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Maskedfear ONLINE  少女は理不尽を望む《更新再開》  作者: わさびねぎ魔
0日目 プロローグ HELLO UNDERWORLD
19/46

The Heaven phase 12

 今回はガチガチの戦闘描写にしてみました。

コテっとしたちみどろの殺し合いを御堪能下さい。


 畑の間に通された細い人間一人分程度の、雑草の疎らに生えた道で睨み合う私たち?私と一匹?は、

笑いすぎて固くなった身体をほぐしていた。


「……」

「……」


 それはもう無言で睨み合う。距離を詰め、間合を取りを繰り返し行う。

左手を前へ構え右を胸元に引き付け、安定して構えをとる為に股関節を広めに広げる。


ザッ!

シャリ

ザッ!ザッ!


 相手は焦げ茶の羽毛をもつ鶏人間であり、

体格は190cmはあるだろうかという程だ。

加えて、相手は武器を構えている。

もっと言えば元は鶏なのだから、当然胸骨が正面に

付いているだろうから正面からでは正中線にある主な急所への打突は決定打に成り得ないだろう。


ザクッ!

ジャッ!

ザッ!

タンッ!


 こうしてステップを刻み隙を伺う私に対して、

相手はどっしりと構え動かない。

ステップを刻まずにての動きと武器の揺らめき、

上体の僅かな動きで牽制されている。

この時点で十五秒ほどそうしていただろうか?

私はステップを刻むのを止めた。


ガッ!

「!」

「!?」


 間合を一気に詰める。

踏み込み、喉元への鋭い一刺しを…せずに


クルッ

ダッダッダッダ


…相手が誘いを警戒し様子を見ながらゆっくりと、確実に間合いを詰める暇を与えずに走り抜ける。


「ハァ?」

「……!」


 それはもう一心不乱に脱兎の如き逃走だ。

そこに戦意は欠片もなく、本気の逃走だ。

私は猛然と来た道を戻り川のほとりに沿って走る。

このまま逃げ切るつもりだ、仲間を見捨てて…





 …少なくとも相手にとってはそう見えただろう。

圧倒的体格差、生物としての構造の違いという明らかな理不尽。戦闘を放棄するには十分な理由だ。


 しかし、だ。私はその程度で逃げはしない。


 当然体格差は健在であり、その明確な違いは私に牙を剥くだろう。それは変わらないが、はっきり言って奴はそこまで闘いが上手い方ではない。

圧倒的なアドバンテージがあるからこそ私の攻勢を軽く流せていただけであって、決して奴が上手い訳ではないのだ。


ガッ!

ザザッ

「はぁっはあっ」

「フゥ、フゥ」


 私と奴は一人と一匹再び睨み合う。

互いに呼吸は荒く、疲弊している事が分かる。

それもそうだ、ここまで全力疾走約50m程。

一般的な体力テスト程度の距離を走ったのだから。


「フゥッフゥッ」

「フゥ、フゥ」


 移動を止めて、再び睨み合う奴と私。

動きを止めると筋肉に乳酸が溜まり疲れが溜まり、

先程よりも呼吸が荒く、短く乱れていく。


 対して、奴の呼吸は荒くはあるが一定だ。

先程も余力を残していたのだろう。慎重な奴だ…



 …それが命取りになるとも知らずに。


 

 私は変わらずステップを刻むのを止めない。

奴も先程と同じくどっしりと構え……ない。

様子を見ながらではあるが、着実に間合いを詰めるべく前進している。


ザザッ

ザクッザクッ


 勿論私も下がるばかりではない。

時折攻めると見せかけて身を引く事で相手の警戒を

誘発する。これは布石…決まれば勝てるがどうだ…乗ってくるか?

出来れば相手の呼吸が整う前に決めるべきだが……


「ッ!」

「ヴッ」


 相手が僅かに攻め気を見せた時肩が上がるように

呼吸をとると、相手が垂直に踵で蹴り込んで来る。

脚を捕ろうとしたが滑らかな表面により滑り掴み損ねるがギリギリ右手で受け直すが、奴の鉤爪が私の

横腹を切り裂く。大きめの裂傷になる前に終わらせなければ、私はここで終わりだろう。


「あァッ!」

「ヴッ!」


 なので最後の気力を振り絞りタックルを仕掛け、

相手の体制を崩すことを狙う。勿論、相手も対応してくる事は分かりきっている。

しかし、先程の特徴的な蹴り…膝を曲げずに真っ直ぐに伸ばし放つ踵での蹴り…は隙が少ない蹴りだ。

それでもその直後には隙があり、私はそこを狙う。

何故なら、ここで対応出来る技は限られるからだ。

素人は身体ごと相手に近づけ攻撃する為に読めずに

不意の一撃を貰うことは以外に多い。

これはそれと同じで不意討ちになっているのだ。


ダンッ!

「っ!」

バッ


 とれる選択肢は大きく分けて3つ程だ。

カウンター、回避、防御。

ここで相手が選択したのは、カウンター。

だが、唯のカウンターではないようだ。

最速のカウンター、アッパーを繰り出す。

相手が決め手に選んだのは脚撃ではなく、打撃。

今、私の身体の側面を回避しボディに渾身の打撃が沈み込もうとしたその瞬間。


バンッ


 私は衣服が弾けたような音を出す程上体を回転、

相手のボディブローを打撃点を逸らす事で受ける。

そのまま相手の腕を掴み、力んだ腕を伝って首に力を加える事で平衡感覚を乱すと共に身体の防衛反応を引き出し硬直させる。


「はあっ!!」

ダァンッ!!

「ガぁァッ」

ゴッ!

 川岸に埋没していた手頃な岩に顎を叩き落とす。

焦げ茶の羽毛に覆われた首から快音が響く。

しかし奴も一筋縄ではいかず、野生の勘だろうか?それでも尚受身をとり構えをとろうとしている。


「そ、れでも、ね。私の勝ちだよ。はぁっ、はぁっ」

「ヴゥッ…!ヴォエッ」

「私は君をそこの岩に叩き付けた。でも君はあまりダメージを貰っていない。そう言いたいんでしょ」

「ゾゥダ、オデハ、ブァダ」

「でもね、良く考えてもみなよ。私がそんな温い事すると思う?戦って、私がそうだと思う?どう?」

「……!ミズカ!ダガオレハ!」

「そう、君は鶏。水鳥だからね?油分を含んだ羽毛は水を弾き、自ら水面に浮かび上がる。体温低下や川の流れでの体力消耗や高低差。おまけに、君には

浅すぎて潜れず立つには深い。そんな程度の妨害。

君の身体能力や身長差、武器の間合いを考えれば、せいぜい蹴りを封じた程度かな?……普通ならね?」

「ナンダト?……!」

「気付いたかな?そう、君の手には武器がない。

何故って、私が捕ったからね。それで君の脚を突いたんだ。気付かなかったでしょ?私の得意技、

ディザームカウンター投げだよ」

「ソウカ……オレサマノハイボクカ……」

「そうだね、私の勝ち。君の敗けだ」

「人間よ、こんな言葉を知っているか?」

「なに?いってみてよ、負け犬、いや負け鳥くん」

「敗けを認めぬ限り、敗けではない、とな!」

「クふふっ、君は最高だね!いいよ、いいよ!」

「だろ?やっぱ、俺様達はいいコンビに成れたと、そう思うぜ。つくづく運がねぇや、こんないい女ァ殺さなきゃならねぇとはな?」

「それ、もしかして口説いてる?残念だけど、私はどうしようの無いジャンキーだからね。君の最後のプロポーズには返す答えが無いや。ごめんね?」

「そうか……あァ、最後までこれかよ。全く。

女運の悪さは最後まで変わらねぇなァ!」

「あの世にはいい雌鳥が居ると良いねぇ!」

「「ェアアァァァァ!!!」」


 私と奴は一人と一匹、真っ直ぐに向き合い。

渾身の右ストレートを互いに構え、全力で打つ。

私は今この瞬間、奴に対して今までに無く最高にトキメキを感じている。


 ……私と奴の拳が、最強の威力で交差する。

この一撃で私は倒れ、奴を殺す。この拳炸裂した時どちらか片方、もしくは両方が死ぬだろう。


「「ァァァァァァア!!」」


 私達は凄絶な豪笑を浮かべ、互いの顔面で互いの

全力を余さず受け止めるように、相手を受け入れる様に目を見開き、相手の拳とその奥に見える顏を、

目に焼き付けながら夢を見るような愉悦に浸り……


「はい、そこまで」


バァンッ!!


 横合いから飛び出してきた長身のオカマに、

顔面から地面に叩き付けられ…渾身の右は地面に…

全力の拳を無防備に受け入れようとしていた私達は

もろにその衝撃を受け、あえなく意識を手放したのだった…





 …そんなのってないじゃん。

 はー、疲れた。しんどい~。次の回はのんびりにしたいわ~~。


はい、愚痴はここまでとして。


次回更新は二日後、22日「金」を予定しています。

どうぞよろしくお願いします。



 お楽しみいただけましたでしょうか? 

もしよろしければブックマークと感想、共有などなど、どうぞよろしくお願いします。


 追伸:御意見、御感想募集中!

バシバシコメント下さい!作者のモチベーションに、

ちょっとばかりの幸福にも繋がります!

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