25:時代の変化は速すぎる…
「っしゃぁぁーーーーーーーーーー!!!!!」
「「「「「やったーーーーー!!!!!」」」」」
最初はテクテク、後からズンズンのペースで進んで行ったオリエンテーションの結果が発表された
結果、零班が1位で剣真班が2位となり、俺達は3位だった
まぁ、前半は俺の所為でノンビリペースだったからね
最初から1位を目指していた零班とのタイム差は覆す事は出来なかったという事だろう
あづみちゃん達は残念そうな顔をしているが…まぁこればっかりは、ね
「夜人くん、お疲れ様」
「ん?あぁ公理くん。お疲れ様」
振り返ると公理くんが若干疲れている様な表情を浮かべていた
まぁ、彼は体育会系じゃないし、致し方無いのかもしれない
「しかし零は元気だね…。僕は普通に歩いただけなのに疲れたよ」
「まぁ零はね…。でも公理くんも6位でしょ?充分凄いよ」
俺がそう言って励ますが、彼は力なく首を横に振る
「僕が凄い訳じゃなく、A組以外の男子が情けないんだよ…。あの面倒臭がりな創ですら9位だからね」
そうなのだ
結果が発表された時に分かったのだが、1位~3位はA組、4位と5位がE組の女子
そして公理班という順番となる
詰まり…男子が入っている班はA組以外は入賞していないのだ
「僕ら以外の男子はブーブーと文句を言ったり、班員に無理やりリタイアさせたりで滅茶苦茶だったらしいよ。まぁ…それでも女子と交流がある分、まだマシみたいだけどね」
「……それでまだマシなの?」
「うん、一部の男子はオリエンテーション自体にそもそも参加していないらしいよ。全く…そんなので聖明に入学できるんだから世も末だよね…」
「えぇぇ~…」
悲報
同学年の男子が基本的に終わっている件
「まぁでも…夜人くんに文句を言っていたD組男子3人は参加したみたいだけどね。結果は伴わなかったとはいえ、ちょっと見直したかな」
公理くんが指をさした方へ視線を向けると…ゼーゼー言いながら寝転がっているジャイアムとその取り巻きが目に映った
そしてそんな3人を激励している女子たちの表情は何処か嬉しそうだった
「うん…そうだね。それに僕は彼らの事をカッコいいと思うよ」
俺は素直に思ったままの感想を口にする
実際、俺にはジャイアム達がカッコよく映るのだ
「…夜人くんからそんな感想が出るとは思わなかったな」
「そう?自分を変えようとする人や何か頑張る人は俺にはカッコよく見えるけどね」
実際、ジャイアムは昨晩の事から思う事があったのだろう
それまで相手の気持ちを考えずに我を通していた彼(等)が、どんな形であってもそれを乗り越えようとしる姿勢は賞賛するべきだし、素直にそう思える
それが気づいて即実行できるのならば猶更だ
「そうだね…。じゃあやっぱり夜人くんも彼らに倣って自分自身を変えていかなくちゃね」
「…………」
「何が言いたいのか気付いているんでしょ?」
「ナンノコトカナ?」
「どんな形であれ、キャンプファイヤーでどうするのか僕は注目しておくよ」
「…………」
公理くんはそう言って俺の元から去っていった
いや…マジでどうしよう……




