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第20話 モンスターの巣窟へ

 カミューの村の住民が石材集めに利用していたイザベルの洞窟はモンスターで賑わっていた。


「お~お~派手にやってんな。どうだ調子は?」

「ノアァ!よく来てくれたな!調子はどうかって?ご覧の通り、俺達の洞窟はモンスターの巣窟になっちまったのよ」


 ノア達がいるのは、洞窟の入り口を抑えるように建てられた土壁の後ろだ。ノアが知人と話している近くで、信介達は突撃前のウォーミングアップをしていた。


「レイラ、またお兄さんの傘借りるぞ」

「どうぞ。後方支援は私達に任せてください」

「気を付けるんだ。きっと洞窟には地上で活動する群れよりも沢山のモンスターが潜んでいる。勢いだけでは──」

「信!レイラァ!ナナァ!準備出来たか!?」


 ノアがGCを格好よく脱ぎ捨てる。脱ぎ捨てられたGCは風で飛んでいく前に、近くにいた村民が回収していた。


「ノアさん、作戦は?」

「俺は外で待ってる。お前達は洞窟の中にいるやつらを片っ端から倒してこい。ダンジョンじゃないからそのうち尽きるはずだ」

「はい………えぇ!?そんなの無理ですよ!」

「どうして来てくれないのさ!」

「洞窟から逃げ出してきたやつらを倒すのが俺の仕事だ」


 本当は怖いのでは。そう疑いの目を向ける信介だったが、彼の実力は嫌というほど分かっていた。


「行こう二人とも。ここで留まってても仕方がない」

「…ですね。村の防壁を建てるためにも、ここの洞窟を取り戻さないと」

「暗い場所は苦手なんだけどな…」


 ナナは掌から灯りとなる光の玉を3つ召喚して、各々に追従させた。


 洞窟のそばまで近付くと、中から巨大な虫のモンスターが這い出てきた。


「ニードルタイガーセンチピードです!素早い動きで突進してきて、身体から生やした鋭い針で刺してきます!」


 巨大なムカデ達は一斉に、正面の信介に突進していく。

 信介はその場から動かず、一番手のムカデを掴んで止めると、後から来た連中を薙ぎ払った。


「凄い怪力!」

「前よりも力が…」


 怯んで動けなくなったところを、ナナ達がトドメを刺した。

 ナナは魔法の弾、レイラは畳んである傘の石突きから発射される弾丸からだ。


「まだまだ来る…だったらこうだ!二人とも、先に行くぞ!」


 信介は地面に転がっていた巨大ムカデの死骸を抱えた。そして鋭い針の生えた背中を正面に向け、洞窟の中へ突撃。出迎えのモンスター達を串刺しにした。


「待ってください!」

「ダンジョンではないけどモンスターのテリトリーだ!無茶はダメだ!」


 レイラ達は信介と離れ過ぎてしまわないよう、急いで洞窟の中へ突入していった。

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