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菓子のために命をかけるヒトカス

久しぶりに書いてみて一から読み直してたら何でこんなエロ描写多いのか首をかしげました。

「それ乗って近くのスーパー行ってマッハで帰ってくればいいんじゃないですか?」


 急に星子がそんなおかしなことを言ってきた。かなめが言ったらまぁコイツ馬鹿だしジョークって分かるけど、この子の場合はガチで言ってるんだろうな。眼光がそう物語ってるし何より嘘をぽんぽん放り出す人種じゃない。


「んー星子ちゃん。それはちょっと難しいかな」


「何でですか?」


 星子は食い下がる。まぁ仕方ない。ここは年長者の僕が何も知らない愚かな小娘を諭してやるか。


「まず、外は奴らがウヨウヨいるし危ない。そこに行くまでにどんな危険があるか分からないしそもそも車がそこに無ければ終わりだ。だからあんまりまずいことはしちゃいけないんだよ」


「でも、このままだといつかは食糧尽きますよね。救助の見込みもないしどの道何ヶ月かあるいは何週間後には遠征に行くことになるんじゃないですか?」


 それはそうだが、別に焦ってやる必要はない。むしろ嗜好品目当てに兵站は残ってるのに塹壕の外に出るなんて正気の沙汰じゃない。といっても分かってくれないんだろうな。


「まぁそうだけどそれはあくまで最後の手段。救助だって確かに今は来ないけどその内ゾンビが自然消滅したりとかあるかもしれんじゃん」


「そんな淡いありえそうもない期待ばっかして一度だってその通りになったことありますか? だいたい悪い予想ばっかいちいちして良い予想全然しないんですよねあなた。吊り橋を叩きすぎて壊すというか吊り橋をわざと壊してちゃんと壊れるじゃんって安心するタイプなんですよね。そんなんだから家に引きこもって行きずりの女を連れ込んで後先考えずのほほんと暮らしてても何とも思わないんですよ。ボンボンだからそれでも何も言われなかったかもしれないけど、今はもうあなたはただの運良く生き残ったただのもやしなんですよ。いい加減生き抜くためにまともで建設的な努力をしてください。あなたみたいな甘えた七光りの男が生きてて他の大多数が死んだことが信じられません。あなたがチヤホヤされてきたのは七光りで金をたくさん持ってたからであってそれ取ったらあなたは人並み以下の雑魚……あれ? 泣いてます?」


「ぐすっ……」


 後半ただの罵倒じゃないか。久しくネチネチした嫌味を言われたことがなかったから悲しくてガチ泣きしている。


「ちょ、ちょっとせー泣いてるじゃん! せーはそんな理詰めじゃ動かないから! もっとおっぱい揉ませるとかすれば単純だから動いてくれるって!」


 お前もひどいな。どいつもこいつも失礼だな。首の骨へし折ってやろうか。


「そんなら私あの時に洗剤責めされた時に誠一郎さんに全身を弄られて辱められましたよ。あの時本当は私が生身だというのに気付いてたけどどさくさに紛れて犯そうと……」


「うっわマジ……これだから男は……」


「うるさいな!! だったら行けばいいんですよね!! 待ってろや今すぐ行って帰ってきてやるから!!」


「おいおい待て待て待て待て!!」


「うるさい離せ! 胸を押し付けても無駄だ!」


「いやそういう意図はないんだけど」


 僕は耐え切れず槍を手に取ってやけっぱちに玄関まで駆け出してサンダルを履いた。すると今更かなめが僕に後ろから抱きついて止めようとしてきたけどもう遅い。そこまで舐められたとあっては男が廃る。今から僕の生き様をとくと見るがいいわ。

 僕がドアの鍵に手をかけた瞬間のことだった。


「いい加減、落ち着け!!」


「グァァァァァッ!?」


 かなめがベルトを掴んで僕ごと持ち上げて、そのまま腰を捻って背後の物置部屋へと放り込んだ。中にある畳んで積まれた衣類の頭を突っ込み、柔軟剤の香りを嗅いでると気分が和らいだ。

 今、女に投げ飛ばされたぞ。僕できるか今の?


「やる気出したのはいいですけどちゃんと計画は立ててください」


「そうだって。ちょっと冷静になろうよ」


「………」


 何だろ。死にたくなってきたな。

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