The Heaven phase 4
今回はグロい描写やホラー要素は皆無です。
それではどうぞ!
所変わって現在地はカーショップ。
路線図から見つけた市役所で拝借した地図を見て、近場のカーショップに来ていた。
ここを選んだ理由は、まず第一に足の確保だ。大きな駐車場のあるモールも候補に上がったが、ひとけのない場所の方が良いと考えてやめた。
化け物の目的を考えれば、あれはひとけのある場所こそ多く滞留していると思えたからだ。それに、理由はもう二つある。それは、資源だ。
メインは車とは言え、カーショップ。
カーナビ等のオプション、ガソリンも資源として見込めるだろう。自転車も足として考えたが、そういった店は修理も行うために、住宅街に近い場所にあることが多い。人気が多いということはイレギュラーが多いかもしれない。
同じ理由でカスタムショップも候補から外した。
残る懸念は化け物の数だが、ある程度の規模を越えた施設でなければあまり変わりはないだろう。それでもなるべく危険は避けるべきなので、表通りは避け裏通りから勝手口より侵入したが。
鍵が開け放たれていた裏口を潜ると、入ってすぐ、近くの棚に身を隠す。聞き耳をたて、安全を確認する。
「さて、音はなし、匂いもなし、敵は見えずか。おそらく表通り側はしまっていて、勝手口から化け物は入らなかったからいないってこと?でもそれなら、何で従業員がいないのかな?」
唯一と言って良い不振な点が従業員が居ない事。
展示や装飾、照明や内装なども通常営業といった、まるで何事もなかったかのような有り様。
まるで、従業員だけが居なくなったようだ。
「何かしらあったのは確実かな。でも、周りにはなにも危険なものはなさそうだし。まさか、いち早く気付いて避難したとか?だとしたら、何処に行ったんだろう?」
この周囲に安全な場所があるとは思えないし、たかだかカーショップの店員に緊急避難を実行する行動力があるかもわからない。少なくとも状況から見て、そこに合理性等感じず、皆でお散歩やサボりに出たわけでもあるまいし、必然私の知らない何かによって生まれた必然性の結果なのだろう。
つまりは、ここにいれば安全ということはなく、また私もその何かにここを追われる様な何かしらの原因に直面するという事が分かった。
「と言ってもまずは調達して、一応パソコン動かそっかな?まだ通話でもなんでも回線生きてると良いな。まぁ、何にしてもまずは一つ一つコツコツとね」
そうと決まれば即行動。
時間は有限、無駄にする余裕はないのだ。
まずはバックヤードから探索する。
バックヤードは荷物の多い通路といくつかの部屋、火災報知機と蛍光灯、消火器等があり、
部屋はそれぞれ事務室、金庫室、休憩所、倉庫等があるようで、まずは金庫室から優先して探索する。
壁に取り付けられた金庫から車のキーを確保し、事務室から拝借した椅子に使われていた布切れで
紐を編み、鍵の穴に通して輪を作り首に掛ける。
音がならないよう、普段は服の内側に入れておく事にする。
事務室からは他にも使い捨てライターやインク、ボールペンや定規、空のペットボトルと空き缶、ウォーターサーバーから飲み水なども確保できた。
他にも粉末コーヒー、使いきりのミルクや砂糖、コーヒーフィルタなど。
これらは一見要らないものだけど、実は今後喉から手が出るほどほしくなるものだ。
コーヒーはカフェインを多く含み、覚醒効果がある。事務所に置かれていたものは珈琲の乾燥粉末ではなく珈琲豆の粉末で、ビタミンが多く含まれる安心して飲めるものとして貴重だ。これだけでも今後助かる事もあるだろう。
それに加えて、砂糖とミルクだ。ミルクは正確にはコーヒーフレッシュやコーヒーミルクと呼ばれるもので事務所にあったものはポーションタイプと呼ばれる液体タイプだった。植物油と脱脂粉乳が原材料でシュガースティックよりは長持ちしないだろうが、砂糖と酸化防止剤としてビタミンCが添加せれている栄養豊富な水分でとてもありがたいものだ。
砂糖は長持ちする甘味料。純粋な糖分の塊は、これから手に入りずらい。水に混ぜ入れれば水分の吸収率が大きくなり、脳の働きも良くなる他に娯楽用品でもある。 被災した場合などでは、此処にある職員用のシュガースティックとコーヒーミルクはそこそこ貴重だ。
幸いにして、私のこの身体は満腹らしく水さえあれば一週間は生き延びるだろう。7日もあれば、何処ぞの海辺にでも出て貝類でも見つけられるだろう。其の為の車を確保しに此処へと来たのだから。
「さて、集めたはいいけど持ちきれないから、入れ物を調達しないとね。なにかあったかな?」
先ほど調べた限りでは入れ物はなさそうだった。
ならば、もう一度探索するまでだ。一番入れ物がありそうな事務室から再探索する。
事務室からは女性モノの手提げカバンが出てきたが、これは使えない。何故ならばこれには仕切りがなく
内容物が擦れあって音が出るからだ。せっかく街に居るのだから、もう少し良いものを探したい。無ければ無いで諦めは付くが小分けにできる袋は是非とも確保したい。
さらに、もっと大きな問題として手が塞がるのが大きい。肩に掛けても安定性に欠ける。運搬に使う体力も大きいだろう。
ということはだ。
私はないものねだりをしているということになる。しかしながら私は一般的現代人ではないので、ある程度の柔軟性がある。
「何か布状のものがあればいいんだけど」
「え、これって」
「懐かしいなぁ、確かこれはゴムと硫黄の化合物なんだっけ?骨董品好きのおじいちゃん先生が見せてくれたっけ。今は何処にも設置されてないよね」
怪しい白い粉から食物を作るフードプロセッサーから出てきた食べ物を啜る一般的人類とは違い、玲奈は何と食材から食べ物を作ることができるのだ。天然物の食材のない今の世の中でこれがどれだけ凄いことかおわかりいただけるだろうか。
「えーっと、確か事務室にハサミがあったよね?」
「あ、あった。確か、右利き用と左利き用があるんだよね。これは右利き用、かな」
「普通の人は刃物の扱い方とか、切断がどういうものかも分からないんだろうなぁ」
なぜ、私が刃物の扱いや料理を知っているか。それは、私が趣味人で暇な時には古い時代について勉強したからだ。
マテリアルを生成する行為が機械に代行される今となっては、こういった生成方法は余裕のある家庭が趣味として習うこともあるかな?という程度で、一般には武器の類を知り一部の一般人が優位に立つことが無い様に秘匿されている。規制を掛けられ厳重に管理され、一般には全て機械が代行するために、料理に使うナイフでさえ知らないものさえいて、料理できるものなどほぼ皆無。食器も、液体食料を注ぐカップしか見たことのないという人も居るのだから。
「よし、できた」
つまり私はそこそこ裕福だ、ということである。
今の世では、働かなくても食べられることは当たり前ではあるが、それでも資本に違いは出る。
先祖が財を築けば築くほどそれが維持され、裕福になれるのが今の世の中である。
つまりは私はそこそこの家のお嬢さんなのだ。
まぁ、家からは勘当されたけどね。
「動物の革みたいだけど、厚みとか一定だから別の素材だね。合皮っていうんだっけ」
玲奈は手提げ鞄の両端に穴を空けると、椅子から切り抜いた合皮の帯を通して固く結んだ
「完璧!耐久面に不安はあるけど何処かからいい感じの鞄を手に入れるまでなら保つでしょ。もっと丈夫な素材だったら最高だったんだけど...。でも、物を入れて持ち運ぶくらいならわけないでしょ」
そして、適当でやっつけ感あふれる作業の後、
私の手によって襷掛けの出来る帯の付いた袋が出来ていた。
次回も探索の続きです。
次回以内に探索を終わって次のシーンに進めるかは
よく分かりません。
気長に待ってくださいね( ^ω^ )
《2022/9/11》14:10 改稿(済)
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ところで、顔文字ってキモいですかね?
筆者はあまり使いすぎないようにしてますが、
知り合いの女の子にキモい!どうして使うの!?
と言われてしまいました。
皆さんはどう思います?もしや、私は世間一般での所謂ゲロキモオジサンなのでしょうか。
( ´⊇`)




