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密息(みっそく)
密息
うるうしの奥底に潜む息は
ヒヤリと
ソヤリがいる
暗闇に居る息はゾッとするけれど
落ち着けば息はホッとする
気づけばホがホカホカと
増えていき
ヒヤリを歓迎する
生宮の住むところもヒヤリが
うるうしから踊り出たヒヤリノソヤリは
ヒヤリを巻き込み
渦巻いて
ソヤリと鳴る
道に豊かなヒヤリとソヤリ
むかえて
のみこむ
どくどく鳴る鼓動に
えも言えぬ
走り雷
あっと驚くすきもなく
気づけば君がヒヤリノソヤリ
イキ吸うごとに
背骨曲がりの
自然の翁
合点ゆく
なるほどそうであったか
理楽すること覚えたなり
ヒヤリノソヤリは
ソヤリノヒヤリに
なれない
なってしまえば
ひえひえの
ひやひやで
死に絶えたう
ヒヤリノソヤリ
延々続く神の息(道)
向こう勝手の手前勝手は
お登り遊ばせ
銭稼ぎの泡銭で
ぶっちゃらちゃん
ヒヤリノソヤリ
内の中から
新たなヒヤリノソヤリ
息するごとに
新たなヒヤリノソヤリ
クルクル回る
ヒヤリノソヤリ
うずまきこのまききみのまきにて
ヒ ヤ リ ノ ソ ヤ リ
杉乃中かう 拝




