知らぬが仏①
ふぅ。こんにちは。天才です。
齢17にしてこの世の真理を知ってしまった私に残された道は、来世が愚かな然し楽しい人生である事を祈りながら死ぬのみです。真理なんてものはそれを知ろうと覗き込む時が最も有意義であって、いざ知ってしまえばそこに待っているのは幻滅どころか絶望であったというわけです。ちょうど今窓の外を通り過ぎた三人組のギャル達のように、何も考えず何にも苦しまない日々を送れたのならどれほど幸せか。
やっぱりやめます。いくら楽しくても膝上15センチのミニスカがいつ風で捲れるかを3メートル後ろの男共に注視される人生は送りたくありません。あの理性を放棄した獣達は服装からして私の在席する学校に通う生徒だと思います。もちろん話すどころか顔を見たことすらもありません。しかし奴らは何が楽しくてたかがギャルのパンツのために折角の放課後をドブに捨てようとしているのでしょうか。放課後という概念から離れて久しい僕には理解できない価値があるのだろうか、いやない。そんなに見たいなら頼めばよいだろうに。少なくともスマホのカメラをオンにしたまま付け回してチャンスを伺うよりは可能性があります。一枚の布切れよりも彼女らの尻の方が軽いに違いありません。
ギャルにしてもこの寒い中を一体どうして痴態を晒しながら後ろからの視線を意識して見えそうで見えないパンツを演出するのでしょうか。今すぐ奥手な彼らに話しかけて暖かい部屋の中でさらにモワッと湯気が出るぐらい温めてもらえば良いのに。彼らの心持ちが理解できていない私がこの世の真理に到達したというのは思い込みに過ぎないのでしょう。
今一度瞑想でもしますか。ラプラスの悪魔或いは風神でもない限り彼女らの聖域を適切なタイミングで覗き見る事は出来ないでしょうし期待するだけ無駄です。一体箱入り娘が日の目を見るのはいつになるのでしょうか。かぐや姫の美貌は伝え聞くところにあっても選ばれし者以外は見ることさえできないのです。見えないからこそ人は皆思いを馳せ、そこに価値が生まれるのです。
つい先程タブを閉じてしまったことを悔いながら新たなお供を探そうとパソコンに向かい、ズボンを脱ぎ捨てたまさにその時でした。
突然窓から差し込んだ眩い光に驚き振り返ると光り輝く円柱があの6人を取り囲み周囲には激しく風が吹き荒れているようでした。私が理解するには遠く及ばない光の幾何学模様が地面に広がり中の彼らが慌てふためいている様子も見えました。気付いたら階段を駆け下り扉を開けて飛び出していました。しかし光の壁は彼らが抜け出す事も、彼らの声を外に放つことも許しませんでした。。
知りたい!解りたい!その叫びが彼らに届く事は無く、男の一人が落としたスマホ1つ残して跡形もなく消えていきました。
ただ一つ収穫があったとすれば私の理解の及ばないものの存在をしかとこの目に焼きつけることが出来たことです。これを解明するまでは死ぬのをやめましょう。
くまちゃん。水玉。黒のT
ワサビ入りケーキは食べた事ありますか?
私はありません。
今回が初投稿です。コミュニティのレベルの循環が最終地点に到達し、面白くない人が面白くない事をしているのを面白くない人が見ているというオワコン化した"なろう"に一石を投じるとは思っていません。
ただなんとなく何か書きたくなったので書いてみただけです。私の性格からしてすぐに飽きますので続編は期待せずにお待ち下さい。