第31話
萩原視点
「馬鹿な!何故、お前が生きている?」
ありえない!確かめてこそ無いが、確かに坂井の奴は死んだ筈だ!
それなのに何故。
何故こいつは私の前に現れてる?
私は夢か幻でも見ているのか…
「残念だが俺は本物だぜ萩原。俺はお前を殺す為に地獄から舞い戻って来たのさ」
「馬鹿な、ここは学校だぞ?白昼堂々とそんな事すれば、貴様はそれ相応の罰を受けるんだぞ?」
「そんな事はどうでもいい。貴様は今度こそ、俺の手で殺す」
坂井がじりじりと近寄ってくる。何故か周りに人はいない。
「そう怯えるな萩原。すぐ終わる」
私は逃げた。
逃げて逃げて逃げまくった。
なのになぜ
なぜこいつはぴったりついてこれる?
「ひゃは。萩原、鬼ごっこはもう終わりか?」
「くそ!くるな!くるなあ!」
「随分、つれないなあ萩原」
私は途中で待ち伏せをした。右手に鉄パイプを持ち、坂井が来るのを待つ。
段々と足音が近くなる
坂井の姿が見えた瞬間、私は一気に振り下ろした。鈍器で割れ物を砕いたような音がして坂井はよろめく。
だが、倒れなかった。
「くそ、しぶとい奴だ!」
だが、何度もかち割っても坂井は倒れず私に向かって、笑顔を向ける。私は言葉のひとつひとつに合わせて一回一回、鉄パイプを振り下ろす。
「…何故だ、なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダナゼダアー!」
「いーがけんに死ねよ、貴様アー!」
「無駄だ」
私の胸に真っ赤なザクロが咲いている。私は坂井の頭をかち割るのに夢中で反撃に気づかなかった。
ククク、とんだ道化だ。
私は苦しみの余り、うめき声をだす。
「ちゃんちゃら可笑しいなあ萩原。貴様は誰かを操ってる立場だろうが、俺があの日に死んだ以来、“お前は俺に操られてたんだぜ”?」
「…は?」
「理解できないか。まあ無理もない。だが真実だ。操られてるのはお前だげじゃない。廻原、高崎、斎藤、神山、藤間、こいつらも俺に操られてるんだぜ?俺が死んだ事により、貴様らどんどん変わっていった。“未来が変わってきたんだよ”」
「なら私の未来はどうなる?」
「はあ?“死”に決まってんだろ、バーカ」
「ククク…」
「ふふふ…」
『ヒャーハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!』
陽気が眩しい。
辺りを見回しても誰もいない。
私は眠っていたのか?
ならばさっきのは夢?
昼休みも終わりに近いな、教室に戻るか。
坂井の奴、死んでも私を苦しめる気か…




