富士を攻略
松風が生み出す夜明け山越えて
昼の時代となる日が誘う
山登る今は麓なり
光は見えているだがまだ暗い夜明け前
一番暗い
都市部から見る山には私たちが登っているところなんて見えはしないだろう
ましてや私たちの足跡など気にも留めない
こんなにも輝いているのに
多くのニンゲンは人工の光を好んでいる
私は内なる光を放ち山頂へと足跡を刻む
一歩一歩噛み締める
口元は笑っているがね
一人ひとりの道は私たちには光に満ちているのが見える
仲間であり
同志であり
家族であり
兄弟姉妹である
誰一人同じ道を辿ってなどいない
けれど
私たちは一つの星
一つの銀河
一つの宇宙の中で共に歩みを進めている
あの星が綺麗だ
励まされ勇気づけられる
あの星は私が辿った足跡を見ているだろうか
なんて
上を向いて歩く
時折り進んできた道を振り返る
そして後ろから来ている者がいるかを気にする
一息ついて無言になり
また歩みを進める
富士は晴れたり
白けてきた世界は
私たちの輝きと同じくらいの光を放ち世を照らしている
私たちには恵みの光だ
ニンゲンにはそうは思えないだろうがそれも次第に恵みの光を理解できるようになっていく
なにしろ理解できる頃には山は私たちが登り開拓し平らになっているのだから
光は当たるすべてに
夜が明けた
昼のようにすべてが光る
日のように照らすすべてがそこにあった
杉乃中かう 拝




