43:(閑話)香我美家 視点 男の子の居る家族とは・・・
(香我美 雪 視点)
「「・・・・・・・・・」」
夜人くんと夜人くんのお家の人が帰った後は静寂が場を支配していた
若葉さんは何も言わずに夜人くん達が出て行った扉をジッと見ている
お兄様は丸まった自分の身体を両手に抱いて、震えている様だった
私はと言えば、先ほどの嵐の様な出来事と・・・夜人くんに言われた言葉でポーっとなっていた・・・
「・・・っく、ひぐっ!!」
そんな中言葉を発した・・・違う、泣いていたのはママだった
「マ、マ・・・?」
「っ!!ゆ、雪ーーーーーーーーーーーーー!!!!」
私がママを呼んだ瞬間に私の方を向いて、こっちに向かってきて・・・私を抱きしめた
「ママ・・・?」
「雪ぃ!ごめんっ!!ごめんなさいっ!!雪ちゃん、ごめんねぇーーー!!!」
「????」
ママは何で泣いているのだろう?
ママは何で私に謝っているのだろう?
お兄様は私が嫌がる事をする・・・だからお兄様が私に謝るのなら分かる
でも・・・ママは私と一緒でお兄様に嫌がらせを受けていた仲間だ
ママは別に私が嫌がる事をしたりなんかしていない
なのに・・・ママが私に謝って来る理由が分からない・・・
ーーーポロッーーー
理由が分からない・・・のに・・・
「マ・・・マ・・・ままぁぁぁぁーーーーーーーー!!!」
ママに謝られて私の目からも涙が溢れて来る理由が・・・分からない
「雪ぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「ママァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「「ああぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!」」
分からない・・・分からないけれど、私もママも泣いた
一杯、泣いた
いっぱいいっぱい泣いちゃった・・・
そしてそのまま私は・・・泣き疲れて・・・寝てしまった様で・・・気が付けば朝になっていた
◆
◆
(雪、零 ママ 視点)
「・・・良く寝てるわね」
「はい・・・」
若葉さんの運転してくれる車に揺られて、私は帰路につく
今私の両手には零と・・・雪を抱えていた
「雪ちゃんが可愛くないの?・・・か」
零と同じ男の子で、雪と同じ保育園に通う子供から聞かれた純粋な疑問
その言葉に私の心は抉られてしまった
そして何より・・・その疑問に即答出来ない自分自身に対して、私の心は抉りきられてしまった
ちょっと前なら今みたいに車で2人が寝ていたらならば、私は零を両手に抱きかかえ、雪は落ちない様に身体で支える様な行動をとっていただろう・・・
いや、嘘をつくのは止めよう・・・間違いなくそうしていた
零と雪が産まれた時、私は男の子、女の子などは関係なく、無事に産まれてきてくれた我が子たちに感謝し愛おしく思っていた・・・これだけは自信を持って言い切れる
だけど・・・私の生活はすぐに零が中心になってしまった
零が男の子だから護衛官がついた
零が男の子だから国の援助でセキュリティ性の高い住居に移された
零が男の子だから少なくない額の給付金が毎月支給された・・・
それによって雪も安全な生活を送りやすくなり、美味しい物を食べる事が出来、良い保育園に通うことが出来る様になったのだ
私も同じ・・・だから私たちは零に感謝し、零の言う事を聞いてあげなければならないのだ、と・・・
「私は零と雪の母親・・・だものね」
「はい」
「零が起きたら・・・怒るんじゃなくて・・・しっかりと話すわ。雪と私は下僕なんじゃない、って・・・」
「はい」
「若葉さんもよ?貴女も口下手だからかもしれないけど・・・零にそう思われているんだから」
「・・・はい・・・そう、ですね・・・」
車から滑る様に流れる景色を眺めながら、男の子の母親に言われた言葉を思い出す
いや・・・生涯忘れる事は出来ないだろう・・・
「・・・今日は人生で1番長い夜になるかもしれないわね」
「はい・・・今晩はお付き合い・・・します」
「えぇ・・・お願いします・・・」
そう答えながら男の子の母親に言われた言葉を思い出す
何度も何度も思い出す・・・
「私は零と雪の母親、だ・・・」
自分を鼓舞する様に一人そう呟いた
あわわわわ…
じ、ジャンル別日間ランキング…だ、第1位です…
皆様のお陰で第1位を取る事が出来ました!
本当に、本当に有難う御座います!!
いやぁ〜…正直感慨深いです
仕事の合間に書いてた甲斐がありました←
御礼の気持ちは3話ですが、ストック上の理由で本日も2話投稿させて頂きます
今後も本作を何卒宜しくお願い致します!
本当に有難う御座います!




