第24話
斎藤視点
「なるほど、そういう事だったのか。」
藤間は僕の親がどうしていなくなったのと、藤間が引っ越した理由と、藤間の家系を聞いた。
「・・・遊輝君。私の事嫌いになった?」
いや、既に好き嫌い以前にもう親の事なんてどうでもいいし、藤間が引っ越した理由や藤間の家系なんぞに興味は無い。客人である藤間には、ちゃんとお茶と和菓子を置いている。だが奴は僕の家の中を我が物顔でじろじろと見ているのだ。
「遊輝君、インスタント食品ばかりじゃ体悪くなるよ?」
もうすでに、悪いよ。あれからどれだけ薬を飲んでると思ってるんだ。
「よし!今日から私がご飯を作ってあげる!ていうかここに住む!」
・・・・・は?
ちょっとまて。
「え?なに固まってるの?ココまで来たら、ちょっとは予想しなさいよ。私が遊輝君のお世話をしてあげるの。嬉しいでしょ?」
「ふざけるな。お前は今までどおり、薬を僕に送るだけの間柄でいい。これ以上の干渉は無用だ。」
「ふーん。でも私、副作用を無くす薬を持ってるんだけどなー。」
なに?副作用を無くすだと? 藤間の奴はこれ見よがしに薬をひらひらと僕にの前に出す。
「この薬を一回飲めば、副作用なんて消し飛ぶのよ。だから遊輝君はこれ以上、薬を飲む必要ないの。ただその代わり・・・」
「この家に住ませろと?」
藤間は満面の笑みで頷いた。
まあ悪くないな。
もので釣られるのは尺だがいい加減、副作用にはうんざりしてきたからな。
「・・・わかった。」
こいつには“協力”してもらう事にしよう。
そして僕は、副作用が無くなる薬を飲み、これで毎日苦悩に歪む日々が終わったのだ。
“協力”の事だが、もしこいつが使い物にならなくなった場合、その時は
消すだけだ
神山視点
躾はする必要なかった。
廻原君は捕まった時から、現状を受け入れていたのにも関わらず、実はというとこの檻の中から抜け出したかったのだ。
でも私だって鬼じゃない。必要な時だったら、ちゃんと枷を外してあげるのに廻原君は強情なんだから。
逃げだそうとして失敗した数日後、廻原君は妙に大人しくなっている。躾が順応してきたのだろうか?
またなにか企んでいたら怖いので次は油断しない。ていうか逃げられないのは廻原君だって身を持って知った筈だ。
私としてはこれ以上、傷つけたくないんだけど、愛する人の為だ。廻原君には私が全てだという事を解ってもらわないと。
そろそろお昼の用意が出来たので、廻原君の部屋に食事を運びに向かった。
ドアを開けるともぬけの殻だった。手足の枷となる鎖は断ち切られていて、窓から抜け出したというのが謀略だろうか。
前提なんてどうでもいい。私の愛する人がいなくなったのだ。
私は絶叫と共に嘔吐した。
爪で顔をかきむしり自傷行為に励んだ。
家の中を走り回り、体が激突を繰り返した。
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない
廻原君がいない




