17:うわぁぁぁぁ…
「「うわぁぁぁぁ…」」
誠に遺憾ながら、零とハモってしまいました…
いやでも、これ仕方なくない?
どう考えても通報案件でしょ?
俺がそんな事を考えていると阿多地女史がズンズンと校内に入って来る
おいおいおい…不法侵入罪まで付与してきおったでぇ~~(エセ王逆弁)
「おいおいおい…姉ちゃん、それ不法侵入やで」
「安心しなさい!私はちゃんとコレを持ってるの!!」
そう言いながら誇らしげに見せつけるネームホルダーには『入構許可証』と印字されている
まぁ詰まり…学校の許可は得ていますよって事だ
面倒くさい……
「はぁ…。で、わざわざ此処までやって来て何の御用ですか?言っておきますがスカウトならお断りですよ」
ハッキリ言って、俺の彼女の評価は0を通り過ぎてマイナスだ
過去にスカウトは何度も受けてた事はあるけれど、此処まで厄介なスカウトは居なかった
何よりこの世界で男性は貴重だ
皆、一線を設けて接してくるにも拘わらず、彼女はその一線すら平気で乗り越えて来ようとする
それこそ相手がどう思おうと関係無い…そんな狂気的な思考すら感じるのだ
「勿論だけど貴方もスカウト対象よ。だけど…これが噂の1-Aの男子なのね。誰も彼もスカウトしたい逸材ね!!」
阿多地女史にそう言われ、全員が嫌そうな表情を浮かべる
男がどう思うかという以前に、人に対する接し方がなってないんだ、この人は…
「アナタ達5人でアイドルグループを目指さない?!アナタ達がその気になれば1年!!ううん、半年でトップアイドルにまで上り詰めることが出来るわ!!」
「「「「「結構です」」」」」
間髪入れずに俺は含めた全員が即答する
まぁねぇ…百歩譲ってアイドルになりたいとしても彼女のスカウトを受けたいとは思わないと思う
強引なのが悪いとは言わないが、余りに自分の我を出し過ぎている
「そう…。まぁ直ぐに結論を出す必要なんてないわ。飽くまでも今日は顔見せだし、他にもスカウトを受けてくれた子もいる事だし」
「「「「「っ?!!」」」」」
こんな強引なスカウトを受ける子がいるんだな…と思わず驚いてしまった
それは兎も角…この人は未だ来るつもりなのか…そろそろ俺の我慢の限界も近いぞ…
そんな事を考えていると、阿多地女史は俺の表情から言いたい事を悟ったのだろうか?
余裕そうな表情を浮かべて「安心して」と言葉を投げかけて来る
「流石の私もこれ以上は付け回さないし連絡もしない。だけど少しでも気が向いたら此処に連絡をしてきなさい。……アナタ達の人生をよりスリリングで刺激に溢れた人生を味わわせてあげる」
そんな事を言いながら、俺達1人1人に名刺を差し出してきた
もうこれ以上は付き合う事は無いのならと思い、名刺だけは受け取っておく
「それじゃあね、1-Aのイケメンさん達。連絡が来ることを首を長くして待っているわ」
「あ、ちょっと待ってください。どうやって許可証を?それとどうして僕達の事を知ってるのですか?」
去って行こうとする阿多地女史に向かって、公理くんはそんな質問を投げかける
確かに俺も少し気になる所ではあるのだが……
公理くんの言葉に阿多地女史はニヤリと口角を上げながら、こちらへ振り返る
「この学校にも我が社のアイドルがいるからその伝手で、ね。あと貴方たち…知らないかもしれないけれど有名よ?ちょっと調べたら直ぐにHITしてきたわ。それじゃあ、良い連絡を待っているわ」
そう言い残して阿多地女史は呆然とする俺達を尻目に颯爽と去って行った




