25:名探偵コンナン(解決編)
「という訳でお母さんに僕の事…【八剱】という家の事を教えて欲しいと思いました」
「凄い強引な端折り方、ご苦労様」
俺の強引な説明にも乗り良く応えてくれる母さん
だけど…いつもとは違う雰囲気を醸し出しているのが俺でも分かる
何せ隙あらば「夜人キュン夜人キュン」と言ってくる母さんが今はそんな雰囲気ではないのだ
あ、因みに俺の天使は俺の横で腕を捩じ切る勢いで俺の腕を掴んでいます
ちょっと痛い…いや、イタイイタイイタイ!!!!
「まぁ夜人の質問は理解出来たわ…でも頭の良い貴方の事だから、他にも気になった事があっての質問よね?」
「うんまぁ…飽くまで予想の範囲でしかないけど」
「今後の為にキッカケ等があれば教えて欲しいわ」
「それ位別に良いけど…飽くまで違和感であって証拠があったっていう訳じゃないよ?」
そう前置きしながら俺は今まで感じていた極小の違和感を母さんに説明する
「切欠は…零くんと初めて会った日かな…」
「零くんと?」
「うん。あの時に麗お姉ちゃんとは別の護衛官である若葉さんに会ったでしょ?」
「えぇ」
「その時に何て言うのかな…麗お姉ちゃんが優秀すぎるって思ったんだよね」
「…………」
「僕が零くんを叩きに動いた時、何も言わずに若葉さんの動きを止めてくれたよね?今だから何となく理解出来るんだけど…麗お姉ちゃんと若葉さんの動き?に差が有り過ぎたと思ったんだ」
「……そう」
「あとはお母さんが零くんと雪ちゃんのお母さんを威圧してたでしょ?」
「………」
「普通の親御さん同士だと中々ああはいかないかな?って。何か格?オーラ?雰囲気?みたいなのが全然違ってたし」
「そうなのかもしれないわね」
「あと確信したのは今日だけど…間違い無いという状況も思い出したから」
「…どんな状況?」
「保育園での運動会の後のこと。あづみちゃんや蓮華ちゃん達のお母さんが挨拶に来たでしょ?」
「そうだったわね」
「あづみちゃんや蓮華ちゃん達の家が名家なのに、わざわざ挨拶に来るのは変かなって」
「……でもそれは夜人くんと仲良くしたいからかもしれないじゃない?」
「うん、そうかもしれない。でもその時にお母さんが名家のお母さんよりも対等以上に接していたと感じた事と、あづみちゃんのお母さんがわざわざ「どうこうするつもりがない」と断っていたのを思い出したから、それ以外の理由もあるんだろうなって」
俺がそこまで説明すると、母さんは暫し沈黙した後に「ふぅ」と溜息を吐きながら降参するかの様に両手を上げた
「降参よ…流石、夜人くん。よくそこまでの結論に至ったわね」
「まぁね…後は俺も月お姉ちゃんもお母さんのお仕事を未だに良く分かってないし」
そうなのだ
母さんは毎朝仕事には向かうのだが何の仕事をしているのかを未だに教えて貰えていないのだ
以前に聞いた時には「会社の中で皆のお仕事を調整をするお仕事よ」と言っていたので総務とか人事の仕事だと思っていたのだが…未だにしっかり説明してくれない事に違和感を感じてもいたのだ
「そこまで理解出来ているのならば話さないとね…」
そう言って思い詰めた様な表情を浮かべながらも思い口を開いた




