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第25話 クロスドリアの屋根にて

  クロスドリアの屋根には受けた雨魔力を街の電力として変換する特殊なパネルが敷かれている。そのパネルは一般的なサイズの雨粒なら電力へ変換できるのだが、威力がある物だったり接触する面積が小さいと、電力への変換が間に合わず壊れてしまうのである。


 信介、信彦、ノアの三人は市長からの依頼を受けて、昨日の雨で壊れたクロスドリアのパネルの修理を手伝っていた。


「岩が降ってくるなんて安心して過ごせたもんじゃないな…」

「そういう時はここみたいに頑丈な建物や雨宿の地下にでも避難するんだな。おいノブ!工具箱の三段目に入ってる黄色のドライバーを取ってくれ」

「はい、どうぞ。岩もそうだけどさぁ、今日は蛙だぞ。連日ファフロツキーズなんて退屈しない世界だ」

「こうして毎日異常な雨が続くのは凶兆っていうからな。気を付けろよお前ら」


 天気予報では今日一日、ネバネバカエルが降り続ける。ガードコートを着た三人は蛙の衝撃に耐えながら作業を続けるが、そもそもソレを見るのも嫌な女子メンバーはクロスドリア内で清掃を行っていた。




 ノアが割れたパネルを取り外し、信介と信彦がそこへ新しい物を設置。その作業を繰り返していき、やがて彼らに割り当てられたエリアに存在するパネル全ての交換が完了した。


「最近こういう事ばっかりやってるような…なあ、英雄の武具は集めなくていいのか?」

「いつかは全部揃えるさ。雨靴が置いてある研究所には仲間が調査に向かってる。だけど傘を持つゾルマは神出鬼没だし、雨合羽を持つ竜人がいる大地に行くロケットも製造途中。今の俺達に出来るのは、こういう肉体労働で人助けしつつ身体を鍛えるぐらいってわけだ」


 ノアは工具を片付けながら信介の質問に答えた。


「ロケットなんか造ってるのか…そいつを使ってレインランドから出られないのか?」

「この国を包む封印雲は島から出ようとする物を発見すると容赦なく攻撃してくる。ロケットで逃げ出そうなんてしたら雷やら雹でやられちまうよ…一体雨天皇は何を思ってこの国を封印してるのかねぇ」


 こうして蛙が降ってくるのも、雨天皇が発生させた封印雲が原因だ。




 この世界へ来たばかりの信介はいじけていた。しかし雨天皇を憎み涙を流したレイラのためにも、それを倒して空を見せる事を約束した。その事は忘れていなかった。


「ノア、他にもクエストがしたいんだけど、良さげな物探してくれないか?」

「おぉ、熱心だな。それじゃあ一度戻って、何か為になりそうな物でも探してみるか」


 雨天皇を倒すためにまず強くなる必要がある。そう思った信介はこれだけの仕事で満足する事なく、新たなクエストを受けるのだった。

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