14:思わず誰かの秘密を言いそうになった事はありませんか?私は有ります(尚、死守しました)
「お、おはよぉぉ~…」
「夜人きゅんお早う~♥あら…朝から何かお疲れね?」
翌朝、俺はフラフラになりながらも朝食の用意されているリビングテーブルに向かう俺に母さんは訝しげな表情でそう問いかけて来る
「はは…まぁ、ね」
何となくボヤかせて苦笑しながらそう答えるが…朝から俺の精神力は朝から既に底に近い
許されるのであれば今日くらいは学校を休みたい気分だったりする
「おっはよ~~♥♥♥」
そんな俺と反して、近年まれに見るくらいにテンション高くリビングに入って来たのは当然月姉さんだ
昨日の姉さんといえば…あれから俺の服を見るのも早々に切り上げて、俺の手を引っ張りながら家路へと促してきた
そこからはもう…ね?
何があったかは省略するが…俺の精神力はゴリゴリと削られ、思った以上に俺の忍耐力は頑張っていたという事だけは記しておこう…
「あら、夜人きゅんと反対に月の機嫌は良いのね?」
「勿論よ!!夜人くんだって機嫌が悪いわけじゃなくて疲れてるだけだからね!!夜人君ったら夜遅くまで起きてて、中々寝なかったんだから!!」
「……あら?あらあらあら?」
姉さんアウトーーーーーー!!!!
その伝え方は誤解を招く!!!
断じて俺は一線を超えていない!!!
母さんが俺達を交互に見て、メチャクチャそわそわしだしたからその言い方はダメだろう?!
ほら!「今晩はお赤飯かしら?」とかブツブツ呟きだしたからね?!!
正しくは『(姉さんに襲われるのが怖くて)夜遅くまで起きてて、中々寝(る事ができ)なかった』というのが正しいから!!
だがまぁ…これ以上ツッコむつもりはない
下手な事を言って姉さんの機嫌を損ねるのも怖いし、母さんは俺が何を言っても生温かい視線を浴びせながら「分かってるから」というだけに決まっているのだ…
「ま、まぁまぁまぁ…と、取り敢えず早く食べて学校に行こっか」
俺は顔を引き攣らせながら2人に対してそう告げ、そっと席に座るのだった…
◆◆
「あ゛ぁ゛ぁ゛~~~~~…」
「夜人どしたん?話聞こか?」
教室に入ると同時に机に突っ伏した俺に剣真がそう声を掛けて来た
その台詞、前世だったら色々と警戒されるワードだからね?
「いや、朝からちょっと疲労が…」
「そうなんか…。まぁ婚約者と一緒に住んどったらそう言う事もあるんやろなぁ…」
「まぁねぇ…剣真は婚約者が居ないんだよね」
「まぁ今のところは居らんし、直ぐには要らんなぁ~。零や夜人等とワチャワチャやっとる方が楽しいしな」
「まぁそうだよね…」
確かに俺も中学生時分に婚約者や結婚の事を明確に意識する事なんてなかった
どちらかと言えば部活したり、友人とバカ話している方が楽しかったしな…
そういう所は違う世界と言えども男性である以上はそういうものなのかもしれないな
「とは言うものの、16までには最低1人は結婚しとかなあかんからなぁ~…あんまし悠長に構える事も出来へんよなぁ…。その点、夜人と創はもう決まっとるから気が楽で良えなぁ!!」
「はははは…まぁ、ね」
実際、姉さんと結婚する事自体は今の俺は嫌でもないし受け入れる心持ちでいる
血が繋がっている肉親という意味では思う事はあるが…忌避感自体は殆どない
「剣真は実際の所、気になっている娘は居ないの?」
「まだ居らんなぁ…。言うてもまだ2、3ヵ月しか経ってないし、そんな焦るもんでもないしな。てゆーか、そんな話は教室で喋る内容とちゃうで!!」
「あぁ、そっか…ゴメンゴメン」
剣真の言う通り、かなりナイーブな内容だもんな
そっと周りを見渡すと、既に登校してきた女生徒達が俺達の話に対して興味ありげな視線を浮かべているしな
「言うても夜人と創以外は全くその気配はないし、ワイもボチボチとやってくわ」
「あれ?でも…」
俺はそう言うと同時に口をつぐんだ
自分以外の誰かの色恋沙汰を勝手に話す事はマナー違反だ
例えそれが零だとしても…例えそれが零だとしても、だ!!!
「何や何や…夜人、お前何か知っとるやろ?正直に話さんかいな」
だが、何かを言われかけた剣真はそんな事をスルーしてくれる訳も無く…俺は挙動不審な反応をするばかりだった…




