第27話
斎藤視点
月が美しい夜空だ
僕と美希は今新たなターゲットを探してる。ターゲットと言っても行き当たりばったりな感覚だ。見つけ次第、殺して己の欲求を満たす。それだけだ。
手持ちには金属バット。美希の両手には目では見えにくい、ピアノ線を所持してる。
「遊輝君。コレを首元に回してキュッと絞めれば、あっという間に切断できるんだよ。面白いよ~、遊輝君も使う?」
「いや、僕は肉感的な感触が好きだから遠慮する」
「やだー!遊輝君ったらそんな破廉恥極まりない! 肉感的な感触が好きならいつでもこの体を使って、」
「死ねエロ」
さて、こんな奴はほっといて狩りに行くか。
「待ってよー!」
「見つけたぞ・・・」
「どうするの?」
「挟み撃ちだ。僕が前に回るから、美希は後ろから。最初は僕にやらせろよ?」
「りょーかーい!」
僕が前に来るまで後を付けるように指示し、僕は回りこんで、目の前の人に立ちふさがった。年は中年あたりか。目元が怪しく、どうやら酒を飲んだらしく、足取りがおぼつかない。
僕はゆっくりと頭に振り下ろした。これは挨拶程度だ。男は悲鳴を上げ、何が起きたか解らない顔をする。
この目だ。この目が僕を殺戮快楽へと駆り立てる。
ガン、ガンという音が響き、ゴキリという鈍い音がした。肩が砕けたのだろう。
男はまた、悲鳴を上げようとしたが、そこを後ろから来た美希に首元をピアノ線で絞められ、呼吸がままならない。
僕は快楽の愉悦に浸りながら何度も金属バットで殴り続けた。
やがて男は糸が切れた人形のようにばったり倒れた。
僕は満たされた。
藤間視点
正直、私は最初この行動に対して躊躇った。私は遊輝君の為なら人だって殺せるが、問題なのは彼の思想だ。突如、遊輝君は人を殺したいと言い出したのだ。理由はなんとなく。
やはり彼の脳は長年飲み続けた薬物によって情緒がなくなり、幼児退行、考える能力すらも低下し、何が正しいのかが判別つかない状態だ。
まあこんな事に加担して直、慕い続ける私の頭もおかしいのだろうけど(笑)
つい、さっきだって中年男の頭をバットで笑いながら殴り続け、飽きたのかどこかへ行ってしまった。
遊輝君は生きてるか死んでるかを判別せずに、帰るから私は処理をやってるようなものだ。
私は中年男の脈を調べるとまだそれは動いていた。
遊輝君ったら、また“食べ残し”ちゃって。
私は、中年男を抱き寄せると首の回りにピアノ線を巻きつけ締め上げた。
中年男の顔が見る見るうちに真っ赤になっていき、ついに意識が戻る。
中年男は必死で抵抗しようとしたが、遊輝君にやられた傷の性か、思うように動けない。
口からヒュッヒュッと空気の抜けた声がする。私はギュッと抱きしめながら徐々に力を入れて絞め上げた。男の顔が段々、蒼白になっていく。
ダメ
動かないで
逃げないで
私が天国に連れてってアゲル
私は一気に力を込めた。
いとも簡単に、頭部と体が分担された。
さて、家に帰って遊輝君のご飯、作ってあげなきゃ。




