追加
生前、私幸臼井は悲惨な人生だった。
父と母はギャンブルと酒が好きなネグレクト野郎だった。
愛を知らずに育った私は笑い方もわからず親のために盗みを日課にしていた
盗んだものは全て親に奪われ私はその残飯を漁ることで何とか生きていた。
窃盗を見つかった時は見捨てられついには捨てられた
責任を取りたくないらしい
故に捨てて私だけが裁かれた
更に裁かれる先も問題だった
普通なら裁判や公的な機関を通すのが普通だが私はそこそこ利用価値があると考えた連中によって男たちの性欲のはけ口にされた。
男達は山賊や表社会に馴染めない連中ばかり、故に悟ってしまった。
私は親に金で売られたのだと。
貪る男たちに抵抗もせずただ受け入れるマグロになった
すると反応がないことに飽きた男達が次々と去っていく。
これだけはある意味幸運だった。もしも反応がないことでサディスティックな仕打ちをしてきていたらさすがに耐えられそうになかった。
大人達の取引によって裏の人間に売られた私はそうやって切り抜けていき興味を失った隙をついて全力で逃げ出した
だが、不幸なことに逃げた途中で車に轢かれ死亡。
私の人生は何も楽しいことを知る前に幕を閉じてしまったのだ
そんな私がなんと公爵家の家の一人娘として生まれた。生まれた時から過去の記憶を持っておりまた始まるのかとうんざりしたものだ。
とはいえ、この家の人達とんでもなく善良な人達で私のこともそれはもう甘やかしてくれる。
貴族の当主でありながら仕事ができイケおじの父は娘の私にはデレデレで母とも仲がいい。家族を大切にしているのが見ていてよくわかった。母は母性溢れる巨乳美人で銀髪がとても美しい。
そして私の姉妹の姉は天真爛漫で明るい女の子。私と母と同じ銀髪で5歳離れているそうだ。彼女もお姉ちゃんになれたことが嬉しかったのかそれはもう甘やかしてくれる。
愛情を全力で注いでくれるこの人達に最初は戸惑ったが初めて感じる暖かで優しい温もりに嬉しさを感じた。
前世とは違って愛情をくれる家族
それがどうしようもなくうれしくてうれしくて泣いた。ぎゃああああぎゃああああと泣きまくった
そんなあたしにアタフタとあやそうとしてくれる優しい家族に使用人
みんな優しい 幸せ過ぎてまた泣いた
ごめんよみんな 泣いてるけどこれ嬉し涙なんだ
悲しいわけじゃないんだよ
赤ちゃんだからわからないかもしれないけど私は凄く嬉しいんだ
だから心の中で言わせてね
私に暖かな愛情と幸せをくれてありがとうと。
大泣き騒動から数日後
相変わらず家族が頻繁に顔を出しに来る
私の部屋は私専用に作られており私とお世話係のメイドのマリーしかいない。
おっぱいが必要な時は乳母ではなく母が自らきて飲ませてくれる
母は忙しいはずなのにこれだけは欠かさないし誰にも譲りたがらない
母性の化身のような人だ
そんな母のおっぱいを飲んだ後はゲップをさせてもらい少し遊んでもらったあと寝かしつけてもらう
私が欲しかった愛情を全てくれる母ちゅき
でも母よ、父と仲が睦まじいのはよろしいが私の前でイチャつくのはやめてくれ
私意識あるから恥ずかしいったらありゃしない
でも仲良い夫婦というのはとてもいい事だ
2人がイチャついてるとメイドのマリーが相手をしてくれる
小さな手でマリーの指を握ると喜んでくれるから好きだ
家族だけでなく使用人も優しいからついつい愛想を振りまいてしまう
愛されたいから甘える
ただそれだけだが前世で愛されなかった私にとってとても重要なことでもあった。
私いいところに転生したな
神様には感謝しなきゃ
とはいえ、赤ちゃんの成長はびっくりする程早い
この幸せな一時を大切に生きないとだめだ
とりあえず屋敷の人全員に愛されたい
それが赤ちゃんである私の第一の目標となった
半年後
生後半年ということもあり少しずつ動けるようになってきた。この半年間で屋敷の人全員に合わせて貰いいっぱい愛情を貰って育ててもらった
まぁ、たまに心配性すぎるみんなに困ることはあるけど嫌ではない
私のことを心配してくれてると思うととても嬉しい。
優しくしてもらった人にちょっとしたお礼をするようにしたら引くほど喜んでくれた
大したものあげたわけじゃないんだけどなぁ
従業員一同思い出日記と宝箱(私から貰ったもの)を持っているらしい
まるで親が何人もいるようだ
私はこれからこの人たちに恩返しができるように生きよう。
このたくさん貰った愛情を返してあげたい
喜んでほしい
だから私はみんなのために頑張ることを決意した
2日後
雑談して得た情報によるとこの世界には魔法があるらしい。その魔法を使うための魔力なのだが子供の頃から鍛錬していると魔力量が増えやすいとか。
というわけで魔力を増やすために魔力循環を密かにすることにした
繊細な作業だが確かに魔力を感じる
最初は魔力の塊が身体の中を巡るイメージをして慣れてきたら細かくして血管をイメージして魔力を流す鍛錬を続けた。
この鍛錬は24時間ずっと行った。
周りにはバレないようにこっそりと
繊細ででも激しく動かしたりもした魔力の動かせる場所も色々変えてみた
すると魔力が増えていることに気付いた
身体中に暖かな魔力が流れているのがわかる
外に放出することもできるようになった
細かい動きから慣らしていったため放出する量を間違えることもなかった
魔力には上限があるため身体の中の魔力壺をイメージして残量をチェックできるようにした
出しすぎると魔力酔いなるものになるらしいので最前の注意を払った
脱力感が半端ないらしいから下手したら家族を心配させちゃうからね。
魔力管理は徹底した
そして一番難関と言われる属性変化
結果的にいえばイメージがしっかりしていたらしく簡単にできた
火水氷土風雷光闇があるらしいけど全部できてしまった
やる前に聞いた話だと全属性持ちは激レアらしいから下手に吹聴しないようにしようと心に誓った
そうこうしてるうちに魔法の使い方初級編は半年とちょっとでマスターしてしまった
更に半年後
一歳になった
誕生日は盛大に祝われたがぶっちゃけパーティのせいですごく疲れた
まだまだ赤ちゃん並の体力のためすぐ眠くなってしまうのだ
魔法は習得(初級)したけど次は身体かな
でもムキムキの赤ちゃんにはなりたくないから動ける範囲を歩いたりして少しずつ体力付けよう
ちなみに一歳になる前には歩けるようになりました
案の定パーティを開かれそうになったけど家族だけのパーティに留めてもらった
言葉はまだ拙いが一応伝わるようになってきた
名前を呼んだだけなのに泣かれた時はどうしようかと思ったけどみんなの優しい性格を知っていたので笑って誤魔化した
数日後
一歳のお披露目会をしたせいか同年代の子が遊びに来るようになった
私の同じ貴族の娘でおっとりした女の子だ
パーティの際仲良くなったのだが当然のようにお姉ちゃんも一緒だ
お姉ちゃんは彼女のことも気に入ったらしく私共々よく面倒を見てくれている
彼女もお姉ちゃんができたみたいで嬉しいらしく喜んでいたからよしとしよう
でも父母が私達の写真を撮りまくってて落ち着かないのは困りものだ
愛故だから許しちゃうんだけどね
子爵の娘エリーナちゃんは、赤髪のセミロングの女の子だ
私と同じぐらいの身長だが騎士の家系らしく幼いながら剣の道を歩みたいそうだ
今はまだおもちゃの剣しか持たせて貰えないがゆくゆくは立派な女騎士になりそうな予感がする
だってこの子普段はほんわかしてるのにおもちゃの剣を持つとキリッとなって性格変わるんだもん
絶対天才だよこの子
まぁそれだけでわかるものじゃないってのはわかってるけどこの歳で騎士を夢見てる時点ですごいと思うんだよね
私なんて何になりたいとか全く決まってないのに
ちなみにお姉ちゃんは、既に訓練を初めておりゆくゆくはあらゆる武術を習得して可愛い妹を守るそうだ
理由が私という時点で母の血を濃く継いでると思ったよ
私だって魔法なら使えるけど年齢的にまだお披露目できないのがちょっと辛い
でもいざとなったら使うことを躊躇わないけどね
2歳になった頃
ようやく子供らしく立って走り回れるようになってきた
言葉もしっかり話せるし伝わる
赤ちゃんから卒業できたといえる
でも周りからは相変わらず変わらない甘やかし攻撃を食らっており大きくなったからと言って愛情が減ることはなかった
前から思ってたけどここの人達愛情深さについては尊敬に値する
全くブレない愛情ってすごく安心する
私もつい甘えちゃうんだけど鍛錬は怠らないようにしないと
身体も大きくなってたこともあり少しずつ剣術や体術にも手を出すようになった
これはコーチの元指導してもらってるよ
今の時期に身体を作ることは大切だとかで快く受け入れて貰えた
とはいえやるのは子供に合わせたメニューなんだけどね
でもこのおかげで前よりスムーズに身体を使えるようになったから意味がない訳では無い
慣れてきた頃ぐらいから3人でこっそり追加メニューやったりしてるから成長はかなり早い
特に姉がかなり強くなっていたので相手をしてもらうことで私達も強くなれた
ちなみにエリーナちゃんは剣を持たせるとやばいのは変わらなかった
姉ですら1本取られるほど才能に溢れている
剣のエリーナ
武術の姉
魔法の私
といったところだろうか
保護者一行は私達を心配しまくっているが気にしない
だってこれはあなた達に恩返しするためだもの。私はそのためなら必ず強くなる。
強くなれた暁には皆を守れるんだ。
それが今の私の目標
私だけだと不安だけどエリーナとお姉ちゃんもいる
頼もしい仲間がいるというのは安心できるものだ
そして5歳になりました
エリーナは剣術を免許皆伝
お姉ちゃんはあらゆる武術のマスタークラス
私は賢者と呼ばれる天才キッズ達になっていました
全属性魔法を使えることをお母さんに告白したら案の定騒ぎになると注意されたが既に全属性極めていたので賢者ってことにしようと落ち着いた
あまりにも若すぎる天才キッズ達に世間は驚いたが悪さをしてくるやつは一人もいなかった
いや、正確にはいたのだが、我らが守護騎士の皆さんが先回りして潰してくれたようだ。
私が強くなっても過保護なのは相変わらずだった。嬉しいような照れるような。
「でもこれで晴れて私達も冒険者になれるね!」
「騎士になるまで実績積まないといけませんからね」
「お姉ちゃんはどこまでもついていくよ!」
三者三葉だが、騎士になれるのは16歳なのでそれなりに長い冒険者期間になるだろう。
離れるのは寂しいが今のうちにいっぱい思い出を作ろう。