The Heaven phase 13-2
2022/10/11/8:00«改稿»(済)
今回は前回の続きからです。
昨日の分の補填で早めに投稿します。
はい。
あれから必死に村を駆け回り焦げ茶の鶏人間ことローマンを見つけ出し誤解を解きました。その過程でなりふり構わず鶏人間達に聞き回ったことから、警戒はとっくのとうに止めている。
何故って?そりゃあ、無駄だと分かったからだ。ここの住民は基本的にとてもおおらかな性格をしていて、例えば私が初対面の時にローマンの居場所を聞いた時などは…
「少しいい!?ここに焦げ茶のやつが来てない?」
「あら、お客さんお目覚めになられたのね?ロマンなら、さっきそこを左に行ったわよ?」
「ありがと!」
「いいのよ~、これくらい。気を付けて行ってらっしゃいね?あの子は少し過激だから……あら?」
「おーい、どうした?エンキ?」
「あら、あなた。さっきお客人がね……」
このようにとても人間らしい反応をする鶏人がローマンの行方をしらせてくれる。集会場らしき場所に迷い込んだ時など……
「はっ、はっ、はぁ。ここ、どこ……」
「おや?これはこれは、お客人。ここに何用で?」
「別にここに用はないんだけど……」
「はて?それでは何用でここへ?」
「焦げ茶の……ロマン?ってのを探してる」
「ロマン?はて、その様な者はこの村には……ああ、確かロマヌスの渾名ですな。生憎ですが、 あのやんちゃ坊はここには来とらんですよ」
「そう、ありがと。じゃあ私はこれで……」
「少し御待ちくだされ」
「なに?これでも急いでるんだけど」
「あやつはここには来とらんですが、居場所には心当たりが御座いますよ。御聞きになられては」
「そうなの?それってどこか教えて貰っても?」
「勿論。あやつは珍しいもの好きでの、とりわけ人間の持つ技術がとても気に入っておる故に、おんしらの乗ってきたあの鉄の箱はあやつの大好物じゃろうて。そこに行けば会えるかものぉ」
「そっか、分かった。行ってみるよ」
「ほっほっほ、気を付けてのぉ、お客さん」
タッタッタッタッ
さっきの人達と話していて、とても穏やかで警戒心が失せる。分かり安く好意の感情を見せ、敵意の欠片も無い。
………短い会話だったけど、悪意の欠片も感じなかった。
「……なんだろう、人間より温厚かも」
「おぉ?これはなんだ?まるで凪いだ水面の様に、俺様の顔を写しているぞ!こっちの透明な板は水晶か?それにしては硬くて不純物が無い……」
「やっと見つけた!」
「あん?誰だァ?言っとくがコイツは俺様のモンだからな、やれねぇ……よ?」
「それは私の物だからね?アンタに上げてないから」
「えー、マジかよ!俺様ァコイツがすげぇ気に入ってんだ がよぉ、マジにくれねぇのか?人間よぉ」
「当たり前でしょ、それは私達にの脚だなんだから」
「脚だぁ?お前ぇには立派なの付いてんじゃねぇか」
「あー、うん。そういう意味じゃなくてね?それ位私達にとっては欠かせないモノってことだよ」
「なんだァ、人間ってのは面倒な言い回しすんだな」
「昔慣れてるからね。ところでさっきの事で……」
「おお、そうだった。いやァ悪ぃ、邪魔したよな」
「それ誤解だから、私とアイツ……ヒメハナバチは、 そういう関係じゃないから。勘違いしないでね」
「お?そうなのか?でもあの声だろ?」
「あれは擽ったかっただけ。そんなんじゃ無い」
「あー、そうか。そりゃ悪かったな、すまん」
「分かってくれたらいいよ。そもそも、気にしているのは私だけでアイツは面白がってるだろうし」
「それで、ここまで来れたなら、連中と会ったろ?お前さんから見てどうだ?連中やヒヨコ共はよ」
「……特に賢そうな人達は殆ど普通の人間と変わらないね。どころかもっと感情豊かで私には馴染みやすい人柄だったかな」
「だろ?アイツら以外はちょっとばかし頭が弱くてなぁ、俺様や一部の奴らはアイツらとは別格で頭が回るんだわ。まぁ、村の爺さん連中には勝てねぇがな!爺さんらや俺様は狡い処があるが、アイツらは悪巧みが下手でな、ガキの頃にする悪戯も小さい。だが、そんなところが俺様は好きなんだがな!」
「……あー、ちょっといい?」
「なんだ、人間?」
「物は相談なんだけどさ?例えば……」
……アンタの家泊まってもいい?
「おー、お?そりゃどういう意味だ?」
「そのまんまだよ。アンタの家に泊めて?」
「あー、別に構いやしねぇが、どうしてだ?」
「アンタも変な生き物がそこら辺を闊歩してるの、知ってるでしょ?あれは生物が無理に進化してるのを見たことがあるから、こういう田舎なら人間が少ないから都市部よりは安全かなってさ」
「あー、そうか。だがよ、ここもそこそこ生き物は居るぜ?そこはどう考えてんだ?流石に三人分の食扶持は持てねぇから、自分で採って貰うが」
「そこは大丈夫。車があるから街から適当にね?」
「そうか、コイツはお前さんらの生命線って訳かい」
「そうだね。だからこれは上げられないよ?」
「安心しろっての。折角お前さんらを助けたのに、 今さらなにもしねぇよ。なんも出来ねぇしな?」
「そっか、ならいいよ。これからよろしくね?」
「おお、よろしくな。俺様はローマン、略して、ロマンだ!こっちの方が好きだからロマンって呼んでくれな!それで、お前さん名前は何だ?」
「私?私は、そうだね……」
……何が良いだろうか?名前はあるが『それ』は私の本当の名前、この世界での名前は未だに無い。
そこでふと視線を落とすと、脇腹が丁度目に入る。
―――そこには、まだ塞がっていない傷が隠されていて………。痛みが、じんわりと滲んでいる。
傷か。
2000年代に実在したとされる英語で、Scratch又はwound………だったかな。あまり自身がないけれど、今の時代に指摘できるほど歴史に詳しい人間は極々珍しいだろう。………ならば適当に名付けてしまってもいいだろう。
英語で女性はwomanと言うそうだから、発音的に近しいwoundが響きが良いだろうか。
ただ、古代語学など知っている人間は少ないか発音を日本国統一語に直して……
「ウォンド。私の名前はウォンドだよ、ロマン」
「そうか、ウォンド。よろしくな!」
――そして今に至る。
「止めとけば良かったかも。はぁ……」
はい、これにて第一章完結。
次回から第二章、村での生活と街での活動です。
ちょっとばかし構想を練るのに時間を頂きますので
更新が遅くなるかも知れませんが、そこはきっちり補填しますので御心配無く。
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