちも上手く教えてくれるはずよ。まぁ、ミストを含めたこの3人だけが錬金術師なのだけど、ミストは誰かにものを教えるのが下手だから」


 気になるが、今は誰も教えてくれないようだ。というか、さりげなく「弟子の猫かぶれ」なんて悪口を言っていたけど、アルタ姉さんに嫌われるなんて一体どんな人物なんだろう。語尾に「にゃん」が付く痛いキャラとかだろうか。ちょっとだけ気になる。


「せっかくだから、この観測が終わったら連れて行ってあげるよ。きっとアズマ君にピッタリの『賢者の石の欠片』をくれると思うよ」


 また新しい知識が……。今日だけで1年分の常識知識を浴びた気がするのは僕だけだろうか。というより、本当はもう何日も経っていたりして。


「『賢者の石の欠片』は簡単に言えば特定の錬金術式を保存して、誰でも簡単に使えるようにするUSBみたいなものよ。例えば、アムネシアは炎を操れるもの、リエンとエクエは水を操れるものといった具合にそれぞれ違った賢者の石の欠片を持っているわ」


 アルタ姉さんの説明はやはり分かりやすいな。


「フィクション世界の中には魔法がメインの世界もありそうですもんね。助かります」


 それに、銃が世界観にそぐわないフィクション世界へ観測に行くことも今後はきっとあるだろう。その時に行う戦闘の選択肢が多いというのは助かる。


「そうだ、錬金術師というのは、僕にでもなれるんですか?」


 特定の錬金術を使うよりも、色々な種類の錬金術を使えた方がきっと観測もはかどるに違いない。


「いや、やめておいた方がいい」


 そう口を出したのはヴェルスだった。


「錬金術の使用には代償が伴うというのは、フィクションでもよくあることだ。地上世界でも天上世界でもそれは変わらない。係長の代償が分からないせいで事例は二つしかないが、共に『一番強い感情』が代償だと俺は予想してる」


 リアスも言葉を続ける。


「確かに、マールスさんは過去の記録と比べて注意力と言いますか、危機感・敵意といったものがかなり失われているように感じます。知らない人から見たらただのドジっ子なので、観測先で違和感を感じられないのが幸いでした。フェーレスさんは……、それに関してはアルタさんが一番詳しいかと。話したくないとは思いますが」


 となると僕は……演劇への興味・関心・信頼といったものを失うことになるかもしれない。それは観測にもきっと不利になるはずだ。ただ、錬金術の代償が本当に感情なのであれば、賢者の石の欠片も断った方がいいのだろうか。


 正直、係長の代償もかなり気になる。誠実に接する気持ちとかだろうか。胡散臭いし、意地が悪いから。もしくは、失っても誰も気づけないものとか。期待や、片想いといったものが挙げられるかもしれない。いや、係長が片想いはないか。

――ピピッ

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