42:月からの提案(前半)
「よ、夜人くん…お、お姉さんと…こ、婚約してるの?」
「……うん」
おずおずと聞いてくるあづみちゃんに対して何故か分からないが罪悪感を抱えながら俺も答える
何だろう…別に悪い事をしていないのに罪悪感が半端ない
あづみちゃんも俺の言葉を聞いて泣きそうな表情を浮かべている
マジで何で?!!
お願いだから泣かないで欲しい…
「い、いいいいいつからですかぁ?」
「えっと…この保育園に来た時くらいからかな…」
「……夜くんはお姉さんが好きなのかい?」
「勿論好きだよ」
雪ちゃん、蓮華ちゃんの質問にも正直に答える
月姉さんは好きか嫌いかと聞かれれば間違いなく好きだ
何てったって俺の天使だからな!!!
ただ…この好きが家族愛なのか異性としての愛なのかと聞かれれば、家族愛であると言わざるを得ないけれど
ただどうしよう…
今この場の空気がメチャクチャ重い…
俺悪い事してないよね?!
多分してないよね?!!
「あ「夜人くん、ちょっと良い?」
頑張って空気を変えようとして言葉を発しようとする横から月姉さんが口を挟んできた
「今から一寸、女の子だけでお話させて貰っても良いかな?」
「え?で「女の子だけでしか話せない事だから!ねっ?!!」
月姉さんに押し切られる形で3人はコクコクと頷く
そんな彼女たちを放置して俺はその場から離れた…
◆
◆
「さて…改めて自己紹介しておくわ。夜人くんの婚約者であり姉である八剱月よ」
「「「…………」」」
自己紹介したものの目の前の3人の表情は浮かないモノだった
まぁ、それは仕方ないと思う
自分が好きな男の子に既に婚約者が居るのだから…
「貴女たち…夜人くんのお嫁さんになりたい?」
「「「っ!!!!」」」
私がそう言った瞬間、彼女たちは一斉に私に視線を向ける
その視線が私の質問に対する答えと同じなのだけれど、私は敢えて同じ質問をする
「夜人くんのお嫁さんになりたいの?」
「「「なりたい」」です」
「だったら変わらず頑張ってみれば良いわ」
「「「?!!」」」
お母さんから聞いたけれど、夜人くんは将来的に私以外にあと4人のお嫁さんと結婚しなければならないらしい
世界中の人口で女の子が圧倒的に多い今、私だけが夜人くんのお嫁さんになるというのは不可能だという現実を聞いた時、私は泣いた…大泣きした
誰でも理解できると思うけれど、あの素敵な夜人くんを私の、私だけの旦那様に出来ない事以上に酷い事は無いだろう
そんな私にお母さんは優しくアドバイスをしてくれた
「月…貴女の哀しい気持ちは理解しているわ。昔から貴女は夜人きゅんが大好きだったから、ね。確かに夜人きゅんを貴女だけのモノにできる場所は何処に行っても存在しない。だったら貴女は味方を作りなさい」
「……味方?」
「えぇそうよ。世の中の夫婦ではね、旦那様を自分だけのモノにしたいからってお嫁さん同士が喧嘩する様な事が一杯あるの。すると、旦那様はどうすると思う?」
「……悲しむ?」
「その通りよ。旦那様からすれば2人のお嫁さんを好きになって結婚したのに、好きな人同士が喧嘩しているのだから凄く悲しむわ。そして…その次はどうなると思う?」
「……分からない」
「そうよね。次は…喧嘩しているお嫁さんを怒るの。旦那様からすれば安らぐ場所であるべき家に行ってもお嫁さんの悪口を聞いたり、旦那様を縛ったりしようとするからゆっくり出来ないのよね。そして最後は…」
「…最後は?」
「お嫁さんを見放すの。悲しんで怒ってそれでもどうにもならなければ旦那様はお嫁さんの家には行かなくなるの。そして喧嘩をしていないお嫁さんのお家にずっと行く様になるの」
「?!!」
「だから月、貴女の味方を作りなさい」
お母さんは私に対して諭す様にそう言った
すいません
遂にストック尽きました…
これからは執筆→即UPします。
今後も本作をどうぞよろしくお願いいたします!!




