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Maskedfear ONLINE  少女は理不尽を望む《更新再開》  作者: わさびねぎ魔
セカイノカタチ
44/46

 計画の全貌 準備中①

なしです。 ギリギリ10分投稿ぉぉ!!


2023/1/22(土)14:00

Zap!zap!!zap!!!


 さぁ~て、現時点の情報を整理しようかな。


 まず、私達の所有している情報から。


 まず、相手は私達の容姿と私の声が分かっている筈だ。

如何に《無人偵察機》を破壊したと謂えども、カメラアイとマイクに捉えられた映像と音だけは知られている。


 ならばここから私が成すべき事はこれ以上相手に情報を渡さず、そして如何に私たちに都合のよい状況に発展させることが出来得るか、だろう。



 そしてこれについての大まかな方針というものは既にある。即ち、声色を掴み所の無い中性的な声へと変じさせて事前に作成していたローマンの羽を用いた雨合羽を私が羽織り、姿形のその全てを隠し通して相手を人質に取り尋問に掛け、 接触することで何れは知られるだろうと判断して相手に情報を渡したあの村を保護するための手段として人間一人を人質として供出する必要がある。



 その上で私たちは使い捨てられる適当な名前を名乗っている為に、幾らでも正体を隠したまま相手に接近することができるのだから、後は私たちがこの山から逃げ仰せた後にあの者達の手の届かない場所へと避難できれば完璧だろうか。


 つまりは私たちの作戦目標は、最低でも人質を一人確保した状態で相手と接近不可能なほどの距離を取りつつ相手へと情報を渡さずにこの山から逃げ出すことにある。



 ならば人質を取るという行動に出るのは相手に容姿と声を知られてしまっている私が行うこととしようか。

 もし仮に私ならば正体を知られてしまったとしてもさほども不利になることはないだろう。いざとなれば私は自営はある程度出来るのだから。



 ならば私たちの役割は私が奇襲で人質を確保しローマンは私のサポートをすることと、ヒメハナバチは奇襲作戦に驚くほど向いていないであろうから連絡をつける係にでもしようか。


―――限られた時間の中で素早く考えて、考えて、考えて。


 辺りには少しずつ伸びてくる影に対する憔悴感が漂い、影は確実に 這い摺り獲物が掛かる時は今か今かと待ちわびている。

       

 二人と一匹の心に焦りが満ちてくるが、麗奈はじっくりと慎重に作戦を組み立てていく。


麗奈が導き出した作戦は―――


「私があの少し背の高い木の上から奇襲を掛け人質を確保するから、ヒメハナバチはさっき渡した結晶体を使って私に信号を送って」


―――まず、タイミングを合わせての奇襲を為すために合図を送って貰うことは必須。少なくとも、確実に不意を討てるタイミングは必須。


「分かった~。でもぉ~、昼はともかくとして夜でさえもこれだけじゃあ光の反射が足りなくて全然光っているように見えないわよ~」


 だがそれに対して、最も基本的なところで欠陥があるとヒメハナバチは麗奈に指摘する。『合図も見えなければ意味がないのだからこの作戦は不可能』だと。


 しかし、麗奈は底抜けた間抜けではないのだ。

当然それに対する回答も用意してある。


「分かってるよ。だからあの車があるんじゃない。あの車のライトとバッテリーを取り外して、強力な懐中電灯にしてしまうので問題にならないよ」


 つまり麗奈は、車両を徹底的に解体し必要な部品を取り出した後はこの場所に放棄する予定でいるのだ。


「次にローマン」


 麗奈はさっとローマンの手元に視線を遣ると、素早く何かを確認し車がある方向へと視線を流す。


「応!」


 ローマが気合の入った声で返事を返し麗奈の瞳をジッと見返す。


 好奇心とワクワクが抑えられないといった子供らしい表情(の様に麗奈には見えたが鶏顔なので良く解らない)感じに溌剌としていて元気が有り余っているという様な感じがなんとも頼もしい。


 体だけはゴリゴリの成人男性を超える巨体であり筋力に優れ、知能も鶏人の平均よりは遥かに高いであろう為に、麗奈は少しだけ頼もしさを覚えた。


―――この気合いなら任せても大丈夫そうかな。


「ローマンはあの鉈を車から取ってきて適当に頑丈な棍棒でも作っていて。それで殴ると人質を取る前に殺してしまうから手加減用の武器に最適なヤツを人数分、ヒメのヤツは長めで太くお願い」


 麗奈はこれならば物の加工も少しは出来るだろうと考えて、自身で行う予定だった作業を一つローマンに任せることにする。


「応!あー、ところでよ」


―――え?なに?………まさか出来ないとか言わないよね?やめてよ………?


「なに?時間が限られてるから早くして」


「コン↑ボ↓ウ→って、なんだ?あと、ナ↑タ→は、なんなんだ?」


「えー。いや、うん。そっかぁ、ソコからだよね」


「?」


 と、そんな風に麗奈が珍しく普段より少しだけ楽観的になっている処に、少し気分を乱すようにローマンの質問が入る。


 そのローマンの純粋で素朴な疑問に、麗奈は質問に気分を乱されてしまい少しだけイラついてしまったことを知る者は居ないにも関わらずに恥じ入る想いだ。


―――えーと………?何て説明すればいいんだろう………?原理を詳しく説明してもわからないよね………。


 麗奈は、どうすれば短時間でわかりやすく自身の意図を伝えることができるかを思案する。そして、一つの結論に至りそれを口にした。


「えっとね、棍棒は持ちやすく加工した太い木の枝くらいの棒状の武器とか道具の事なんだけど、ローマンの持ってるその鉈………鉄の板は、硬くて鋭いモノは柔らかいモノを二つに切り分ける"刃物"だから殺しちゃうでしょ?」


―――んー、やっぱり少し解りにくいなぁ。やっぱり私は説明とか向いてない性格なんだよねぇ。あんまり経験無いし。


 麗奈は我ながら拙い説明だと思うが今はこれ以上の説明を思いつかないのだから、時間も限られていることだしこれ以上の説明は無駄だろうと考えて次に質問が来たとしても答えないことにする。


「へー、成る程。ただの棒切れじゃないんだな?初めて知ったぞ………。包丁と、料理ってェ言葉は知ってるが、"刃物"か。新しい知識だな!」


 ローマンは今まで知らなかった未知の事柄について触れる事が出来て嬉しそうにしている。


―――なるほどローマンは説明を理解したいんじゃなくて、未知の事柄を知りたいだけみたいだね。なら、簡単だ。 私は説明が苦手だけれども自分の考えを口に出すことだけは得意だ。


―――ローマンが理屈っぽい性格でなくて本当に良かった。


 麗奈はローマンの性格がわかりやすく単純であった事に感謝する。どうやら、自分はこれからいちいち質問される度にローマンが理解するまで説明しなくてはならないという事は無いのだと思ったからだ。


―――それじゃあ次。姫は力があるから細かい作業の無い力仕事が適切。なら、ヒメの担当は………


「ヒメは先にバッテリーとライトを車体から外して、ついでにガソリンタンクを運んで。時限発火装置で山火事を起こして目眩ましにする。ヒメは発火装置の起動を担当する事になるから、後で扱いを教えるよ」


―――と言ってもローマでもできるような単純な事だけれども、ガソリンを扱う発火装置である以上羽毛でフサフサのローマンには動かせられないからね。


 麗奈はガソリンの染み込んだ羽毛に派手に引火して丸焼きになり焼き鳥になるローマンのコメディを想像しふふっと笑う。


 ローマンは未だに棍棒と鉈という新しい知識について考えていて全くその表情を目に入れていない。もしその表情を目に入れていたら、野生の勘で怖気が走った表情共に、鳥肌(鳥そのものであるので、表現として可笑しいが気にしない実際は羽毛を逆立たせる)を浮かべていたことだろう。


 ヒメハナバチは麗奈のその珍しい表情を見て少しだけ嬉しそうである。


―――やっぱりたま~に見せるこういう純粋な笑顔は可愛いんだよね。麗奈は顔は良いんだけど、かなり性格がねぇ


「じゃ、私はソレを持ってくるわねぇ~。ロゥは何をするのかしらぁ~?」


ヒメハナバチはフフフと不敵に笑いながら、麗奈をニヤニヤと見つめ車両のある方角に去っていく。


「私は周囲を下見かな。徒歩と車両の組み合わせで動く現時点での文明における軍隊の行軍なら、多分此処までなら四十五分程度掛かるからね。準備に余念は遺さないよ。文字通りに命取り、遺しモノになるからねっ!」


 麗奈はその表情を認められたことに気づいていて、それを誤魔化す為に普段はしないであろう微妙なボケをかまして話をそらす。


―――今の表情は見られたくなかったなぁ。自分らしくもない。


「笑えないわよ、ソレ~!」


 ヒメハナバチは玲奈の大胆な誤魔化しに一応は反応を返す。それはどことなくわざとらしい。


―――ふふふ。やっぱりこういうところが可愛いんだよね~。


「よし、なら俺様は筋肉に任せて伐採してくらぁ」


 そしてそのやり取りに反応したのお前はさと我に返りそう提案し雑木林に去っていった。


 ――麗奈が下見を終え、バッテリーとライトを取ってきたヒメハナバチを合流した頃。


「よし、この辺りかな」


 そう言って麗奈は岩場のある雑木林の一角を示した。


 この場は斜面も緩やかで《汚濁物》で汚れてもおらずまた水に濡れてもいないという比較的潜伏場所としては好条件な立地であり、また遮蔽物によって相手側からはほとんど見えることはないだろう。


「あら、結構見晴らしが良いわねぇ。大丈夫かしら?」


 しかしヒメハナバチの指摘の通りそこはそこに潜む川軽くすれば見晴らしが良いスポットであった。


―――高低差があったとしてもそこまで酷いものではないのだからここぐらいなら相手からもよく見えてしまうではないのかしら。


「大丈夫だよ。向こう側からは、岩場に屈めば見えない筈。あと、此処なら安定して機材を設置できるから、此処しか良い処がないからね」


 しかし麗奈はそれを否定する。

麗奈は自分からはよく見えるのに対して、相手側からは殆ど見ないスポットを選んだのだ。


「ゴツゴツしてるわねぇ~。身体が痛くなりそうだわぁ~」


 しかし、仮にそうだとしてもヒメハナバチには其所を避けたい理由がもう一つ一つある。


―――もう一つというよりむしろこっちが本命なんだけどね。


「まぁ、其所は我慢して。大丈夫、長くて三十分だし、逃げるにも安心して良いから」


 麗奈自身もそう思うところはあるのだろう。


 麗奈は否定も肯定もせずに曖昧に誤魔化した。


―――ヒメの言い分も解らないいではないけれども、ここは潜伏場所としては最高の立地なんだよねぇ。残念なことに。


「貴女の言う事なのだから、まぁそうなのでしょうね………でもねぇ………」


 麗奈の言い分に、一応は納得の姿勢を示しつつも、ヒメハナバチは未だに不満そうだ。


「まあまあ。その身体は堅くて丈夫でしょ」


 麗奈は言うことが見つからなかったのでとりあえずは勢いで誤魔化す事にしたようだ。


 何しては先程からヒメハナバチにばかり忖度をさせて、譲歩させてばかりである。


「こーらっ!!乙女になんて事を言うのかしらぁ!?」


「おっとっと、いけないいけない。じゃぁ、まぁ、そんなところでよろしく~」


 麗奈はこれ以上話していては時間ももったいないのだからここで話を打ち切るべきだと自分を納得させて勢いよく走り出した。


「こらーっ!まちなさぁ~い!!」


 それに対して巨漢のオカマたるヒメハナバチは、普通の女の子がやると可愛いのであろう可愛いポーズと振る舞いで怒ってみせる。


「ごめ~ん!」


 麗奈もさすがに良心が咎めたのか平謝りを残して去っていった。


「もう、全く!!本当に全く!全く!!………まあ、良いわ。はぁ、憂鬱だな~」


 誰も、彼以外いなくなったそこではヒメハナバチが自身の素を取り戻して"彼女"へと戻り、ロールプレイを中断し憂鬱だと独り言を溢していた。

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