8:アスレチック競争って何ぞや?(作者考案)
「え~!!ずるっ子?ずるっ子になっちゃう~??」
「ずるいのは~ダメ~ですね~」
「分からないわ。飽くまで予想の範囲での事よ」
・・・うん、新3人娘も中々に姦しいな
けどこのままボケーっと話を聞き続ける訳にもいかない
彼女たちもチラチラと俺の方を見ている当たり、俺の意見も聞きたいのだろう
「りんちゃんは先生に何て聞いたの?」
「うんとね~、アスレチック競争は何するの?って聞いた!!」
「そうなんだ。じゃあそれで教えてくれたんだったら問題ないよ。それに沿って僕らは練習しよっか」
「「「うんっ!!」」」
りんちゃんの聞き方で先生がうっかり漏らしたなんて事は流石に無いだろう
アスレチック競争はリレー+障害物競走みたいな感じだ
リレー形式で襷を掛けて障害物を潜り抜けるという競技なので障害物が何なのかは結構大事だ
「りんちゃん、先生は何をするって言ってた?」
「うんとね~、うんとね~・・・・・・忘れたっ!!!」
ズコッ!!
りんちゃんの回答に思わず俺達3人はコケそうになる
・・・今時吉本山新喜劇でもやらないよとエアツッコミをいれつつ
「そ、そうなんだ・・・じゃ、じゃあもう1回先生に聞きに行こうか」
と言いながら苦笑いしながら皆と先生の下へ向かって行った
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「さて、障害物はみんな分かったね」
「そうですね~あとは~練習あるのみ~ですね~」
「ええ、決してクリアできない障害物じゃない。反復練習が差を生むわ」
俺の問いかけにメイちゃんとさつきちゃんも呼応する
まぁ、保育園の障害物でクリアできない様なモノを設置する訳がない
が、さつきちゃんの言う通り練習は大事だろう
「最初は『トンネル潜り』だよね?!!」
「うん」
りんちゃんの言う通り、少し走った後に出てくるのはトンネル潜りだ
急ブレーキを掛けながら四つん這いになって数メートルをハイハイするらしい
「その後は~竹馬さんだよね~?」
「うんそうだね」
トンネルを潜り抜けた後にまた少し走り、竹馬に乗って進んでいく
「最後はスプーン競争ね」
「これはちょっと練習が必要だね」
最後にスプーンにピンポン玉を乗せながら落とさない様にゴールした後に次の走者にタスキを渡して次の走者が同じコースを周っていくという流れだ
因みにピンポン玉を拾った後に3秒間止まらないとダメらしい
「じゃあ先ずは順番を決めたいと思うけれど、先頭走者は・・・」
「「りんちゃん」」
・・・ですよね
本人は「ほえ?私?」とでも言いたげな表情をしているがコレはある意味確定事項だ
こう言っては何だが、りんちゃんは細かい事を余り考えないワイルド娘さんだ
下手するとタスキを受け取らず走り出す可能性すらある
・・・無い、いややっぱりあるな
そのかわり、りんちゃんは運動神経抜群でアルパカ組さんの中でも1番良いんじゃないかな?と俺は思っている
要はりんちゃんの足でスタートダッシュを決めてしまおうという訳だ
「さっきのお昼休みの時に聞いていたかもしれないけど、僕が最終走者になるんだ・・・ゴメンね」
もしメイちゃんやさつきちゃんがアンカーをしたがってたら申し訳ない
そう思って謝ったが、彼女たちは「大丈夫」と全く気にしていない様で安心した




