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第33話

高崎視点




どうすればいいんだろう




両親を殺したのをいつまでも隠し通す事なんて出来ない。




このままでは、俺が次に死んでしまう。


いや!駄目だ!それだけは駄目だ!



あいつらの為の犠牲になんて絶対に駄目なんだ!



どうすりゃいいんだよ



自分の理想も野望も、そして答えを得ることなく、坂井のように散れというのか!



ふざけるな!

そんなこと、絶対になりはしない!



俺は今まで、のたくた、遊び過ぎたようだ。そのおかげで、廻原達に遅れをとり、いつ自分に牙を剥いてくるか解らない。



そして俺すらも最早、目的を見失いはじめている






いつか俺は両親の死が公になり、警察に捕まってしまうだろう。




そうなる前に、“神山”を殺さなければならない。



あいつを殺して、答えを見つけてやる。


片手にバタフライナイフを持ち、目的の場所へと向かった。






廻原視点




僕は今、コンビニで買った菓子パン類を口に頬張りながら、ヘッドフォンを付け音楽を聴いている。


斎藤の真似事ではないが、周りクソ耳障りな音を遮断するには丁度良い。


さっきから女共が逆ナンしてきたが、音楽を聴いて聞こえないフリをしていた。


盛った牝共が



貴様らになんざ興味は無いんだよ。



神山の手料理を食べたくないのも、ここにいる理由だ。


昨日の晩飯は、媚薬が入ったのを知らずに食べ、危うく神山を犯すところだった。

きょうの朝は、昨日の出来事が忘れられず、後ろに回り込み、味噌汁を飲ませた。その結果、急に、包丁を持って数分暴れた後、ふわりと倒れこんだ。


死んだのか?と内心思ったが、寝息をたててるのを確認して、味噌汁に入れたのが睡眠薬だという事を改めて確認できた。


内心、ちょっとホッとした自分に驚いたが、それは気の性だと思い込み、その場に神山を放置して、現在に至るという訳だ。

どうでもいいけど。

菓子パンもなくなったし、後は帰るだけだ。


でも帰ったら帰ったで、あいつから何らかの報復が待ってるだろう。


今回は、電気椅子で勘弁してもらえるかな?


それとも長時間に渡っての監禁か…


Mっ気が有るわけではない。


なんとなく、そうなった自分を想像して少し興奮しただけだ。


堕ちていく自分の姿というのはどんなものなんだろう。



ただ、なんの悦も楽もなければ、苦痛すらも無い、退屈な日常。どうでもいいのだが、そうなった時に自分がどんな顔をしてるか興味がある。


そんな事を考えながら、家に着いた。




ふむ。



自宅から血の匂いがするのはなぜだ?





神山視点





気がつくと家のなかはもぬけの殻だった。


廻原君がまたイナイ




昨日は私の愛情を込めた夕食を廻原君はなんとかこらえた。


もうすぐで既成事実が作れたのに。


そんなに照れてるんなら私から、犯すしかないか。そう決めた私は朝飯の味噌汁の中に睡眠薬を入れた。

でも、勘の良い彼は、具の中にそれらしいものがあると悟り、私に睡眠薬入りの味噌汁を飲ませた。勿論、私は彼が逃げないように怪我をさせて捕縛しようとしたけど、先に睡眠薬の効果が発揮さればったりと眠っていたのだ。


それはそれとして、廻原君はどこ?



私を置いてどこにいるの?



ピンポーンとチャイムが鳴った



廻原君?



いや、違う。


廻原君ならば、自分の家なんだからチャイムを鳴らさずにずかずか上がるだろう。


私はさりげなく、モニターの中から外を見る。そこには高崎君がいた。



アイツはあのときしとめ損ねた奴だ。


一体、何のようだ?


廻原君に用事でもあるのかしら?


よく見ると、高崎君の顔は薄笑いを浮かべている。



私は玄関の前で、なにかよう?と言った。


「今日は廻原じゃない。お前に用がある」


私は何も言わずに彼の下品な笑い顔を思い浮かべてゆっくりとドアを開けた。



「よう、神山。そしてさようなら」



それだけ言うとかれはポケットの中からナイフを取り出して私に目掛けて振り下ろした。



いきなり、予測不能の行動で私は動く事ができなかった。



私の胸に真っ赤なザクロが咲いた…


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