41:この世界の男への絶望・・・
「っっ!!!」
俺が大声を出したことにより、零はビクッとなり瞬時に泣き止む
3歳児にこれ以上難しい事を言っても理解出来ないだろうしな・・・
「雪ちゃんのお母さん」
「っ!!」
だから俺は雪ちゃんのお母さんの方へ視線を向ける
子供が悪い事をしたら親が叱る・・・至極当然の事だ
それなのに、彼女は雪ちゃんが泣いていてもオロオロするだけで止める事をしなかったのだ
「雪ちゃんのお母さんは雪ちゃんが可愛くないの?」
「っ!!・・・可愛い・・・わ」
「だったら零くんに苛められている雪ちゃんを庇ったり、零くんを怒ったりしないの?」
「・・・・・・」
「僕は・・・僕が悪い事をした時に叱ってくれるお母さんが好き。心配してくれるお母さんが好き。良い事をした時に褒めてくれるお母さんが好きなんだ。・・・おばさんは何でそんな風にしないの?さっきのは雪ちゃん悪くないよ?」
「・・・・・・」
「僕思うんだけど・・・良い子良い子してくれるお母さんが良いお母さんな訳じゃないと思うな」
「・・・・・・」
大人に対して3歳児がこれ以上詰め寄るのは酷だろう・・・
俺は雪ちゃんの方へ身体を向けて「大丈夫?」と声を掛けた
「う、うううううん・・・」
「雪ちゃん・・・もし零くんがまた苛めてきたら教えてね。僕、雪ちゃんの友達だから・・・助けたいんだ」
「う、うううううん」
もし再犯があったならとれる対策は確実にあるだろう・・・知らんけど
でもまぁその時は麗さんに聞けば良いだろうしな
「ひっ!!」
最後に再度零くんの方へ視線を向ける
すると凄いビビられたよ・・・
まぁ、3歳児からしたらトラウマ級かもしれないが・・・後悔は無い
・・・手を出したのは我ながら大人げないと反省はしているが、ね
「零くん、もし良かったら雪ちゃんと一緒に保育園においでよ。そして今度は仲よくしようよ。僕もずっとお家に居たから分かるけど・・・お外はもっと楽しいし、女の子は優しいよ。」
出来る限りの笑顔でそう伝えたけれど・・・彼からすれば恐怖の対象でしかないだろうな・・・
さっきまでメチャクチャ叩いてきた奴が保育園に勧誘するんだぜ?
「え?これなんの罠」って思ってても可笑しくない所か正常な反応だと思う
一歩間違えたら俺が異常だと思われるまである
まぁ多分二度と会う事も無いだろうし・・・陰でどう思われていても気にしない
・・・雪ちゃんに思われたらちょっとだけ傷つくけど
「お母さん、月お姉ちゃん、麗お姉ちゃん・・・帰ろっか」
「そうね」
「うん」
「畏まりました」
俺がそう促すと全員がそう言って立ち上がる
そして呆然とした表情を浮かべる香我美一家を尻目に俺たちは個室を後にした
・・・因みに母さんは、雪ちゃんのお母さんに何か言った後会計票を持参していた
多分「奢るんで許してつかぁ~さい」とでも言っているのかもしれない
お母さん・・・ごめんよ・・・今日は肩をもむよ
そんなこんなで俺的なビッグイベント、『この世界の男に会おう!!』は大失敗に終わった・・・
てゆーか・・・この世界の男は一体どうなってんだよ・・・
こうなれば出来るだけ優しい男と小学校で会える事に期待して、保育園生活を過ごす事にしよう
「・・・はぁ」
そう思うと自然にため息がこぼれ落ちてしまった
ジャ、ジャンル別日間ランキング3位…
有難う御座います!!
感動で打ち震えております!!
いやぁ〜…良い思い出になりました!!
今後も期待を裏切らない様に頑張っていきますので、どうぞ宜しくお願いします。
ストックが枯渇する足音がヒタヒタと聞こえてきます…
大幅pt増を頂いたのに恐縮ですが、本日は2話更新でご容赦ください。
今後も拙作を何卒宜しくお願いいたします!




