11:これって本作史上最大のピンチかもしれない…
「よしっ、全員揃ったな?ほな今から『第一回晩飯どの班が1番美味いでSHOW』を始めるで!!」
「「「「「おぉ~!!!」」」」
剣真の音頭でA組男子+ジャ〇アン(剛山)は円陣を囲んで拍手をした
そして俺達の円を囲う様にA組女子+C組女子が更に円陣を囲んでいた
……上空から見れば綺麗な◎だろうなぁ
「だが鳥蝶、僕達はカレーを6杯も食べなければダメなのか?」
「公理はアホやなぁ~。そんなん小皿で一口程度をよそってもろて食べたら良えねん」
「成程な!!剣真は中々頭が良いな!!」
「ほんで、公平を期すために女子にはワイらに分からん様に盛って貰うで。食べ終わった後に全員で何番目に食べたカレーが一番美味かったかを発表や!!」
「成程ね」
「景品、ある?」
「何せ突発的な企画やからなぁ…優勝した班の発表だけにしとこうや」
「そうだね。飽くまで余興だしね」
「そういうこっちゃ」
うん、俺個人としても異議はない
皆楽しそうに取り組んでいたし、A組女子の皆はワクワクした様な表情をしているしね
ただ1点気になるのは…
「クックックッ…八剱、デカい顔をできるのも此処までだな!!!」
「いや別にデカい顔してないけど…。というか剛山は何か手伝ったのか?」
そう、コイツの班であるC組女子の表情である
何処か浮かないというか…ドンヨリとした表情を浮かべているのがホンの少し気になる所ではある
まぁ、彼女たちからすれば行き成り勝負の場に立たされた様なもんだからなぁ…
「勿論だっ!!最後の味見と調味料の配合を俺様の味覚で完璧に仕上げてやったわ!!コイツ等に料理の腕は残念ながら無かったがな…俺様の味覚である程度はリカバリー出来ただろう!!」
「そう、なんだ…」
なんでこの世界の男って、一々女子ディスるんだろう?
そもそもジャイア〇、お前の味覚って本当に大丈夫なのか?という気持ちがかなりある
「ほなランダムにいくで~!!!先ずは1番目のカレーよろしく~!!!!」
剣真がそう言った瞬間、俺たち男子の前に最初のカレーが出された
◆
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「さて、これで最後のカレーを食べ終わった訳やけど…皆どないやった?」
「よ、4番目のカレーは何と言うか…か、辛すぎたね…」
「うむ、想像しただけでく、口が…」
「美味」
「2番目のカレーは何かプロっぽい感じがしたよね」
「やな。お洒落な味?みたいなのがしたなぁ~」
「いや~…同じカレーでも味って変わるもんだね」
「ふん、何だかんだで俺様の作ったカレーが1番に決まっている」
各々がカレーの感想を言い合っている中、女子がそれに対してハラハラした表情を浮かべている
まぁ…俺の班が作ったカレーがどれなのかも分からないし、ここは素直に一番俺好みのカレーを告げるとしよう
「じゃあそろそろ感想を言おっか」
「せやな。女子もお腹すいとるやろうし、ワイもさっさと食べたいわ」
「俺様はもう決まっているぞ!!!」
「即決」
「じゃあ、番号順に挙手する感じで良いかな?」
「せやな!!ほな…1番最初のカレーが美味かった人!!」
剣真がそう言って挙手を促すと…1人手を上げた
「俺様はあれ位の辛さが丁度いい!!!」
「「「「きゃ~!!!!」」」」
零が手を上げ、零の班の女子が手を取り合って喜んでいる
どうやら自分の班のカレーを支持したみたいだな
……ん?というか、ちょっと待てよ…
「ほな次行くで~。2番目のカレーが良かった人~」
「やはりカレーはあれ位風味豊かな方がより深みがある」
「「「「やった~!!!!」」」」
どうやら2番目のカレーは公理くんの班が作ったカレーみたいだ
ヤヴァイ…考えてみれば皆、カレー作りに参加している
だからこそ自分たち好みのカレーを作っている筈だ
だけど…俺は米しか炊いていない…
自分の班のカレールーの味を知らない
詰まりは最悪、俺の班だけ誰からも手が挙がらない可能性がある…
ヤバイヤバイヤバイ…
「ほな次行くで~。3番目のカレーが美味かった人~」
(ええい!!!ままよ!!!)
俺は勢い良く、3番目のカレーに挙手をした




