The Heaven phase 3
今回も引き続きオープニングイベントの続きです。
登場人物が少なくて、説明パートになってますが、
進めていくうちにどんどん合流させていきます。
今暫く、お付き合いください。( ノ;_ _)ノ
「ふぅ」
程なくして。
私はすべての人面甲虫を倒し、吐息を漏らした。
しかし、それもつかの間。すぐにでも行動を開始。
一刻も早くこの場を離れるため、中腰で姿勢を
低くしながら、慎重に素早く移動する。
「ふっ、ふっ、ふぅ」
先ほどの戦闘で消耗した体力の回復のため、比較的安全そうな窓のない壁面に囲まれた路地で警戒を強める。まずは邪魔な雑音である荒れた息を整えると、改めて今現在の状況の整理をする。
まず、先ほどの怪物だ。
熊から生えていたあの花が媒介源として機能していたが、怪物を発生させていた様子はさながら通常の植物のような生殖行動に近しい。恐らくは、何らかの寄生体と思われる。
あの"脈動する花"は、周囲に青褪めた体液を撒き散らし、白く細かな粉末を噴出し、青褪めた体液は粉末と触れ合うことで怪物を生んだ。その姿は人間の頭部を茨で包んで単眼を植え付けたようで、生まれた直後から奇っ怪な叫び声を響かせ人を襲った事から、攻撃的な本能で人を襲う生態だと解る。
一瞬で人間の成体程に成長したことから、細胞分裂に日毎の限界がない可能性や細胞毎の分裂が早いために寿命が短い可能性もある。最悪なのは、細胞分裂によるプロメアの損耗が無い可能性があり、老衰で死ぬことがなければ厄介だ。
その発生源は熊の生息地である森や山だろう。あの植物が単独移動能力を獲得しているかは定かではないが、あれが植物だというのなら精々が蝿取草程度の運動であると考えられるからだ。光合成を用いて植物は成長するが、動物のように獲物を狩り消化しなければ動物の肉体は燃費が悪すぎる。
いや、もしかしたら巨大な虫でも現れてそれを食していたのかもしれないが、あの植物には観たところでは消化器官が見て取れなかった。熊の身体に埋もれているのなら可能性はあるが、それならば熊の消化器官があるのだから寄生植物に消化器官は不要なはずだ。
あの熊の下半身が消失していたのはもしかしたら寄生体に消化されたからかもしれないが、しかしそのように重要な器官を選別し不自然な姿に貶めても生き残る状態を作り出せるだろうか。
熊の下半身がなかったのは、怪物の仕業か寄生した時には既にああだったかだ。
しかし、恐らく後者はないだろう。
それは、あの熊の肉体ががまだ新しく、骨や内蔵は綺麗で折れた跡や千切れた跡がなかったからだ。
何らかの外的要因で損壊したにしてはあまりにも不自然なことに内蔵に不足はなかったのだ。
まるで、生まれつきそうであるかのようだった。
だが、それはない。そんな熊は生き残れない。
となれば、後は前者だろうか。何らかの必要性にて、あの花が熊を変異させた、というのが妥当だろう。
もし、あの熊や寄生体に人為的な何かが全く無いという極低確率の可能性を是とするならだが。
「となれば、まずは怪物の行動原理を理解しよう」
人為的であることは明らかなのだ。なら、あれらを作り出した人間が、いつ、どこで、なにを、どのように、どうして、その様に考えていけば何かがわかるはずだ。たとえ魔法のような手段だとしても、その魔法を使った魔法使いには思惑があるはずなのだから。
まずは花の怪物。
あれは、恐らく媒介者なのかな?より広範囲に怪物化を引き起こす事が目的だろう。
あの怪物には、哺乳類、虫、植物の要素がある。寄生される宿主と寄生種は、支配されるとは言え、一種の共存の関係にある様に設計されたと考えられる。なぜそのようにしたかというと、どちらか一方に足りないものを互いに補えるからでしょう。
それは、考えられる限りでは植物には光合成を行う緑葉体含めた植物系の細胞と燃費の良さ、動物には能動性と動物系の細胞がある事だろう。虫には外骨格と複眼などが挙げられ蛹からの変態なども他にない特徴的な生態だろう。
となると、不思議なのは燃費の悪い生命体と燃費の良い生命体とを掛け合わせるメリットデメリットデメリットだろう。
実際、あの熊の身体は虫や植物等の生物に比して相当な燃費の悪さの筈。燃費の良い生命体と燃費の悪い生命体を掛け合せたのはあの下半身のない形態ならなおさらの事疑問が生まれる。
唯でさえ燃費の悪い哺乳類の中でも大きな熊を虫や植物に寄生させるメリットがあるとすれば、それはその肉体の大きさというデメリットにあるのではないだろうか。
熊の半身を食いつぶして虫が増殖し植物と熊を動かすために自らを食わせれば山からこの街に下ってくる間に熊を死なせずにいることはさほど難しいことではない。
野生の動物は何でも食べる。となれば生前は、植物や幼虫、あればはちみつなどで身体を動かしていた事もあったはずだ。何らおかしなこともない。そして、熊の身体は単なる移動用として考えたとき虫たちの食料になっていたとしたら納得できる。
規制された動物や虫は寄生植物の発芽に適した水辺へと寄生体を運ぶため、水が流れていく低地へと移動するからだ。
人面甲虫は人間の様な知能、人の顔、虫の身体を持つ。
知識をまるごと写しとる訳ではないようだが、それでも奪われる知識によっては大きな脅威になるだろう。
戦闘中の行動から、あれらは嘘を憑く事が最も恐ろしい生態だと言えるだろう。あれは、一匹が逃げるための時間稼ぎの動きさえしている節があり、おそらく社会性の生体だった。まぁ、人間の知識を奪ったとは言え
相手は喧嘩もしたことのない素人。たとえ虫の足が音を殆ど立てないとはいえ逃がさないが。
次に三角の化け物。あれについては戦わなかったし観察も殆ど出来なかったから何も知らないし、殆ど分からない。何より情報がない。同じ理由で単眼の怪物もだ。以上の推測から考えられる、このパニックの結末を考える。
「つまりは街を寄生体の住処にする、ってところしか分からない、かな」
人間は歴史上滅びを幾度となく回避したが、その全ては病原体の蔓延や核兵器の登場など、技術で克服可能であった。だが、この世界ではどうやら生物であるだけで滅びの対象であるらしい。
隕石の大衝突や、白亜紀の到来でさえ生き残ったあらゆる生物が生存不可能な厄災。
どうやら、それが起こされてしまったというのがこのゲームの本筋らしい。
「まぁいずれにせよ、既存の全生命体を淘汰するなんて明確な結末があって、ゲームクリアがあるかは分からないけれど、その探索も含めてゲームってことかな」
なんでもありの生存競争。人類にとっての未知、隠された恐怖を楽しむゲーム。
「違法ソフトに相応しいゲーム内容だね」
《2022/9/11》11:6 改稿(済)
こういった怪物の設定を作るのって、やっぱり生物について勉強しないと書けないんですよね。
ですので、ファンタジーとか書ける人凄くスゴいと思います!(なにいってんだこいつ)
それでですね、何か間違っている所などあったら、
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