40:プッチンと来ちゃったね・・・
「なっ?!若葉、お前逆らうのか?!俺様の下僕だろうが?!」
「先程も申し上げました通り、護衛官として零様のお傍にはおります。ですが私ども護衛官が正当な理由なく男の子を害する事は出来ません」
「なっ・・・」
「そもそも私は零様の下僕等ではありません。飽くまで護衛官だという事を忘れないでください」
癇癪を起こす零に対して若葉さんは淡々と事実のみを告げる
零のヘイトは今現在は俺に向かっている為に雪ちゃんへの暴力は一旦収まった
・・・が、このままでは今後も暴力は続いていくだろうし、場合によっては苛烈になる可能性だって充分に有り得る
と言うか・・・さっき雪ちゃんが痛がった瞬間に俺は結構キテるのだ
「麗お姉ちゃん・・・」
「はい」
「僕が麗お姉ちゃんにアイツをやっつけてって言っても駄目だよね?」
「・・・はい。彼女の言う通り、私たち護衛官は男の子に対しての暴力による鎮圧は認められておりません。」
「だよね・・・だったらさ」
そう言いながら俺は立ち上がって、麗さんの後ろを通って対面の机側に向かって行き、零の背後に位置を取る
「な、なんだよ・・・」
「男と男の喧嘩に女を巻き込むのは野暮ってもんだよね?」
ーーーゴツンーーー
零に対してニコリと笑いかけ、それと同時に零の頭頂部に握り拳を振り下ろした
「い、いたいた痛ぁぁーーーーーいっ!!!」
頭に受けた痛みに衝撃なのか、零は突然大声で叫びだす
「男がこれ位で大袈裟に泣きわめくもんじゃない、よっ!!!」
ーーーゴツンーーー
「痛い痛い痛い痛いっ!!!!」
俺が2発目を再度頭頂部に打ち込んだと同時に、若葉さんが咄嗟に身をこちらに乗り出す
・・・が、それを麗さんがそんな彼女を制止させてくれた
多分彼女は俺の意思を組んでくれているんだと思う
「ねぇ、零くん」
ーーーゴツンーーー
「痛い痛い痛い痛いっ!!!!」
「今まで君に暴力を受けた雪ちゃんや、親なのに下僕だと言われていたお母さんや、護衛官として君を守ってくれていた若葉お姉ちゃんは・・・もっと痛かったんだと思う、よ!!!」
ーーーゴツンーーー
「ああぁぁぁぁぁぁーーーいだいぃぃーーー!!!!」
「零くん、男の子って・・・そんなに偉い、の?!」
ーーーゴツンーーー
「痛いぃぃもう・・・もう止めてよぉ・・・」
「男の子ってさ、女の子が優しいから偉そうに出来ているだと思うんだ、よっ!!」
ーーーゴツンーーー
「あぁぁぁぁぁーーーー!!マ、ママーーーーママーーーー!!!」
零がなりふり構わず母親に助けを請いだす
零の母親はその言葉を聞いてコチラに向かって立ち上がろうとしていたが・・・俺の母さんの「座っていなさい」という言葉と射殺す視線に屈して再度腰を下ろした
「僕はよく分からないけど・・・女の子の数が多い以上、僕たち男の子に対して酷い事をしようと思えば出来るんだ、よっ!!!」
ーーーゴツンーーー
「あぁぁぁぁぁーーーー!!マ、ママーーーーゆ、雪ぃぃーーーー!!!」
「でも僕たちは優しい人たち・・・君ならお母さんや若葉お姉ちゃん・・・雪ちゃんに大切にされているから偉そうにしているだけなん、だっっ!!!」
ーーーゴツンーーー
「あぁぁぁぁぁーーーー!い、痛いぃぃ!ご、ごめんなさぁぁーーーい!!!」
零が謝罪の言葉を吐いたので叩くのは止めて、髪を引っ張る
そして鼻と鼻が触れる位の至近距離まで顔を近づけて・・・
「そんなみんなの優しさに甘えて・・調子に乗るなっ!!!」
俺は出せる限り精一杯大きな声でそう叫んだ




