24:漢字って面白いよね?学生の時は薔薇とか調べたわ(あと檸檬)
「ほんとヨルヨルは恥ずかしがり屋さんだねぇ~~!!予想外に愛しの棗ちゃんが居たから照れて扉閉めちゃたんでしょ~~???」
「あ、そんな事無いのでお気になさらず」
「またまた照れちゃって~!!やっぱヨルヨルは可愛いなぁ~!!」
相変わらずのポジティブモンスターっすね…
俺にウザ絡みして他の部員さんにハラハラした表情を浮かべられているのは棗さんだ
学校では棗先輩と言えば良いのかもしれないが…何か先輩って言う気になれないんだよなぁ~
「な、棗せ、先輩…その男子って…」
「あ、この子「1-A組の八剱 夜人です。美術部の見学にお邪魔しにきました」
「ぶ~~!!!私に紹介させてくれても良いじゃんか!!!」
「何か余計な事とか言われそうなので嫌です」
俺がそう言うと「も~!!」とか言いながら背中をバシバシ叩いてくる…ちょっとだけ痛い…
と言え、美人さんである棗さんのボディタッチに対して嫌な気分になるかと言われれば…正直そんな事は無い
相変わらずの金髪ツインテも伸びて腰位までの長さになっている
にも拘わらず髪が痛んでいる様子もないし、パッチリとした薄っすら青みが掛かった目にきめ細やかな白い肌…美人だらけのこの世界でも更に美人と言っても差し支えないだろう
まぁ…俺はロリではない(以下略)
因みに…ロリとかは関係なく、昔から棗さんに言って欲しい台詞があるのは秘密だ
そんな遠慮のない彼女の行動は、周りから見ても棗さんの行動は男性に行う様な行動ではなかったらしい
「な、なっちゃん…その…男子にそれは流石に…」
「棗先輩…それは不味いっス…」
「大丈び大丈び!!ヨルヨルは私に首ったけだからね~!!!これ位じゃ何も思わないよ!!」
「いや普通に痛いですけどね?」
「ドンマイ!!」
「はぁ…まぁ棗さんですからねぇ…」
まぁ、根っからの激陽キャである棗さんに何を言っても効かないからな…そう思って軽く溜息を吐いてしまうのも致し方ないだろう
「(なっちゃんのアレを仕方ないで済ませるって…)」
「(流石聖王様っスね!!心の広さが半端ないです)」
「(いやいやいや…広いってもんじゃないよ?!3年で1番優しいと言われる男子でも怒るレベルだよ)」
「(もはや全部が聖王様だからで片づけなきゃ仕方ないでしょう)」
………ん?
せいおう?せいおうって何だ?
……西欧?性王?性交?斉王?聖王?成功?
答えが分からないけど…聞く勇気も無い…
だってさぁ~…女子のコソコソ話に対して「せいおうって何すか?」て聞けるのは零とか棗さんとかのポジティブモンスターしか無理だろ…因みに時点で鳥蝶くんかな?
「で、ヨルヨルは美術部に見学に来たんだっけ?」
「あ…そうです」
相変わらず棗さんは話の流れを滅茶苦茶ぶった切ってくるなぁ…
だがそんな感想が浮かんだ俺は棗さんがおちょくりながら歓迎してくれると思ってたんだけど…何故か微妙な顔をしている
「ん~…ヨルヨルは美術部は止めておいた方が良いかもねぇ~…」
「え……何でですか?」
俺の予想と反した棗さんの返答に対し、俺は戸惑いながら理由を尋ねるのだった




