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第16話 水車の回るカミュー村

 クロスドリアを出発したノア達は雨宿で一晩過ごし、次の日の昼頃に目的地の村にやって来た。


「水車が沢山あるぞ!なんだこの村は!?」


 信彦が驚くのも無理はない。その村の建造物には、一家に一台と言わんばかりに水車が取り付けられていた。さらに村の中心部へ行くほど地表が低くなっていき、中心には巨大な機械と融合したビルが建っていた。


「ここがカミュー村だ。そんで中心のあれはこの国唯一の横回転式発電水車だ」


 この村には中心地に向かって流れる川がいくつもある。川の勢いはどこも弱いが、4か所ある合流ポイントで力を合わせることで巨大な水車を押し回しているのだ。


「ところで川の上流…変な窪みから水が溢れてるけどあれは?」

「専門家じゃないからそんなところまで分からん。それよりも俺達の仕事はこの村を守る事だ。行くぞ」


 信彦達はカミュ―村の防壁建設開始地点へ向かい、そこでクエストの依頼者である村長と面会を果たした。


「来たぜ、カンザシ村長」

「おぉノア!久しぶりだな!」


 ノアは大男カンザシと握手を交わした。かつてノアはモンスターに攻め込まれたこの村を守るために戦ったことがあり、二人はその時に知り合ったのだ。


「来てもらったところバッドな話で悪いが、予定よりも時間が掛かりそうなんだ。だから1週間じゃなく10日ほどここにいてもらう事になるが大丈夫か」

「別にいいが、何かあったのか」

「建材集めに苦戦しててな。石材を掘るための洞窟にモンスターが住み着いたんだ」

「そうかモンスターか…」


 洞窟の救援にも行きたいが、ここを手薄にするわけにはいかない。そこでノアは村の防衛と洞窟のモンスター討伐を行う2つのチームを編成した。


「俺と信介とレイラとナナでモンスター討伐。ノブとプレッツ三姉妹で村の防衛だ」

「ちょっと待った!俺達村の防衛が目的だよね。なのにリーダーがモンスター倒しに行っちゃうのかよ?」

「モンスター倒して石材を手に入れないと建設も進まないだろ。それにお前にはリーダーの素質がある。聞けば姉妹とナナを引き入れたのはお前だそうだな。ナナはともかく、盗賊だった姉妹が素直に仲間になったんだ。お前はそういう器なんだよ」

「え?本当?」


 信彦、チョロい。ノアが話したのは紛れもなく本心だったが、煽てられているとかそういう疑いを一切持たず、信彦はこのチーム分けに納得したのだった。


「オーケーオーケー!村の防衛は俺に任せとけ」


 戦力を分散するということもあって、レイラは兄の形見である傘ともう1本自分用の傘を取り出すと、傘立てリュックを信彦に託した。


「それでは行きましょう。万が一敵が攻めて来た時は頼みましたよ」

「おうよ!」


 こうして二手に分かれた一行は、村の防衛とモンスター討伐に挑むのであった。

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