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第34話

高崎視点




俺の脳内から、聞き覚えのあった声が語りかけてくる



「高崎、神山を殺せ。あいつは俺を殺した。俺の無念を晴らしてくれ」




五月蝿い





「高崎、俺とお前は最早、二心同体。俺の意志はお前の意志であり、お前の意志は俺である。解るな?」




うるさい




「高崎、お前はもう後には引けない状況なんだよ。自分を開放しろ、見せかけの自分を捨て、ありのままで行け!」




ウルサイ

ウルサイ

ウルサイ!





「黙れ!“坂井”。俺はお前とは違う!無様に散った惨めなお前とでは! 死人の分際でこれ以上、俺の頭を犯すな!」


「お喋りは終わりだ。廻原の家に着いたぞ」







あれからもう坂井の声は聞こえない。

もう自分の意志なのか、坂井の意志なのか解らなくなってしまった。

目の前に横たわる神山の姿を見て自分の意志か、坂井の意志か、どちらにしても、“自分自身の意志で神山を殺した”事には変わりはなかった。



ふらふらとした足取りで自宅に戻る。


廻原の奴にも教えないといけないよな…

携帯を手にとり、廻原に連絡することにした。



廻原はどんな反応をするだろう?





廻原視点



死体というのは、日常には無い非、日常の中にあるのが普通だろう。玄関の前に神山が横たわってる。


結局、こいつはなんの役にもたたなかったな…



僕の心の中の空虚な感覚に悲しみが混じった。



悲しみ?



この僕が悲しみだと?


ありえない。



僕は自分自身に驚いた。

この僕が悲しむだと?


神山を見るたびに、神山とすごした日々を思い出し、悲しみがつのる。




すると神山の体が僅かだが、動いた。


「うぐ! か…廻原君…助けて…」



なる程、刺されたのが、心臓のある左胸じゃなく、右胸の方でしかも箇所が浅かったから気絶程度で済んだのか。



それでも、重傷なのは変わりない…か。



携帯を手にとり、救急車に電話を掛けた。


のちに神山は、救急車で病院に運ばれ(なぜか僕も同行した)

緊急治療を受け大事にはいたらなかったという事になった。


さっき見せた悲しみの感情を無かった事にした。


そうでもしないと、自分が自分でなくなってしまう。


僕の人格が崩れてしまう。


とりあえず、今日はもう帰る事にした。


さりげなく携帯を開くと、高崎から留守電が入っている。



再生してみた


「あ~もしもし廻原君。ボクだよ?高崎だよ?さっき神山をコロシちゃったよ~ ねえ廻原君?悲しい?それとも怒ってる?まあどうでもいいけどさあ、とりあえず、留守電しといたから! じゃあ~ね~ ヒャハ!


ヒャハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ覇ハ」








僕は、数十秒くらいソレを聞いた後、高崎にメールを送った





内容は、



「馬鹿か。貴様は?」

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