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タイトルマッチ

 早急に解決しなければならない問題は、リーンやジョンマンたちによって解決した。

 ボヤから始まり大火事に発展した霊障は、発生源を潰すことでボヤに戻ったのである。

 リーンが帰国し、その報が第一王子に届いたことで、各地の兵士たちの任務も通常に戻った。

 ここから大火事に戻る、ということはあるまい。


 一行はようやく、執政者であり失政者、第一王子の元へ向かうことになった。

 ルタオ冬国の首都、その城。

 国王のおひざ元である大都市を行進し、大勢の人々から感謝の歓声をうけながら、彼らは入城を果たす。


 ルタオ冬国の城は、ドザー王国の城よりも大きかった。

 ひざ元である城下町もまた広大であったため、何倍も巨大であるかのように見える。


 正直に言って、第一王子に会うのが怖かった。

 何一つとしていい材料がないのだから、仕方ないと言える。

 しかし会わないと始まらないので、一行はとりあえず会うのであった。


「え~~、ごほん! 第一王子の婚約者にして、公爵令嬢、リーン殿下がお戻りあそばされました!」


 一行が案内された場所は、パーティ会場であった。

 その中には大勢の貴人が待っており、拍手で一行を迎える。

 中央に待つ人物こそが、第一王子であった。


 第二王子シラカンパや第三王子アサリナイは、背が高いものの体は細かった。

 対照的に第一王子は、とてもたくましい体つきをしている。

 そのうえで顔は美形である。イケメンぞろいの兄弟であった。


「リーン……リーン!」


 大勢の人の前で、彼は走り出した。

 周囲の貴人と比べても、ひと際豪華な服を着たまま、リーンに抱き着く。


「トラマダラ!」


 普通ならドン引きするぐらいの奇行なのだが、奇行ぶりで負けるリーンではない。

 彼女も結構な礼服を着ているのだが、大喜びで抱きしめ返していた。


「いいのかなあ……」

「ま、まあ婚約者だしな……」


 貴人でも何でもないコエモとしては、この状況が望ましいのかどうかもわからない。

 ジョンマンはどうかと思っているが、二人が婚約者であること、行方不明であるリーンが生還したことを想えば不自然ではない。


 周囲を見れば『下品だなあ』という顔をしている者たちも多いが、とがめるほどでもないので黙っている様子である。

 全員見事なほどに、大人であった。


「リーン……!」

「トラマダラ……?」


 そんな限界ぎりぎりのラインを進んでいるトラマダラは、会場のど真ん中で唇を奪っていた。

 流石にどうなんだ、と全員が注意する言葉を探していたが……。


「いきなりどうしたの?」


 肝心のリーンが、まったく反応しなかったので、逆に鎮静化していった。

 犬に顔を舐められたって、ここまで無反応ではないだろう。

 唇をぬぐうこともなく、非常に普段通りであった。

 羞恥心とか性欲がないのではないかと、疑問視するほどである。


「相変わらずだな、君は……」

「それで、私は貴方に話があるのよ!」


 抱きしめられたまま、リーンは話を切りだした。

 密着状態であるのにもかかわらず、割と真面目な話をしようとしている。

 普通ならもうちょっと距離を取って話をするところだが、彼女はその気がないようであった。


「トラマダラ! 貴方、何を考えているのよ! なんで慰霊をおろそかにしたの!」


 元をただすと彼女が行方不明になったからなので、彼女が咎めるのもおかしい気はする。

 しかし彼女以外の大勢がそれを糾弾した結果、逮捕投獄に至った。

 彼女がここで質問をすることは、貴人やジョンマンたちにとっても意味があるだろう。


「変な理由だったら、私は貴方を許さないわ!」

「そうか……君の気持ちももっともだ」


 ここでトラマダラは、リーンから離れた。

 そしてあろうことか、貴人たちの前で深く頭を下げたのである。


「君には、とても迷惑をかけた。許してくれ、私が間違っていた。あんな命令を下した私は、正気ではなかった」

「……トラマダラ!? え、謝れるの、貴方!?」


 物凄く失礼なことに、リーンはトラマダラが謝ったことに驚いていた。

 だが周囲もまた、彼の謝罪に驚いている。

 それこそ『何があっても絶対に謝らない男』というイメージがあったのに、彼は自分からそれを行ったのだ。


 仮にも第一王子が自分の非を認める、というのはあまりいいことではない。

 しかし貴人の前でキスや抱擁をするよりは、周囲に好印象を与えるだろう。


「ああ、それほどに私は反省している。だがこれは、謝っているだけだ。私が正気を失っていた理由の説明にならない」

「それは……それは……そうね! 理由の説明になっていないわね!」


 自信満々に謝罪をしているので、謝意や誠意は感じられない。

 しかし許してもらえる、という根拠は感じられる。

 国全体を危機に陥れたことをどう弁解するのか。リーンを説得することはできるのか。


 なお、正当な理由がないことは、全員がすでに知っている模様。


「それでは……おい、あの四人を連れてこい!」

「はっ!」


 第一王子の命令で、『あの四人』が連れてこられた。

 言うまでもなく、アサリナイ、キララーチ、シラカンパ、アオピジョンである。

 先日リーンの前で大失態を犯した四人は、縄で縛られ口枷を噛まされて、パーティー会場のど真ん中に引っ立てられた。

 四人ともリーンを見て反応しているが、肝心のリーンはかなり白けた反応をしている。


 先日までなら『なんでこんなことをしているの? 四人をすぐに解放して!』と言っただろう。というか、言っていた。

 だが今の彼女は、何の反応も示さずにいる。


「君も自分の目で確かめたと思うが……こいつらはとんでもないことをした!」

「そうね!」

「こいつらが君の前でした所業については、兵士や民から報告を受けている! これはもう逮捕されても文句は言えまい!」

「そうね! 私もそう思うわ!」


 力強く宣言するトラマダラに、リーンも元気いっぱいに同意していた。

 なかなかお似合いのカップルである。


「逮捕したのちにこいつらの家を捜索した結果……アサリナイは国外逃亡の準備、シラカンパは私を倒し王位簒奪の計画! そして、そしてキララーチの家からは……」


 怒りで震える第一王子は、第三王子の婚約者、キララーチの罪を明かした。


「君と二人で描かれた絵を所有していた!」

「ああ、あの? 画家さんの練習に付き合ってくれと言われた時の、アレ?」

「実際にモデルになっていたのか!? まあとにかく! 露出度の高い服を着て、密着していただろう!」

「キララーチちゃんがどうしてもと言っていたのよ。真面目に絵を描いていたし、いかがわしいこともなかったわ」

「画家は、そうだったかもな! 画家本人はな!」


 よく観察すると、キララーチの顔ははれ上がっていた。

 おそらく、トラマダラが暴行を加えたものと思われる。

 でも仕方ねえよなあ、という空気になっていた。


「それに! アオピジョンの家からは、君と自分をモデルにした本が出てきた!」

「もしかして、話に行き詰ったから、一緒に朗読してくれって言われたあれかしら?」

「一緒に朗読していたのか!? なにも思わなかったのか?」

「だって、アオピジョンちゃんは文豪でしょう? そういう本も書くじゃない」

「君に朗読させるのはおかしいだろうが! 適当な役者でも呼べばいい!」

「……それもそうね」


 よく観察すると、アオピジョンの頭に少しこぶができていた。

 もしかしたら、トラマダラが暴行を加えたのかもしれない。

 でも仕方ねえよなあ、という空気になっていた。


「これでもう分かっただろう! こいつら四人は、そろいもそろって、君を性的な眼で見ていたんだ!」

「……そうね!」


 しばらく考えたリーンは、やはり同意していた。

 トラマダラの言っていたことは証拠を提示されていないので何とも言えないが、自身で目にした四人の言動はそう考えるしかない。


「兄の婚約者だとか、同性だとか、そういう問題じゃない! こいつら四人は、自分にも婚約者がいるにも拘わらず、婚約者のいる君を狙っていたんだ! こんな不義理な話があるか!」

「そうね!」

「君は今まで信じてくれなかったが……私はずっと疑っていたんだ!」


 ここでトラマダラは、なぜ正気を失っていたのかを説明する。


「行方不明になっていた君が、こいつらの誰かに捕まっていたのかもしれない。そう思うと……正気ではいられなかった!」


 やや演技臭いところもあったが、嘘だとは思えなかった。

 嘘ではないと、貴人やジョンマンたちも理解できる。


 肝心のリーンは……。


「ん~~~~?」


 しばらく考えたあとで、手を打った。


「なるほど! それじゃあ仕方ないわね!」


 彼女はトラマダラの言葉に納得したのである。

 そして彼女の仲間たちは……。


(確かに……)


 ジョンマンを含めて、全員が納得していた。


(確かに……)


 なお、貴人たちも納得していた。


 というよりも、元々ある程度の納得や同情は得ていたのである。

 リーンは国民からも慕われる女性であり、バカで間抜けなことも知られていた。

 そんな彼女が行方不明になったのだから、みんな心配はしていた。

 第一王子が躍起になって探しても、最初は仕方ないと思っていたのだ。

 霊障が悪化するまでは、むしろ第一王子は応援されていたのである。


「この四人は確かに危ない人だったものね!」

「そうだろう……」


 四人の前で見せつけるように、トラマダラはリーンに抱き着いていた。

 四人は激しく抵抗し、トラマダラに抗議しようとうなっているが、誰も味方しなかった。


「だが結果として、君や仲間に迷惑をかけてしまった。複数の危険地帯を浄化するのは大変だっただろう。本当に許してくれ」

「いいのよ! 私はドザー王国というところで修行をして、とっても強くなったの! だから平気よ! むしろ訓練になったわ!」

「……そうか」


 リーンが期待通り(・・・・)()反応(・・)をしてくれていることに、トラマダラは喜んでいた。

 彼は事前に書いた台本の通り、話を終わらせようとする。


「それなら……私と正式に結婚して、ずっと一緒にいてくれ。そうしないと私は、安心できないんだ」


 ーーーここで、話が終わってもよかったのだろう。

 国民も貴人も兵士も、ジョンマンや仲間さえも納得するだろう。

 トラマダラとリーンが結婚すれば、事態は丸く収まるのだろう。


 だがリーンにも、意思はあった。

 彼女はまだ、納得していない。


「それはいいけど、その前に大事なことがあるじゃないの! それが済んでからよ!」

「……な、なんだ? ああ、君の両親を含めた、私が捕らえさせてしまった人々の解放か? それはもう手続きを進めているよ」

「それも大事だけど……国民のみんなにも、ちゃんと謝らないと! 私も同行するから、安心してね! きっと許してくれるわ!」


 リーンの中で、『トラマダラは謝った』イコール『トラマダラは自分が悪いと自覚している』という等式が成立している。

 これに『迷惑をこうむったのは国民』という数字が加わると、『トラマダラは国民に謝らないといけない』という解に至る。


 もちろん、なにも間違っていない。

 事態を収拾させたリーンと一緒に各地を巡れば、国民からの理解も得られるだろう。

 各地の被害状況を確認する、という意味もある。


 なんなら、今すぐ結婚式を挙げるより、国民の心情は上がるだろう。


 この、なにも間違っていない、が問題だった。


「それは……」

「どうしたの、トラマダラ」

「それ、は……」


 トラマダラはそれを回避する言葉を探したが、まったく見つからなかった。


 リーンの提案に乗った方がいいと、彼の理性も肯定している。

 そうすれば彼女との幸せな生活が待っていると、わかってはいるのだ。


「そんなことが……」


 問題なのは、トラマダラに意思があるということ。

 彼はリーンや貴人の前で『謝罪のポーズ』を取ることはできても……。

 遥か格下である国民の前で、自分の非を認めることなど……。


 彼のプライドが許さない。


「できるわけないだろうが!」

「はあ?」

「君にはもう謝っただろう! なんで国民にまで謝らないといけないんだ!」

「可笑しなことを言わないでよ! 迷惑したのは、国民のみんなじゃないの! 私なんかより、ずっと謝らないといけないじゃないの!」

()は国王になる男だぞ? なんで、国民なんぞに頭を下げないといけないんだ!」


 台本で取り繕っていた、彼の本音が出てしまう。


「俺は何も悪くない!」

「……!」


 リーンの中で、判断材料が更新された。

 今の言葉こそが本音であり、さっきまでの言葉は欺瞞なのだ。

 ならば、彼は自分を騙そうとしていたのであり……。


「お前は! 俺の言うことに頷いて! 俺を凄いと褒めていればいいんだ! そんな簡単なことが、なんでできないんだ!」


 彼は、彼らは……。


 最初から、自分を愛していなかったのだ。


「……わかったわよ!」


 彼女は、爆発するように行動した。


「く、こ、この……!」


 リーンはなぜか、片足を上げて、靴を脱ぎ始めた。

 とても真面目な顔で、焦りながら自分の靴を外そうとしている。

 スカートが邪魔で少々難儀していたが、それでも彼女は立ったまま脱いでいた。


「おい、どうした?」

「黙ってなさい!」


 リーンは靴を脱いだ脚の、長い靴下を脱ぎ始めた。

 そしてそれを、トラマダラの顔にたたきつける。


 なんでこんなことを? 


 みんなが困惑し、言葉を失っていた。



「決闘よ!」



 静まり返った会場で、リーンは叫んでいた。


(え、もしかして、決闘の合図を『手袋をぶつける』じゃなくて『靴下をぶつける』だと思っていたのか?)


 情報量の多さに困惑する人々を置いて、リーンは更に叫ぶ。



「貴方と私は婚約破棄! 貴方は国外追放!」



 リーンはプロレスラーのように宣言した。もう悪役(ヒール)令嬢レスラーである。



「この国は、私がもらうわ!」



 突然の国家反逆であり、王位簒奪であった。傾国の美女ってレベルじゃねえぞ。

 全員がバカのように口を開けて、何を言ってるんだコイツ、という顔になっていた。


「ねえオーシオちゃん。もしかして王位継承権って、こうやって争うの?」

「私はこの国のことを良く知りませんが……絶対違うと思います」


 第二王子や第三王子には王位継承権があるはずなので、彼らが同じように宣言するのならまだいい。

 だが第一王子の婚約者でしかない彼女に、王位継承権をかけて戦う権利などあるのだろうか。


 絶対にないので、条件として不成立である。

 バカすぎる決闘宣言を受けたトラマダラは、一周回って冷静になっていた。


「……一応聞くが、お前が負けたら俺になんのメリットが?」

「私のことを好きにしていいわ! 私のすべてを賭ける!」


 判断材料が補足されても、全員が情報を処理できなかった。


(ますますアリババみたいなこと言ってる……)


 ジョンマンだけが、かつての仲間を思い出して頭を抱えている。


「……」

「どうしたの、怖いの!?」

「いや、リーン……君は、その……」


 何にも考えずにまくし立てているリーンを、トラマダラは冷静に観察した。

 成長した彼女の肉体を、まじまじと見る。


 いろいろな意味で健康的だが、強くなったように見えない。

 自分が戦えば、一瞬で倒せるだろう。


 おもわず、下衆な考えが脳裏をよぎった。


「二言はないのか、リーン。辞めるなら今のうちだぞ」

「絶対に止めないわ!」

「そうか……それなら、その決闘を」


 だれがどう考えても絶対に結果の見えている戦いを、トラマダラは受けた。


「受けよう」


「てやああああああああ!」


 その顔面を、リーンは全力で殴っていた。


 全体重を込めた拳が、ふしだらな妄想をしていたトラマダラの鼻をへし折っていた。


「へ、へ、へぐ……!?」


 完全な不意打ちを受けたトラマダラは、鼻血を噴出しながらよろめいた。

 何が起きたのか、まったく理解できない。


「は、は、は?」


 もちろん、会場の全員が、同じように混乱している。

 確かにリーンは決闘を宣言して、トラマダラはそれを受けた。

 だとしても、いきなり殴っていい、というのは……。


「え、おい、リーン、お前、ちょ……」

「このおおおお!」


 決闘っていきなり殴り合うものじゃなくて、ちゃんとルールを決めて、場を検めて戦うものだから。

 そう説明しようとしたトラマダラの顎に、勇むリーンの拳が命中した。


「あ、あご……」


 今度は、舌を噛んでしまった。

 トラマダラは血だらけになった顔で、呼吸もままならなくなっている。


「このこのこのこのこのこの!」


 豪勢なドレスを着たまま、リーンは更に殴る。

 殴って殴って、殴りまくっていた。


「素晴らしい……完璧な『武』だわ!」


 称賛しているのは、姉貴分であるオリョオだけである。

 彼女の価値観からすれば、リーンは美しいほど『完璧な武』を披露していたのだ。

 ちゃんと急所を狙っているし、相手が勝利を確信して油断した隙を突いている。

 タイミングさえ合えば力の差など関係ない、武の極み。

 無自覚にそれを行う妹分を、彼女はキラキラした目で見ている。


 そして、実際正しい。

 精神的にも肉体的にも『さあ戦うぞ』という状態になっているから攻撃に耐えられるのだ。

 ルールを決めて解散して、数日後に試合会場で戦う、と考えていた男では……。

 健康な少女が繰り出す容赦のない顔面へのラッシュに、耐えられるわけもない。


「あの……ジョンマンさん、これって大丈夫なんでしょうか? 決闘というか、一方的に暴行をしているだけでは?」

「うんまあでも……一応、決闘を受けているから。それに決闘のルールを決める前だったから……グレー?」

「ジョンマンさんでも、自信がないんですね」

「いやだって、リーンちゃんは何にも考えてないだろうし……」


 もうこうなったら、問われるのは民意である。

 この状況を決闘とみるか暴行とみるかは……日頃の行いしだいだ。


「勝った……勝ったわ!」


 血まみれになって倒れているトラマダラの前で、グーにした両手を高々と掲げるリーン。

 悪を征伐したぞ、という達成感。これでみんな幸せになれるわ、喜んでくれるわ、という顔になっている彼女に対して、周囲の人々は……。


(もともとリーン殿下の人気は高かった。今回の事件を解決したことで、その名声はさらに高まっている)

(トラマダラ殿下の人気は、もはや地に落ちている。リーン殿下と結婚していればマシだったが、二人の関係が決裂した以上は……)


 ヨシ! 情報処理を終えた貴人たちは、新しい女王(チャンピオン)に駆け寄る。


「リーン陛下万歳! リーン陛下万歳!」

「新女王の誕生だ~~!」


「やったわ、私やったわ! 応援、ありがとう!」


 国家転覆を達成した大罪人を胴上げし、その勝利を讃えたのであった。

 もちろんリーンは、無邪気に笑うのであった。


「アリババみたいなことになってる……」


 ジョンマンはかつての仲間を思い出して、胃が痛くなっているのであった。

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― 新着の感想 ―
「大一大万大吉」の旗印を掲げて関ヶ原で天下分け目の戦に挑んだ戦国武将が脳内をよぎるのでありました。
[一言] 同世代を全員惚れさせて知性を下げた上で国外追放されて仲間割れで国が荒れた頃に帰ってきてアホどもを全員しばいて王になる……マッチポンプじゃねえか! いやまあそもそも全員ダメなヤツだったのかもだ…
[一言] 王様は?
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