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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
第一章 語り手の章

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第3話 実践チュートリアル

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

 気持ちの良い風が頬を撫でる。排気ガスや工場の煙を全く感じない自然の空気だ。思わず深呼吸をする。とても心地が良い。


「あんた達、付近の偵察に行くからついてきなさい」


 静寂を破ったのはアルタ姉さんだった。以前図書館で見たミミズクの見た目になる。リアスとヴェルスはそれぞれ鷲の姿になった。そして空高く飛び上がっていった。


「アルタ君はね」


 係長が微笑ましそうに上空のアルタ姉さん達を見ながら話し始める。


「こういう時の偵察はグリフォンの姿で行うことがほとんどだけど、あの子達の為にグリフォンと比べて不便なミミズクの姿をとっているんだよ。双頭の鷲は意気を合わせないとまともに動けないからね。今の彼らには無理」


「アルタ姉さんが皆に慕われる理由がよく分かります」


「うん、俺の自慢の相棒。いい加減もっと自己評価を上げて欲しいけどね」


 係長は嬉しそうに答える。そうしているうちに、偵察に行っていたアルタ姉さん達が、帰ってきた。


「近くに小屋がありました。町と魔王城との距離の間ぐらいでしたし、拠点として丁度良いかと」


「魔物はいるが、腕試しに丁度良さそう……って程度だ」


 僕の「相棒」達の偵察によれば、僕達は丁度良い場所に降り立ったようだ。


「2人ともありがとう。じゃあ、早速小屋の方へ行こうか」


 係長はそう言ってずんずんと森の中へ入って行った。僕も追いかけるように獣道すらない森の中をかき分けながら進んでいく。


 虫も動物もおらず、僕らが歩く音しか聞こえない。魔物との距離もまだまだありそうだ。魔物が息をひそめている可能性はあるかもしれないけれど。


「はーい、ストップ」


 係長が僕の目の前に腕を出し、歩みを止めさせた。


 少し先に開けた場所があり、そこには漫画でも見た覚えのあるからくりのような魔物が徘徊していた。


「実践訓練といこう」


 一度リアスとヴェルスと目を合わせてから手を構えれば、先程と同じ銃が手に収まった。魔物を見れば、ターゲットマークが現れる。銃口を向けて引き金を引いた。


 軽い銃声を鳴らし、銃口から飛び出したのは、銃弾ではなくエネルギー弾のようなものだった。弾は魔物に当たり、魔物は破片となって飛び散った。


〈アズマ、今からが本番だ〉


 その瞬間、残った魔物が一斉に僕の方を向く。深呼吸をしてから一度息を止め、集中モードへ入る。そして一匹ずつ的確に仕留めていった。距離を詰められないよう、時々後方に注意しながら大きくバックステップをしてみる。


 演劇部時代にやったことがある殺陣の経験が活きている気がする。


〈敵が背後に!〉


「最後の一匹!」


 瞬時に振り返り両手で一気に2発撃ちこんだ。魔物はバラバラと崩れ、その場に小さな山が出来た。あちらこちらにそんな山が散らばっている。漫画での描写通り、魔物の死体は消滅しないようだ。


 この世界において、魔物が消滅するということは、魔物を創造した際の生命力が魔王に返還されることを表す。ヴェスティの研究記録によれば、魔物を倒せば倒すほど魔王が強化される傾向にあったようだ。彼の場合は生命力を底つかせたいため、魔物は消滅しない。


「みんな、お疲れ様」


 遠くから僕達を見ていたアルタ姉さんと係長が合流する。


「流石俺が見込んだだけあるね。息ぴったりだったよ」


 係長も僕らを褒める。何故か自画自賛も含まれているが。


 武器形態から戻ったリアスとヴェルスに僕は両手を向け、ハイタッチを求めた。リアスは嬉しそうに応じ、ヴェルスは少し不服そうながらも軽く手を合わせてくれた。しかし、2人の手が合わさることはなかった。

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


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